■コマ大数学科143講:一小刀問題

図形をいくつかの断片に切り分け、並べ直すパズルは西洋にも多いが、紙を「折って切る」というのは、日本独特のものとか「たけしのコマ大数学科」

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問題:上の図のように正方形の一部を欠いた形の紙を適当に折り、一度だけハサミを入れて切り、その断片をつなぎ合わせて、ひとつの正方形にしなさい。

まずは、コマ大数学研究会の挑戦。コマ大生が訪れたのは「ギャラリー世田谷233」。このギャラリー、小さなボックスで仕切られた120個のスペースをレンタルし、自分の作品を展示したり、販売することができるらしい。

で、今回は、切り絵・切り紙作家の「桜まあち」先生に教えを乞う。

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切り絵のポイント81
~もっと簡単に美しく作れる コツがわかる本

桜まあち/著
メイツ出版 (2009/05)

今回も長時間の検証になると思われたが、なんと、桜まあち先生が、検証開始、早々に答えを見つけてしまう。コマ大数学研究会、始まって以来の最短、検証時間8分でスタジオへ……。

コマ大生(桜まあち先生)の答え
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9分割した正方形の1つが欠けた形なので、最小単位の「1」になるまで、紙を折りたたむ。1辺が「1」の正方形の対角線を切る。ばらばらになった断片を組み合わせると、一辺が「2√2」、面積が「8」の正方形になる。

マス北野の答え
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さすがに図形問題に強いマス北野。対戦開始早々に出来てしまった。最初の形を3×3から1×1の正方形を除いたものとすると、「8」の平方根が「2√2」になることは、最初からわかっていたようで、あとは、できるだけ少ない折数で作るかだ。折った回数は2回、4ピースで正方形が完成した。

東大生の答え
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小橋りささんと、岡本麻希さんの東大生チームも、マス北野と同じ形の正方形を作ったが、「2√2」はいろんなところに隠れているので、別の折り方と切り口を見つけた。欠けた部分をうまく活かした、なかなか美しい解法だ。

しかし、スピードの点で、マス北野が「コマ大フィールズ賞」を獲得した。

竹内薫センセの「美しき数学の時間」

今回は、寛保3年(1743年)に刊行された中根彦循(なかね・げんじゅん:1701~1761年)の「勘者御伽双紙」(かんじゃおとぎぞうし)に載っている、一小刀(いっこがたな)の問題ということで、その解法は以下の通り……。

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番組内で竹内センセは、折り紙を幾重にも折り、一小刀(1回切るだけ)で、「井げた」の形にする、実演をしてくれた。こちらは、多賀谷環中仙の「珍術さんげ袋」という本に載っているものらしい。

≪参考≫
●勘者御伽双紙 / 東北大学附属図書館 和算資料全文画像データベース
・一小刀問題(該当ページ)

●パズル遊びへの招待・オンライン版
・一小刀問題

※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト