問題:ある駅前の土地が競売によって売り出されることになった。競売の方法は以下の通り。
買い手は自分の買い値を紙に記入して、それを秘密にしたまま、入札箱に投入するものとする。買い手が入札を終えた後、売り手は入札箱を開けて一番高い値をつけた買い手に、その人がつけた買い値でこの土地を売ることにする。一番高い買い値をつけた買い手が複数いる場合は、その中から公平なくじ引きで選ばれた1人に売ることにする。
A氏は、この土地を用いた事業を行うことで5億円の利益が得られるとする。つまり、競売に参加してX億円で土地を買うことができたとすると、A氏の利益は5-X億円になる。土地を変えなかった場合は、事業の利益も土地購入代も発生しないので、A氏の利益は0円と考える。
この競売に、A氏の他にもう一人の買い手(B氏)が参加しているとする。買い値は、1億円単位でつけなければいけないものとする。B氏のつける買い値をY億円とし、Yは1から10までの整数を等しい確率でとるものとする。
利益の期待値を最大にするためには、A氏はいくらの買い値をつければ良いか。
※2010年東京大学(後期)総合科目II問題
この土地が生みだす利益は5億円なので、5億円で落札しても利益は「0円」。利益を生む入札額は「1~4億円」となるが、相手より額が大きくなければ落札できない。さて、もっとも利益を期待できる入札額は……。