■コマネチ大学数学科25:和算

今回は江戸時代の数学書「塵劫記」に出てくる「百五減算」という算術の問題。

ある人の年齢を 3、5、7 でそれぞれ割った余りがそれぞれ 1、2、3 になるとき、その人の年齢はいくつでしょうか?

で、さっそく私も「エクセル」で「百五減算」を作ってみた。「塵劫記」や「百五減算」は、Wikipediaに詳しい解説が載っているので、そちらを参照してほしい。

20061103_01

※ガダルカナル・タカさんの場合

ポイントは、3、5、7の最小公倍数が105になること。エクセルでは「=LCM(3,5,7)」とすれば、簡単に求めることができる。もっとも、3、5、7は素数なので、3×5×7=105ということだ。

で、105をそれぞれ3、5、7で割ると、35、21、15になる。求める数(年齢)を「n」とし、3、5、7それぞれの数で割った余りを、a、b、cとすると、
百五減算の公式は、
n=70a+21b+15c-105k となる。(kは、nが105よりも大きいとき、何回が引くという意味)

番組を見ていて、一番ひっかかったのは、なぜ「35」だけを2倍して「70」にするかだろう。ちゃんと竹内センセは解説をしてくれているのだが、こちらの理解力が足らず、モヤモヤした感じが残った。

これは実際に「=mod(35,3)」としてみるとわかる。「35」を「3」で割ると、余りが「2」になる。

つまり、こーゆーことだ。
70は、5と7で割り切れるが、3で割ると1余る数
21は、3と7で割り切れるが、5で割ると1余る数
15は、3と5で割り切れるが、7で割ると1余る数
105は、3でも5でも7でも割り切れる数(最小公倍数)

番組では、全員が正解した。しかし、納得がいかないのは「コマネチ・フィールズ賞」をコマ大数学研究会が取ったこと。東大生チームは、ちゃんと数式を立てて解き、条件を満たす数として、52、157、262を出した。そこで、コマ大のロケで問題と同じ余りが「1、2、3」になった番組プロデューサの「吉田さん」が、157歳や、262歳はありえないから、「52歳」という答えだった。これを「最終的には見た目」と判断されたが、これが現実的な答えだ。百五減算だって、江戸時代105歳を超える長寿の人はいなかったろうから、105を引いているわけで、その点では同じだと思う。

私はコマ大数学研究会を応援しているが、今回の竹内裁定には疑問が残る。マス北野も「こういう情けが番組の視聴率を下げる」と発言していた。

でも、今回は全員正解の引き分けなので、オープニングの
ダンカン「倍数の例を挙げてください」
ガンビーノ小林「9は3の倍数」
〆さばアタル「25は5の倍数」
無法松「501はリーバイス」
という、久々のヒットで「フィールズ賞」をもらったと考えれば納得。コマ大、ファイト、ファイト、ファイト!!

“■コマネチ大学数学科25:和算” への3件の返信

  1. 裁定ミスですね(汗)
    相方を失った、〆さばアタルさんの憔悴した表情を見ていて、つい、「芸人魂」がわからずに賞を出しました。私は芸人でないので、後で、ハッと気づいたんです。

  2. 番組収録はかなり前に行われたんですね。
    その時期の竹内センセの日記を思い起こしました。
    あらためて、〆さばヒカルさんのご冥福をお祈りします。
    私のミスで「薫日記」にトラックバックを
    二度送信してしまいました。申し訳ないです。

  3. ■コマネチ大学数学科40講:和算PartⅡ

    イタリアのちょい悪オヤジ風、竹内薫センセが和服を着て登場。マス北野の「崔洋一みてえだな」の一言に激しく同意「たけしのコマネチ大学数学科」第40講。お題は「和算」。以前、「百五減算」をやったが、今回は、なにやら幾何の問題。 今有如図直内容等円二ケ設二斜相錯載側円其短径及等円径若干問得側円長径如何 問題:この楕円の短径が4、等円の直径が1のとき、楕円の長径を求めなさい。 この式にb=2,r=1/2を代…

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