■コマ大数学科165講(補習):仲間を探せ

前回の中村亨センセの「ちょっといい話」は、テーマの「16マス」にちなんで、「16」という数の話だった。爺の気力(酒の誘惑?)が持たず、記事では触れなかったので、復習しておこう。

1以上の連続した整数が16個ある。「1」は除き、偶数は「2」で割り切れるので仲間とみなす。「6」や「9」は「3」の仲間だ。「5」と「10」も仲間。しかし、「11」や「13」には仲間がいない。つまり、縦の列を見たときに、どれかの列に「」が2つ以上あればよい。1以上の任意の整数から始めて連続した数が16個以内で、仲間外れがいないような数を探してほしい。

【遊び方】画面左上の枠内をダブルクリックして、キーボードから数字を入力する。中央のステッパーで連続する数の個数を設定する。ステッパーで個数を変更するか、「仲間を探せ!」ボタンを押すと、画面を描き替える。

素因数分解用Flash

※枠内をダブルクリックして数値を入力し「>」ボタンを押す。

この「仲間を探せ」ゲームの仕組みは、素因数分解と同じで、小さい素数から次々と割っていく。同じ約数を持った数が「仲間」ということ。

つまり、2*3*5*7*11*13*17=510510なので、始めの数値を「510510」にすれば、1行目のランプはすべてつく。連続する数を「2」にすれば、2行目のどれかひとつでも点灯すれば、「仲間」が成立する。ところが……。

仲間を探せ(1)

次の「510511」は素数ではないが、素因数分解すると、510511=19*97*277になり、一番小さい素因数は「19」になってしまい、ランプは1個もつかず、「仲間」は成立しない(19の倍数は、この17個の数の中には現れない)。

中村センセによると、連続した数が「16個」以下の場合は、どんなにがんばっても、「仲間外れ」が必ず出来てしまうとのこと。

しかし、「17個」では、「仲間外れ」にならない連続した数があると言う。有名な例として、以下の「2184」から連続した17個の数を紹介してくれた。

一番右の列はランプが1個しか点いていないけれど、左から2列目が点灯しているので「仲間」だ。これを「16個」にすると、「2189」が仲間外れになり、「2185」から16個にすると、「2197」が仲間外れになってしまう。

「2184」以外の「17個」で「仲間」が成り立つ数を発見した人は、コメント欄で報告してね。ただし、爺の作成したFlashでは、入力できる数値は「1000000」までなので、あしからず><;

≪追記:1月28日≫

「パンダ」さんがコメント欄で10万までの「仲間」を紹介してくれた(※コメント欄参照)。パンダさん、ありがとう。

そこで、ガスコン爺も「仲間」探しをしてみよう……という気になった。ここは愚鈍と言われようとも、ひとつひとつの整数を順番に調べ、条件を絞り込んで「仲間」を探す……17個の連続した整数なので、「7」以下は、必ず、縦の列に2個以上現れる(仲間)なので、除外してもよさそうだ。「11」と「13」は、その現れる位置によって縦の列に2個あるかが決まる。「17」は縦の列には仲間がいないので、それより小さい素数で割ったときにすでに「仲間」でないとまずい。それと「2,3,5,7,11,13,17」で割り切れない数も除外しないといけない……。条件を絞り込むのが大変だったけれど、なんとか検証用のFlashが完成。ものすご~く時間がかかったけれど、爺は、これで1~20万の間の「仲間」を見つけることができた。

仲間を探せ!(1~200000)
 2184
27830
32214
57860
62244
87890
92274
117920
122304
147950
152334
177980
182364

中村センセが教えてくれた「仲間を探せ!」ゲームは、「1」と自分自身しか割り切れない素数が関係してくるから、素数の出現規則が見つからないように、たぶん規則性はないのだろうな……と爺は漠然と思っていた。しかし、実際に「仲間」を探してみると、そのデータの1の位は、4,0,4,0…と繰り返しているし、10の位は不明だけれど、100の位は、8,2,8,2…とか、9,3,9,3…とか繰り返している。なんかよくわからないけれども、なんらかの規則があるかも……

ものは試しと、このデータをエクセルで表にしてみた。

仲間を探せ(2)

数値だけを見ていたときは、気がつかなかったけれど、グラフにしてみれば、規則性があるのは、一目瞭然ではないか><;

というわけで、「f(1)=2184」のように、n番目の仲間を関数に入れれば、それを表示するように変更した。

新「仲間を探せ!」

これなら、入力ボックスに「67」と入力して、ボタンを押せば、1~100万までの整数の「仲間」も、たちどころに見つけることができるぞ^^;

こんなことで、喜んでいるのは、多分、ガスコン爺くらいだろうな……><;

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト


“■コマ大数学科165講(補習):仲間を探せ” への3件の返信

  1. はじめまして。
    いつもブログ記事を楽しく読ませてもらってます。
    「仲間を探せ」ですが,17個で仲間はずれがないグループをいくつか見つけました。(10万までで)
    27831~,32215~,57860~,62244~,87890~,92274~
    2185から一気に飛ぶのですが,意外と有りました。

  2. パンダさん、コメントありがとうございます。
    ご苦労さまでした。
    >27831~,32215~,57860~,62244~,87890~,92274~
    「27831」と「32215」は、それぞれ、「27830」と「32214」の転記ミスではないかと思います。
    上記の数から始まる連続した整数の並びが「仲間」であることを「ガスコン研究所」は認定します。(なんの権威もないけど^^;)
    パンダさんのコメントに触発されて、爺も試行錯誤しながら、検証用のFlashを作成してみました^^;
    あとで、記事中に追記しておきます。

  3. 自分も,11や13の倍数と素数に着目して,Excelと根気で見つけました。
    10万で力尽きましたが・・。
    認定して頂きありがとうございます^^
    法則性があったとは・・そこまでは気づきませんでした。
    神秘的でいいですね。

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