今回のテーマは、オクタゴン。オタクゴンではないよ「たけしのコマ大数学科」
問題:1辺の長さが1の正八角形の周上を3点P,Q,Rが動くとき、△PQRの面積の最大値を求めよ。
ガスコン爺が作成したFlashでは、3点P,Q,Rの動かせる範囲が限られているし、各点をドラッグして動かしたあと、うまくドロップできないことがあるが、勘弁してほしい><;
●コマ大生の検証
コマ大数学研究会は、グーグルアースで正八角形の建物を検索。名付けて「コマ大世界遺産」。
(C)Google Maps
で、この上空から見た建物を三角形に切り抜いて、精密計量器で重さをはかる検証なのだが、計量する機器は精密であっても、切り抜く手作業の部分は、どう考えても精密さに欠ける。さらに根本的な問題は、重さを求めることではなく、面積を求めることだ^^;
コマ大生の答えは「0.461g」
●マス北野&ポヌさん
三角形の面積は、底辺×高さ÷2なので、最大の面積を得ようとすると、底辺も高さも大きい方がよい。しかし、最大の高さを求めると、底辺は小さくなり、逆に底辺を最大にすると、高さが小さくなる。マス北野は、図1のような、2つ三角形を描き、ポヌさんに、どちらの三角形の面積が大きいか計算してもらう。
しかし、青い三角形を回転させると、計算するまでもなく、見た目でオレンジの三角形の面積が大きいことがわかる。じつは、このオレンジの三角形が最大の面積になる。あとは、正しく面積を計算することができればよいのだが……。
マス北野&ポヌさんの答えは「2+√3」
●東大生(木村美紀&山田茜さん)
証明の過程は不明だが、東大生チームは、下図のような三角形が最大の面積になるとして、その面積を求める方法を考えた。
n角形の内角の和は(180×n-360)なので、正八角形の内角の和は(180×8-360=1080)、ひとつの内角は(1080÷8=135)。そこから90度を引くと(135-90=45)。つまり、青い三角形は、二等辺直角三角形。正八角形の一辺は「1」なので、除く他の二辺は(1/√2)になる。すると、オレンジの三角形の面積は「底辺(1+2×(1/√2))×高さ(1+(1/√2))÷2」、これを計算すると……。
東大生の答えは「1+3√2/4」
★正解は「1+3√2/4」で、東大生がコマ大フィールズ賞を獲得した。ちなみに、小数で表すと「1+3√2/4≒2.060660171779821」
●竹内薫センセの「美しき数学の時間」
三角形の面積が最大のとき、三角形の各頂点が必ず、正八角形の頂点と重なる。これを厳密に証明しようとすると、大変なようである。
でも、冒頭のFlashで遊んでみれば、頂点以外では面積が最大にならないことは明白。正八角形の辺に任意の3点を取る。たとえば、辺RQを固定して、点Pを正八角形の周上を移動させると、頂点が面積の最大になる。これは、辺PRを固定しても、辺PQを固定しても、同じことが言える。例外として三角形の底辺が正八角形の一辺と並行だった場合、残る1点を移動させても、面積が変化しないことがある。
各点が辺上にある限り、その点を移動させると、面積は連続的に増加、あるいは減少する。増加から減少に転じるのは頂点であり、最大となる(前述したように変化しない場合はある)。
たぶん、これを数式で表し、証明するのは大変だということだと思う。
●ガスコン爺の≪番外編≫
爺はどのようにして三角形の面積を計算しているか
(※A,B,Cの各点をドラッグ&ドロップしてみてね)
「たけしのコマ大数学科」には、図形の面積を求める問題が時折、登場するが、ここでは、代数的な求め方ではなく、コンピュータ(Flash)を使って、数値的な近似値を求める方法を紹介しよう。FlashのAction Scriptを学ぼうとしている人にしか興味がない話かもしれないので、興味がなければ読み飛ばしてほしい。
三角形の一辺を底辺と決める(上のFlashでは、BCを底辺としている)。残りの頂点(A)から、辺(BC)に垂線の足を下ろせば、高さが求まるので、底辺×高さ÷2=面積となるが、問題は、辺BCと交わる垂線の足の位置をどのように計算するかだ。
