■海外ドラマ:Re:Genesis

 海外TVドラマ「リ・ジェネシス」。舞台はカナダ。バイオ工学のスペシャリスト・チームNorBAC(北アメリカバイオテクノロジー諮問委員会)の活躍を描くドラマだ。

Flash Memo for Designers
(※波紋エフェクトは、上記サイトの公開スクリプトを使用させて頂いた)。

 天然痘、エボラ熱、プリオン疾患、トリ白血病ウィルス……まあ、次から次へと非常事態が発生し、NorBACのスタッフが奔走する。見ているほうも疲れちゃうぐらいの忙しさだ。

 で、このドラマの見どころは、最先端のバイオテクノロジーの話題を盛り込んだ、バイオテロや遺伝子操作、ウィルス変異などによるクライシス・サスペンスにあるのだが、かなり科学的考証がしっかりしていて、門外漢の私などは、どこまでがホントで、どこからがフィクションなのかわからない。そこがまた怖いところでもあるんだよね。

 NorBACを率いる主人公の主任科学者「デビッド」は、欠点だらけの男で、酒は飲む、タバコは吸う、吸殻は路上投げ捨てするし、女と見ればスタッフの女性とも、寝てしまうし^^;永久凍土に埋まっていたスペイン風邪で死んだ兵士を勝手に掘り出してしまうし;;直接的ではないにしても、それによりデンバーでは多くの人が亡くなる。それでも、生物学者としては有能で責任感も強い。リーダーとしての決断力もあり、スタッフの信頼も篤いといった感じ。サヴァン症候群だが、天才ぶりを発揮する研究員「ボブ」のキャラクターも見逃せない。

 で、Re:Genesisは、もちろんフィクションだから楽しめるのだが、かなり前に鳥越俊太郎の「ザ・スクープ」という番組では、第二次大戦中の関東軍「731部隊」を取り上げていた。731部隊は、国際条約で禁止されていた細菌兵器などの研究のため、捉えた捕虜を使い人体実験、生体実験を行っていたとされている。終戦を迎え、施設は破壊され、証拠隠滅をはかる。研究データはひそかに持ち出されたと番組では報道された。

 戦後、その研究データを当時のソ連とアメリカは、互いに入手しようと牽制し合う。研究データと引き換えに731部隊の研究者たちは誰ひとり戦犯に問われることはなかった。研究者たちの多くは大学医学部に戻り、医学会へ進み、重要なポストを得ていく。のちに薬害エイズ事件を起こした「ミドリ十字」の創始者、役員にも731部隊の関係者や研究者がいたという。番組を見て、なんとも居たたまれない気分になってしまった。

Regenesis_book
リ・ジェネシス-感染-
扶桑社ミステリート
東野司(編著)
700円(税込)

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