■コマネチ大学数学科30講:ディオファントス

テレビドラマ「僕の歩く道」のオープニングで毎回、草ナギ剛君が自転車に乗っているシーンが流れるんだけど、草ナギ君が「ムラタセイサク君」に見えてしまうのは、私だけ……?「たけしのコマネチ大学数学科」第30講:ディオファントス。

20061215_01 今回の問題は「立方体で直方体を作り、外側の面に色をつけたとき、色がついた面とついていない面の数が同じになるのは、どのような直方体か答えなさい」。

図に提示してある、横幅(X)2、高さ(Y)2、奥行(Z)2の場合も、色のついた面と色のついていない面の数が同じになる。問題はこれ以外の組み合わせを答えることになる。

20061215_02

コマ大数学研究会のように豆腐やサイコロステーキで検証するのは大変なので、エクセルの表を作成した。「Excel」がインストールされているパソコンならば「comaneci30.xls」をクリックして「開く」ボタンを押してほしい。

「ディオファントス」は、古代ギリシャの数学者。未知数が2以上ある方程式の整数解を求めるものを「ディオファントス方程式」と呼ぶらしい。

20061215_03

答えは、2通りある。コマ大数学研究会は、残念ながら1通りの答えしか見つけられなかった。東大生、マス北野とも正解。コマネチフィールズ賞は、マス北野が辞退し、東大生コンビが受賞した。

「ディオファントスの墓碑」問題(引用:Wikipedia)

ディオファントスの人生は、6分の1が少年期、12分の1が青年期であり、その後に人生の7分の1が経って結婚し、結婚して5年で子供に恵まれた。ところがその子はディオファントスの一生の半分しか生きずに世を去った。自分の子を失って4年後にディオファントスも亡くなった。

ディオファントスがχ歳に亡くなったとすると、
20061215_04

これを解くと、χ=84となる。結局、ディオファントスは84歳で亡くなったらしい。

■コマネチ大学数学科29講:カタラン数(補習)

 頭の中でカタラン数が「カタラン、ワカラン」と音を立てている。仕事をしなければならないのだが、このままでは気になってしょうがない。そこで、頭の中を整理する意味で、エクセルの表にしてみた。

20061211_01

 EXCELがインストールされているパソコンならば、「comaneci29.xls」をクリックし、「開く」を実行してみてほしい。

 問題を解くためには、できるだけ問題を単純化して、それを一般化する手法を取る。

20061211_02

20061211_03

 「P」とか「C」とか、わからない記号が出てきたが、これは数学のお約束ごと。数学が難しく感じたり、理解不能と思えるのは、誰かに教えてもらわないと一生わからない記号(お約束)が多いことなんだよね。

 その点、この問題を解くのに参考にした、結城 浩さんの「プログラマの数学」という本は、数学が苦手な人にも、きちんと記号の意味を説明をしてくれている。優しさは(理解の)易しさにもつながるのだ。

 これで、エクセルの表の「人数」に「10」と入力すれば、正解が出るのだけれど、今回のテーマは「カタラン数」なので、カタラン数とはどういうものか……。

20061211_04_2

2007年3月9日追記:図の間違いを修正;;

 パスカルの三角形を半分にしたような形なのだが、この表に表れる「1、1、2、5、14」という数の並びが「カタラン数」と言うらしい。今回の問題の2人、4人、6人、8人の場合のカップル(握手成立)数になっているのだ。

 マス北野が短時間で正解に辿り着いたのは、(2+5)の2倍が、次の数字「14」になることに気づいたからだ。
つまり、(2+5+14)×2が、10人の場合の答えになると考えた。マス北野のこういった法則を見つける能力というか、数学的な直観力は「さすが」だよね。

■コマネチ大学数学科29講:カタラン数

「そのまんま東」が政治団体を作ったそうで、その団体名が「そのまんま会」。ニュースを見た人の99%は「そのまんまかいっ!」っていうツッコミを入れたことは想像に難くない「たけしのコマネチ大学数学科 第29講」。今回の問題は「10人が円座になって握手するとき、手が交差しないように握手するには何通りあるでしょうか?」というもの。以下はネタばれ注意のFlashムービー。

