■数学基礎:職人たちの数学

 またもや「たけしのコマネチ大学数学科」は休講。コマネチ大学といえば、マス北野。そこで今回はマス(枡)の問題。ちょっと苦しい感じがしないでもないが、いやいやどうしてマス(枡)にもMathematics(数学)の風味が隠されているわけですよ。

 昔はお米も枡で測っていたけれど、今日では、目盛りがふってある計量カップがあり、生活の中で枡を使うことは少ないと思う。お米屋さんでも、最近は5kgとか、10kgの袋詰めで売られている。昔は重さではなく、容積で測っていたんだよね。

 よく時代劇などで「百万石の大名」といった言い方が出てくるけれど、昔は年貢(税金)をお米で納めていたからだ。十合で一升、十升で一斗、十斗で一石だ。およそ一合が150gだから、一升は1.5kg、一斗は15kg、一石は150kg。だから百万石というと、お米15万tの財政だったわけ。ちなみに小泉純一郎の言った「米百俵」の俵は、一俵=四斗で60kgね。

 それにしても、六合枡ひとつで、きちんと一合から六合までを測ることができるのは、すばらしい数学的なセンスだと思う。昔の人は生活の中で数学な考え方を使っていたんだね。秋山仁センセの「高校講座:数学基礎」では、大工さんの「金尺」の使い方も紹介していた。「金尺」とは90度の角度に曲がった金属の定規。これを使うと木の切り口(円形)の直径を引いたり、中心を求めることが簡単にできる(外円角が90度ならば、内円角は180度、すなわち直径)。また、金尺には「角目」と「丸目」という目盛りがふってあり、丸太の直径を「角目」測ると、その丸太から切り出すことのできる角材の一辺の長さがわかる(つまり、1/√2の目盛りになっている)。「丸目」は直径から丸太の円周を測ることができる(3.14倍の目盛り)。

 で、番組では、1リットル刻みで41リットルまで計測可能な底面が直角三角形の「万能マス」も、ちらっと紹介していた。底面が四角形で1リットル刻みで858リットルまで測れる「万能マス」もあるとのこと。こうなると数学の最先端の話らしい。いったい、どんな形なのだろうか……などと考えつつ、私としては枡酒を飲めたらサイコーなんだけど^^;

≪参考≫
■数学基礎:測り方の工夫

■お米の単位