■素数ゼミの謎

先日、夕方のテレビのニュースで「シカゴで17年ゼミが大量発生」というニュースを見た。木の幹にも葉にも、セミがびっしり。木の根元にはうず高くセミが密集している。なんでこの時期? これも暖冬の影響? と思ったが、アメリカでは17年周期で大量発生するセミがいるらしく、その数は、数十億匹とも言われ、はんぱな数じゃない。それだけの数のセミが一斉に鳴きだすと、上空を飛ぶ飛行機の音も聞こえなくなるほど、すさまじいという。しかし、騒音被害くらいで、他に害はない。それどころかセミは貴重な蛋白源。とくに羽化したばかりの青白いときがおいしい(?)ということで、日本人のリポータが生で食べていた。地元の人たちは「セミ・パーティ」を開き、クッキーなどにセミを混ぜ込んで焼いて食べている映像も流れた。

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素数ゼミの謎
吉村仁/著 石森愛彦/絵
出版社:文芸春秋
ISBN:978-4-16-367230-4
発行年月:2005年7月
価格:1500円(税込)

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■団塊の世代のセカンドライフ?

テレビ番組表で「セカンドライフ」という文字を見つけ、おっ!3D仮想世界の「Second Life」を取り上げるのか…と見ていると、文字どおり、リアルな退職後の第二の人生「セカンドライフ」を扱った番組だったりする^^;その団塊の世代が今年から2011年あたりまで退職を迎えるということで、各出版社とも、団塊の世代のセカンドライフ「趣味としてパソコンやインターネットを楽しんでみませんか?」というコンセプトで本を作っている。我が「ガスコン研究所」がほんの一部、関与した本が2冊発売になったので宣伝させてね。

Gakken_mook01
大きな文字で読みやすい インターネット入門
GAKKEN COMPUTER MOOK

出版社名     学習研究社
(ISBN:978-4-05-604730-1)
発行年月     2007年05月
価格     880円(税込)

Gakken_mook02
大きな文字で読みやすい パソコン入門
GAKKEN COMPUTER MOOK

出版社名     学習研究社
(ISBN:978-4-05-604810-0)
発行年月     2007年05月
価格     880円(税込)

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■脳をシゲキする算数ドリル:緊急の電話連絡網

脳をシゲキする算数ドリル
現役東大生プロデュース
脳をシゲキする算数ドリル

著者:木村 美紀
販売元:ダイヤモンド社

以前にも紹介したけれど、木村美紀さんの「脳をシゲキする算数ドリル」からの出題。

15人クラスで、1人の先生が電話をかけて始まる電話網がある。1回の電話に1分かかるとして、一番早い電話のかけ方だと何分で終わるか?

つまり、先生→生徒A→生徒Bという連絡網なら2分かかる。問題は15人全員に連絡できる最短のネットワークは、どのようなものかということ。そして、連絡が行き届く最短時間を答えればよい。

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■算法少女

算法少女
算法少女

著者:遠藤 寛子
販売元:筑摩書房

「たけしのコマネチ大学数学科」は4月以降も番組継続が決まり、うれしい限りだが、番組改編時期の特番が入り、このところ休講状態。で、今回は「算法少女」の冒頭に出てくる問題を考えてみよう。「算法少女」は、安永4年(1775年)江戸で出版された和算書と同じ題名だが、遠藤寛子さんの「算法少女」は、その和算書を医者の父「千葉桃三」と共に著した「千葉あき」(当時13歳)の物語(小説)だ。

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陰日向に咲く

 今更ながら「陰日向に咲く」を読んだ。帯には「43万部突破!」とあり、奥付を見ると「第16刷」だった。8月の時点で、すでに「50万部」を超えているそうだから、まだまだ売れ続けているのだろう。

 「陰日向に咲く」というタイトルどおり、この小説は社会からは日陰に住む人たちが入れ替わりに登場する連作小説で、ちょうど日陰の中に、ぽっかりできた小さな陽だまりのような暖かさを感じさせる人間模様を描き出している。

 劇団ひとり(川島省吾)は、パイロットの父と、CA(キャビンアテンダント)の母を持つ、おぼっちゃまで、父の仕事の都合で小学校時代をアラスカ、アンカレッジで過ごした、いわゆる帰国子女だ。「ボキャブラ天国」の頃、「スープレックス」という漫才コンビでデビューしたが相方が失踪してしまったため、ピン芸人「劇団ひとり」が誕生した。さまざまなキャラクターを演じ分ける、たったひとりの劇団だが、その団員(キャラクター)は、すでに百人に及ぶという。つっぱり亭津田沼 、ミサイル堀口、満田丹五郎、ウォンチューレンなどなど団員には、ひとりひとりに名前がついている。「24人のビリー・ミリガン」のように多重人格障害ではないにしても、こちらは「100人の劇団ひとり」だ。

 さまざまな人物が登場する連作小説なので、その点では舞台のネタを作るのと同じなのかもしれない。読み始めると、とまらなくなり、いっきに読ませてしまう。構成が巧みで、ひとつひとつ、ばらばらの真珠の玉に一本の糸を通すことで、見事につながり、首飾りが出来上がるような……。あるいは、ひとつひとつのピースを組み合わせて、ジグソーパズルを完成させたときのような、爽快感がある。作者の術中にはまり、思わず「ニヤリ」としてしまうシーンが何箇所もある。

 三谷幸喜が何かの番組で「期待外れにつまらないというのが、脚本としては最低で、次に期待どおりにおもしろいが真ん中、そして期待外れにおもしろいというのが最高。脚本家としては最高を目指したい」と語っていたが、「陰日向に咲く」は、まさしく期待外れにおもしろい。初の書き下ろし小説がベストセラーになり、「次はコケそうでしょ。だから書きません」と本人は言うが、みんなの期待とプレッシャーを背負いつつ、次回作をぜひ書いてほしい。

陰日向に咲く
陰日向に咲く

著者:劇団ひとり
販売元:幻冬舎 (2006/01)

都会のナポレオン
都会のナポレオン

販売元:ソニーミュージックエンタテインメント
発売日:2004/09/23

都会のシェイクスピア
都会のシェイクスピア

販売元:Sony Music Direct
発売日:2006/09/06