 簡単なFlashムービーなのに、予想外に時間がかかってしまった。私自身もよくわかっていない「カタラン数」をどう説明したらいいものか……。それは、上のFlashムービーを見た人なら、「私がわかっていない」ということをわかってもらえると思う。

 しかし、マス北野は「さすが」である。たった10分間で、この問題を解き、正解するとは……。

 で、録画した番組を見たが、アルコール漬けの私の脳では、竹内薫センセの話の展開が速すぎて追いつけなかった。放送の時間枠に収めなければならないので、いたしかたないのかもしれない。

■青空学園数学科:カタラン数
http://aozoragakuen.sakura.ne.jp/taiwa/node83.html

■コマネチ大学数学科28:三つ折り

 もう師走だと言うのに、体がダルく、ぜんぜん仕事をやる気になれなくて、ごめんなさいの「たけしのコマネチ大学数学科、第28講」。今回は「三つ折り」ということで、私も体を三つ折りにして謝ろう。orz

 というわけで、「紙を数学的に三つ折りにする方法とは?」以下のFlashムービーを参照してほしい(ネタばれ注意!)。

 上記の方法は「A4」用紙の場合のみ有効。辺の比率が「1:√2」になっているからだ。きちんと証明しなければならないところだが、紙が三つ折りにできたことは実証されたわけだから、いいじゃん……と思ってしまうのは、私が数学落ちこぼれのせいだろう。

20061201_01  たぶん中村亨センセも「予想外?」の解答をしたのが、コマ大数学研究会だ。〆さばアタルが過去の「第3回:モーペルテュイの原理」、ビリヤードの問題から、用紙を展開する方法を思いついた。つまり、A4の紙を並べて、角を線で結ぶ方法だ。図形の相似性を利用したものだが、その発想がアタルチャーンス!って感じだ(線を引くため、定規が必要だけど^^;)。

 東大生チームは、証明をあれこれ考えているうちにタイムオーバー、ギブアップとなった。マス北野のように、3分の1になりそうなポイントを探すため、二つ折りの折り目に対して、いろんな補助線を引いていけば、見つかるはず。でも、ちゃんと証明しているところが流石だ。文句なしのフィールズ賞。

番組では、辺の比率がA4とは違う紙でも「三つ折り」にできる6通りの方法を紹介していた。また、五つ折り、七つ折りなど、数を増やしても奇数折りは可能とのこと。

■コマネチ大学数学科27:一筆書き

 世界女子バレー、日本は残念ながらメダルに手が届かず。ロシアとブラジルが世界1位の争いを繰り広げる中、「たけしのコマネチ大学数学科」の第27回。今回のお題は「一筆書き」。下のおダンゴを4つ串刺しにしたような図形のAから描き始め、Bに辿り着く書き順は何通りあるか答えなさいというもの。

20061117_03

 ひとつの円に注目すると、最初の分岐は3通り。で、戻るときは、来た道を引き返せないから「3-1」の2通り。つまり、ひとつの円に対して3×2=6通りの書き順があるわけで、それが4個だと、6^4=1296通り。ここまでは、誰しも納得というか、すぐに計算できる。

20061117_04_2

 問題は、複数の円にまたがり、たとえば、上の円弧だけを続けて書き、戻る方法だ。しかし、これもよく考えると、連続して書き始めたポイントまで戻るしかないことがわかる。ひとつ目の円はすでに組み込み済みなので「a」は除外される。残りは3つ。戻る手順は2通りなので、2^3=8通り。つまり、(6^4)×(2^3)=1296×8=10368通りが答えとなる。
円がn個つながったときの公式は、

20061117_05

 番組では、東大生チームがみごと正解してフィールズ賞を獲得した。

 ちなみに、ある図形が一筆書きができるかどうか、有名な「ケーニヒスベルクの橋渡り」については、過去の記事「第8回:トポロジー」を参照してね。

■コマネチ大学数学科26:ナポレオンに挑戦

 ラベルにもちゃんと「下町のナポレオン」と印刷されている、麦焼酎「いいちこ」を飲みながら、いつものように「たけしのコマネチ大学数学科」を見る。今回の問題と解答は、以下のFlashムービーのとおりだが、完全に「ネタばらし」なので、自分で考えたい人は見ないでください。

