■コマ大数学科155講:交点

 爺くらいの年代の人は、一度は、輪ゴム鉄砲や糸巻き戦車など、輪ゴムを使ったオモチャを作ったことがあるはず。でも、今回は輪ゴムではなく、交点の問題だよ「たけしのコマ大数学科」

問題:立方体の箱に100本の輪ゴムをかけるとき、交点は最も多くて何個できるでしょうか? ただし、輪ゴムは立方体の辺と直角に交わり、向きが同じ輪ゴムは重ならないとします。

【遊び方】立方体の見えている三面のいずれかをクリックすると、輪ゴムがかかる(やってみれば一目瞭然)。輪ゴムが太いので、重ならないように100本かけるのは無理かも……^^;ただし、絵的に重なったとしても、交点の計算は、ちゃんと行われるよ。

 コマ大数学研究会は、先週に引き続き、蒲田にある「タイヤ公園」にやって来た(ロケも近場で3本撮りなのかな)。今回は、立方体の箱の中に、ADの山下くんが集めた(?)キャバクラ嬢の名刺の束を入れて、100本の輪ゴムで封印する。輪ゴムかけは、お宮にまかせて、他のコマ大生は「タイヤ公園」で遊び放題。結局、交点の数を数え上げるのも、ADの山下くんにまかせてしまった。

 コマ大生の答えは「4200」。ビデオを見る限り、コマ大生は、立方体のX方向、Y方向のみで、Z方向には輪ゴムをかけていない。二方向に50本、50本の輪ゴムをかけたとすると、爺の計算では、交点の数は「5000」になるはずなんだけど、やはり現実には、輪ゴムが重なり合って正確に交点をカウントできなかったのかもしれない。(※X方向に70本、Y方向に30本、Z方向に0本とすると、交点の数は4200になる)

 小橋りささんと、岡本麻希さんの東大生チームは、三方向に同じ数の輪ゴムをかけたほうが交点の数は多くなるだろうと考えた。つまり、100本のうち、33・33・33で、残り1本は、どの方向にかけてもよい。このときの交点の数を最初に求めたのだが、33×33が4面、33×34が2面できると、勘違いしてしまった。(33*33*4)+(33*34*2)で、答えは「6600」。実際は、33×33が2面で、33×34が4面になる。残りの対戦時間のほとんどを東大生は、三方向に同数の輪ゴムをかけたときのほうが交点が多くなることの証明に費やしてしまった。

 マス北野は「ホントは、6が5個で『ゴム』としたかったが……」と言いつつ、答えは「6666」。6が4個。証明はハナから諦めたカンジ……^^; 正解したのは、マス北野だけだったので、コマ大フィールズ賞を獲得した。

竹内薫センセの「美しき数学の時間」

美しき数学の時間

3n≦100から、n=33→交点は、33^2×6=6534
残り1本は、どの方向でもOK 33×4=132
∴6534+132=6666個

 竹内センセの計算方法は、X,Y,Z方向に等しい数の輪ゴムをかけた場合だが、記事冒頭の爺が作成したFlashでは、どの方向に輪ゴムをかけるか、プレイヤーまかせなので、三方向の輪ゴムの数をx,y,zとすると、

交点の数は、
x*(y+z)+y*(z+x)+z*(x+y)
=2(xy+yz+zx)
と表すことができる。

 上の式に、限られた輪ゴムの数をx,y,zに分配し、交点が多い場合を考える。輪ゴムの数が「3」の場合、
x=3,y=0,z=0のとき、2*(3*0+0*0+0*3)=0
x=2,y=1,z=0のとき、2*(2*1+1*0+0*2)=4
x=1,y=1,z=1のとき、2*(1*1+1*1+1*1)=6
となる。

 今回の問題では、斜めは禁止されているので、交点をできるだけ多く作るには、すでにかけた輪ゴムに直交させることになる。輪ゴムが1本のときは、当然ながら交点は「0」、2本のときは、同じ方向にかけたのでは交点ができないから、線が直交するようにかける。交点は「2」、3本目は、2本の線分に直交するように輪ゴムをかけると交点は「6」。輪ゴムの数が増えても、立方体のX方向、Y方向、Z方向で、直交するように輪ゴムをかけるのだから、輪ゴムの数が3の倍数のときは、どの方向も輪ゴムの数は等しく、輪ゴムの数が3で割った余りが1のときは、どの方向にかけてもよく、余りが2のときは、余り1の線分に直交するようにかける。東大生のように方程式を用いて、証明しなくても、これで十分証明になっていると、爺は思うのだが……。ダメなの?

 ところで、今回の問題の出典は、以下に紹介する本に収録されている、筑波大学附属駒場中学校(2006年)の入試問題のようだ。

大人の算数パズル
センスのよい脳をつくる 大人の算数パズル
―中学入試問題の傑作77問

河瀬厚/著

自由国民社
(2007/1)

※2007年の刊行だが、すでに新品では入手が難しい。爺は、amazonのマーケットプレイスで注文してしまった^^; じつは、まだ届いてないのよ;; 他におもしろい問題が掲載されていたら、いずれまた「ガスコン研究所」で紹介しようと思う。

※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト


“■コマ大数学科155講:交点” への1件の返信

  1. たけしのコマ大数学科#153 「交点」

    たけしのコマ大数学科#153
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2009年10月22日 深夜OA
    今回のテーマは、
    「交点」
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