上は、その主要な関数の部分を抜き出したものだが、Flashには、「Point」という便利なクラス(組み込み機能)がある。たとえば、「A」というポイントを設定すると、そのX座標とY座標を保持する。
「Point」を使わないと、上にあるような、ややこしい座標計算をしなくちゃならない。Pointを使うと、たとえば、2点間の距離を求める場合は「kyori = Point.distance(B,C)」と記述すれば計算してくれる。また、垂線を引くとき、便利なのは、「Point.ineterpolate」というメソッド(操作手続き)だ。これは、BC間の距離を「1」として、その線上にある、Bからの距離(0~1:値が負、1より大になっても可)のX座標、Y座標を返す。
とにもかくも、爺は「たけしのコマ大数学科」の問題を解くのも愉しみだが、その問題をFlashで作るのも楽しい^^;
で、爺は「Flash CS4」を持っているんだけれど、未だに「Flash 8」を使うことが多い。Flash 8は、ActionScript2.0(AS2)で、CS4は、AS2とAS3のどちらのファイルも作成可能(ただし、ファイルの保存形式はFlash8との互換性はない)。AS2とAS3では、まったく別物と言っていいほど違う。ついつい、使い慣れた、いい加減さが許される、AS2の楽な方へ逃げてしまうんだよね。歳をとると、新しいものに順応できなくなる証拠か……これじゃ、いかんと思い立った次第。これからは、試行錯誤しながらも、少しずつAS3の作法を覚えていこうっと^^;
※ソースのダウンロード
Vertical_as2.zip(Flash 8以降)
Vertical_as3.zip(Flash CS4)
※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマ大数学科:2008年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
図が最大になることの証明は(たしか)小学6年生程度の知識があれば証明できまっせ
まずPがAH上にあるとする.ここで直線QRがAHに平行だとするとPがAもしくはHにあっても面積は変わらない.またQRがAHに平行だとしないとするとPは直線QRにより遠いほうが面積が大きくなる.よってPはAH上にあるのでPはAもしくはHにあるはずである.この二つより次が言える
三角形PQRが最大の面積を取っている時、PQRのどれか一つは正八角形の頂点上にある
さてPがAにあるとする.ここで直線AEを引く.ここでもし最大面積の時のQ,Rが正八角形のA-B-C-D-E上(対角線を引いたCを含む周)にあるとする.ただし頂点EにはQRはない.このとき三角形PQRをPをAに固定させたまま頂点Gの方向に回転させるとする.すると少しでも回転させてしまうとQRはともに正八角形の周から離れてしまう.この時正八角形と三角形の共通点はAのみ.そして離れた後にQ'を直線QAと正八角形との交点とする.同様にR'を定義する.この時PQR<PQ’R’なので仮定に反する.これより次が言える.
PQRが最大面積を取る時PQRの位置は次のどちらかである.
三角形AE(CorG)もしくは三角形A(G側A~E上の点、E除く)(C側A~E上の点、E除く)
ここでに三角形A(G側A~E上の点、E除く)(C側A~E上の点、E除く)ついて考える
①ここでもしQがEF上にある時面積が最大になるのはRがCにある時である.
②またA~F上にあるとすると、面積が最大になるのはDにある時である.
③仮にRがFにあるとすると最大となるのはRがCD上にある時である.ここでR=Cの時最大になるとする.
これより最大の面積を取ろうとするなら次のどちらかになる
①、③の時PQR=ACFで最大
②の時PQR=ADFで最大
AF//CDよりACF=ADFなので三角形A(G側A~E上の点、E除く)(C側A~E上の点、E除く)の最大は三角形ACFである.
よって三角形ACFと三角形AECの大小で考えればよい.底辺をACとして考えれば三角形ACFのほうが明らかに大きい.三角形ACFの面積は1+3(√2)/4である.
以上より答えは1+3(√2)/4である.
絵を描いたらわかりやすいかもです
中学生レベルの知識で十分解ける問題です.