 なぜ今回の問題が「ナポレオンに挑戦」なのか。中村センセの解説によると、「ナポレオン」は数学に対する関心が高く。国を栄えさせるためには数学が必要だと考えた。そしてイタリア遠征のとき、この問題の解法を知り、国へ持ち帰ったとのこと。

 ところで竹内センセのブログ「薫日記」の11月8日の記事によると、来年の始めあたりに「コマネチ大学数学科」の本が発売されるようだ。年末特番も決まったみたいで、今から楽しみだ。

■コマネチ大学数学科25:和算

今回は江戸時代の数学書「塵劫記」に出てくる「百五減算」という算術の問題。

ある人の年齢を 3、5、7 でそれぞれ割った余りがそれぞれ 1、2、3 になるとき、その人の年齢はいくつでしょうか?

で、さっそく私も「エクセル」で「百五減算」を作ってみた。「塵劫記」や「百五減算」は、Wikipediaに詳しい解説が載っているので、そちらを参照してほしい。

20061103_01

※ガダルカナル・タカさんの場合

ポイントは、3、5、7の最小公倍数が105になること。エクセルでは「=LCM(3,5,7)」とすれば、簡単に求めることができる。もっとも、3、5、7は素数なので、3×5×7=105ということだ。

で、105をそれぞれ3、5、7で割ると、35、21、15になる。求める数(年齢)を「n」とし、3、5、7それぞれの数で割った余りを、a、b、cとすると、
百五減算の公式は、
n=70a+21b+15c-105k となる。(kは、nが105よりも大きいとき、何回が引くという意味)

番組を見ていて、一番ひっかかったのは、なぜ「35」だけを2倍して「70」にするかだろう。ちゃんと竹内センセは解説をしてくれているのだが、こちらの理解力が足らず、モヤモヤした感じが残った。

これは実際に「=mod(35,3)」としてみるとわかる。「35」を「3」で割ると、余りが「2」になる。

つまり、こーゆーことだ。
70は、5と7で割り切れるが、3で割ると1余る数
21は、3と7で割り切れるが、5で割ると1余る数
15は、3と5で割り切れるが、7で割ると1余る数
105は、3でも5でも7でも割り切れる数(最小公倍数)

番組では、全員が正解した。しかし、納得がいかないのは「コマネチ・フィールズ賞」をコマ大数学研究会が取ったこと。東大生チームは、ちゃんと数式を立てて解き、条件を満たす数として、52、157、262を出した。そこで、コマ大のロケで問題と同じ余りが「1、2、3」になった番組プロデューサの「吉田さん」が、157歳や、262歳はありえないから、「52歳」という答えだった。これを「最終的には見た目」と判断されたが、これが現実的な答えだ。百五減算だって、江戸時代105歳を超える長寿の人はいなかったろうから、105を引いているわけで、その点では同じだと思う。

私はコマ大数学研究会を応援しているが、今回の竹内裁定には疑問が残る。マス北野も「こういう情けが番組の視聴率を下げる」と発言していた。

でも、今回は全員正解の引き分けなので、オープニングの
ダンカン「倍数の例を挙げてください」
ガンビーノ小林「9は3の倍数」
〆さばアタル「25は5の倍数」
無法松「501はリーバイス」
という、久々のヒットで「フィールズ賞」をもらったと考えれば納得。コマ大、ファイト、ファイト、ファイト!!

