■コマ大数学科122講:内角の和

 国民の信を問うことなく、安倍、福田、麻生と続いてきた内閣。「100年に一度の世界金融不安の時代」などと言っておきながら、だらだらと解散もできずにいる。小泉内閣の総務大臣だった麻生太郎が「郵政民営化には反対だった」などと国会で発言して、与党内も騒然だが、そう、今回は「内閣の和」ではなく、「内角の和」の「たけしのコマ大数学科」

問題:円周上に1~35まで点を打つ。1から7個ずつ飛ばして、点を線分で結び、星型の多角形を作るとき、その内角の和を求めよ。

 多角形の内角の和といっても、円周上に接する頂点が作る角度の和だよ。

 コマ大数学研究会の今回のロケ先は、自由が丘にある「イリダーレ」という、ビーズ刺繍の教室。Tシャツに刺繍の円枠をはめ、35個の点を打って、刺繍糸で結んでいく。完成した星形の模様の角度をひとつひとつ分度器で測る……。お宮の「3200度くらい」、北郷は「3350度」、ダンカンは「3380度」、アタルは「3400度」となった。お宮の答えを除き、3名の答えの平均をとって、「3377度」と解答。

 ここで注目すべきは、それぞれ、かなり、いい加減に点を打ったにもかかわらず、答えが非常に接近していたこと。つまり、これを計測誤差とすると、点は等間隔に打つ必要はなく、どのように打っても、線を結ぶ順番(ルール)に従えば、答えは一緒ということになる。

 生駒尚子さん、小橋りささんの東大「悩殺シスターズ」は、1、9、17、25…という、公差「8」の等差数列を考え、35を過ぎてもカウントを続け、最終的に最初の点「1」に戻ってくるのは、「8」と「35」の最小公倍数「280」と計算。つまり、これ以下の倍数はないので、8周し、円周に接する頂点は、35個になるわけね。ところが、ここで、重大なミス。冒頭の中村亨センセの「円周に接する内角のみの和」という話を聞いていなかった。というわけで、桁違いの「12240度」という解答。

 マス北野は、前回に引き続き、今回も「数学の神様が舞い降りた」みたいだ。下図のように考えると、「内角+外角」は180度。これが、35個すべての点にあるとすると、(180×35)度。これから、外角の総和を引けば、内角の和が求めることができる。

マス北野の解法

 で、東大生の答えからもわかるとおり、「8」と「35」の最小公倍数は「280」なので、角は35個。280÷35=8周することになる。つまり、外角の和は(360×8)度。
(180×35)-(360×8)
=6300-2880
=3420度

 というわけで、正解は、マス北野&ポヌさんの「3420度」が正解。2週連続して、コマ大フィールズ賞を獲得した。

 ちなみに、1点とばしのポリグラム(p)の頂点の和は、180*(p-4)、2点とばしは、180*(p-6)、3点とばしは…、s点とばしのポリグラム(p)の頂点の和は、180*(p-(2*s+2))で表すことができる。でも、これは、ちゃんと、すべての点を通り、「1」に戻る場合ね。点の数(p)とステップ数(s)の最小公倍数が、点の数(p)×ステップ数(s)より、小さい場合は、線で結ばれない点があるということ。

 中村亨センセの「美しき数学の時間」では、正多角形は、ポリゴン(Polygon)、星形の多角形はポリグラム(Polygram)と呼ぶ。五芒星(Pentagram)や、六芒星(Hexagram)のポリグラムは、1通りしかないが、頂点が7個以上のポリグラムは、複数個できることを紹介。上のFlashで確認してね。また、ポリグラムをいくつかの断片に切り分け、並び替えると違った形になる、いくつかの図形が紹介された。引用元が書いてあったので、さっそくアマゾンで検索したのが下記の本。すごく興味があるものの、ちょっと価格が高めなので、注文することに躊躇してしまった><;

不思議おもしろ幾何学辞典
不思議おもしろ幾何学辞典
デビッド・ウェルズ/著
宮崎 興二/翻訳
日置 尋久/翻訳
藤井 道彦/翻訳
山口 哲/翻訳

朝倉書店
2002年3月発行
6825円

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DVD BOX3(第3期)

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※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト


“■コマ大数学科122講:内角の和” への8件の返信

  1. たけしのコマ大数学科#122 「内角の和」

    たけしのコマ大数学科#122(番組的には118回?)
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2009年2月5日 深夜OA
     
    今回のテーマは、
    「内角の和」
     
     
    【New】
    たけしのコマ大数学科
    DVDBOX 3
    ¥5,426
    【…

  2. >いくつかの図形が紹介された。引用元が書いてあったので、
    え~!見逃してました。
    苦し紛れに、USのサイトを検索してました。

  3. 初めまして。いきなりで失礼なんですが、この問題どうしても分かりません。解答の言いたいことは分かるんですが、外角の和が(360×8)度というところがわかりません。一周した時点で、求めたい外角4つと、もう一つ角度があるので、その5つの外角をすべて足して360度な気がするんですが。よろしかったら返答ください。

  4. Kさん、コメントありがとうございます。
    > 外角の和が(360×8)度というところがわかりません。
    三角形、四角形、五角形…すべて外角の和は360度になることは、おわかりだと思います。円周上に点を打って線で結んでいけば、1周で図形が完成します。問題図を見てもらえばわかるように、今回の問題では、点を飛ばして作図していくため、1周目では、出発点に戻らず、足し合わせても360度になりません。言わば、「余り」とゆーか、「ツケ」が次の周へと持ち越され、積もり積もっていくのです。8周回ったところで、やっと出発点に戻り、図形が完成します。図形が完成された時点で「ツケ」が清算されるのです。
    というわけで、外角の総和は、360×8になるのだと、爺は考えています。

  5. 円周角を使うと簡単に解けると思います。
    円周上を35等分しているので、点と点の間1つ分を弧とする円周角は180°/35
    問題の星型の多角形の1つの内角は、点と点の間19コ分を弧とする円周角なので(180°/35)×19
    この角が35コあるから
    (180°/35)×19×35=3420°
    いかがでしょう?

  6. らんたたさん、コメントありがとうございます。
    まったく、その通りですね。以下は爺の蛇足。
    上の式、(180÷35)×19×35=3420では、35で割って、35を掛けてますので、この部分を省いちゃいます。すると、
    180×19=3420という単純な計算式になります。
    で、この「19」は、どこから出てきたかというと、7点飛ばし(ということは、35分割した弧の数でいうと、7+1個)を2回行って線で結ぶと、ひとつの頂点ができる。弧の数は(2×(7+1))=16個分、円周角の弧は、この反対側だから(35-(2×(7+1)))=19個分。
    このことから、ペンタグラム(P角形)をS点飛ばしで描いた図形の円周上の内角の総和は、
    180×(P-(2×S+2))
    という公式が導き出されるわけですね^^;
    らんたたさんのように、ちゃんと理解できていれば、公式を覚える必要もないわけです^^;

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