■コマネチ大学数学科:集合場所問題

 「コマネチ大学数学科」の新学期が始まった。いつも私は酔っ払っているので、「iEPG」を使ってテレビ番組表から録画予約をしている。番組表では、1:45からの放映だったが、MLBの番組が中止の場合は「以降繰り上げ」とあった。野球などで放映時間が延長され「以降繰り下げ」というのは、まま、あることだが、盲点をつかれた感じ。MLBの放映が中止になり、番組は1:15にスタートしていたのだ。すっかり「いいちこ」な気分で、さて「コマネチ大学数学科」を見ようかとチャンネルを合わせたときには、すでに番組は半ばを過ぎていた。

 そんなわけで、今回の問題は「集合場所問題」なのだが、問題そのものを見ていないので、問題を想像してみる。

京都のような碁盤の目(格子状)の通りがある。5つのグループはそれぞれの位置にいる(●の中の数字は、人数)。このグループを1箇所に集めるとき、最適な集合場所(全員の移動距離の総計がもっとも短くなる場所)はどこか?

※Flashムービー:RSSリーダーでは表示されません(「Goo RSSリーダー」を除く)。また、方向キーを押しても動かない場合は、ムービー内を一度クリックしてください。

※追記(10月29日):日本語入力がONになっていると、SPACEキーを認識しないことが判明。すまそん><;

■中村センセによる「多数決の原理」
・集合点を仮に決める(ここでは、X=0,Y=0とした)。
・東西南北に1マスずつずらし、賛成が多ければ移動する。
・移動できなくなったところが最適な集合場所(答え)。

 上記の方法は、答えにたどり着く一般的な方法。「美しき数学の時間」では、たった5秒で解ける方法を紹介していたが、まだ放映されていない地域に住んでいる人のため、考える楽しみを奪うのは、やめておこう。

コマネチ大学休講

先週、番組の最後に「コマネチ大はしばらく休講」とあったので、気にはしていたのだが、秋の番組編成、特番の時期のためか、本日の「たけしのコマネチ大学数学科」は休講のようだ。

そこで、竹内薫センセの「頭がよみがえる算数練習帳」の冒頭に出てくる問題を引用させてもらおう。

 ある牧場では、300頭の牛を放牧すると10日で草がなくなります。また、600頭だと4日で草がなくなります。それでは、500頭の牛なら何日間、放牧できるでしょうか? ただし、牛はみな、1日に食べる草の量が同じだとします。草は毎日、一定の割合でのびるとします。(ニュートン算)

とにかく、この本は、おもしろい。一気に読んでしまうのは、もったいないので、問題を解きながら、少しずつ楽しみたいと思う、今日この頃なのだ。

第23回:繰り込み

 CNC(チンパンニュースチャンネル)のキャスター、ゴメス・チェンバリンこと、スマイル君のテレビ出演は「種の保存法」に違反するとして、環境庁が調査に乗り出したというニュースが気になり、ストレスがたまったのか、収録中にウンコをしてしまい、途中退席、最後のシメの「ごもごもごもごも、ごもっとも~」ができなかったよぉ~の「たけしのコマネチ大学数学科」第23回。テーマは「くりこみ」。

Ex_2301  今回の問題は「12cmの板を落ちないようにズラして重ねていき、一番上の板が机の端から、1枚分はみ出すには、最低何枚必要か?」

 板が1枚ならば、長さ12cmの半分、6cmまで机からはみ出させてもよいことは自明だ。板が2枚の場合は、2枚の半分、1枚分の重量まではみ出させることができる。

Ex_2303

Ex_2302  同様に3枚目、4枚目の位置も計算できる。で、4枚になった時点ではみ出た部分が「1」を超えるので、答えは「4枚」となる。

 前回の「暗号」では、問題と解説のつながりが、ちょっと強引なような気がしたが、今回の問題は、10分以内で解ける設問と「美しき数学の時間」へのつながりが、とてもスムーズで、すんなりと入っていけた。これなら数学好きな人も大満足なはず。もっとも私には難しすぎて「ゼータ関数」や「リーマンの未解決問題」など、ちんぷんかんぷんだったが。それでも、数学のスゴさと美しさを感じることができて、とても興味深かった。

 今回の問題も入っている、竹内薫センセの「頭がよみがえる算数練習帳」が、発売されたようだ。さっそくアマゾンで注文しよっと。

頭がよみがえる算数練習帳
頭がよみがえる算数練習帳

著者:竹内 薫
販売元:筑摩書房