■良い子はマネしちゃいけない回答篇

コマネチ大学数学科マス1グランプリ
●ROUND1 問8
「365/1365=」を約分しなさい。

あの「数学オリンピック」の2年連続の覇者、西本さんでも「適当に割算しました」というのに、こんな解法があったとは……^^;。

シム宇宙の内側にて:良い子は真似しちゃいけません

GIGAZINE:何もかもが間違っている数学の回答

上記ブログで紹介している回答例には、意表をつかれた。あまりに面白かったので、応用問題を作れないか……とゆーか、これが可能な仕組みを考えてみた。

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例題を踏まえて、以下の分数を約分しなさい。
で、約分というのは、分母と分子を最大公約数で割ること。例題も含め、問1と問2の最大公約数は「91」、そして分母と分子の数の差は「11」になっている。消せる数字を足すと「9」になる。問3の最大公約数は、すぐにわかるように「1001」だ。つまり「11*91」というわけ。もちろん、分母と分子の共通する数字を消せば「答え」になるのは特殊な場合なので、良い子はマネしてはいけない^^;

世の中、ホントに「数学ブーム?」なのかどうかは、知らないけれど、今年のお正月「コマネチ大学数学科マス1グランプリ」の前日には「スージー大好き」という番組が放映された。マーチンゲール法を応用し「1年間で100円を900万円にする方法」や「キレイになる黄金比」などを紹介していた。例えば、女の子にアタックして「イヤヨ(184)と断れても、あきらめずに6回アタックすれば「184×6=1184(イイワヨ)」になるとか、どうにも、バラエティ番組としては、フツーなんだろうけれど、おもしろくない。番組は「数字」にかけた「スージー」という「数字の女神?」(書くのも恥ずかしい)が進めていく構成なのだけど、ナレーターの声にイラついてしまった。

ちなみに「マーチンゲール法」は、竹内薫センセの「数学嫌いが治る本」でも紹介されている。ようするに配当が2倍以上の場合、負けたら、その額の倍を賭けていくというもの。何度負けても、このルールで賭けていく。一度でも勝った時点で、これまで負けた分よりも配当のほうが上回る計算。勝ったらリセットして、最初の状態からスタートする。番組では、これを競馬に応用。1番人気の単勝馬で、配当が2倍以上の場合、馬券を買い続ける。最初は100円、負けたら次のレースは倍の200円をつぎ込む。去年1年、JRAのレース結果を元にして、このルールを適用して計算すると、最終的に900万円の儲けになったらしい。なんか、ウェブやダイレクトメールにありがちな「必勝法」のような胡散臭さを感じる。興味の対象が数学的な面白さではないのだ。このルールの盲点は、誰でもわかるとおり、資金が潤沢でないとできないこと。去年のデータでも、ある時点を捉えると、馬券の購入額は1400万円にもなったらしい。破産してしまったら、このルールは適用できない……ということが前提のはずなのに、なんか詐欺の謳い文句のようなイヤな気分にさせる。

いっぽう、「たけしの誰でもピカソ」は、数学ネタの第3弾。数学の伝道師「桜井進」の数学マジック「もの言う電卓」。電卓には「15873」と入力されている。これにあなたの好きな数字を掛ける。ゲストの「高木美保」は「9」を掛ける。桜井進氏はもちろん、見ていないのだが、計算結果に「7」を掛けると……。

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というわけ。今回は、魔法の呪文「石には粉」を披露。「石には粉(142857)」という数にさまざまな数を掛けてみる。

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掛ける数が「6」までの場合は、「142857」をシフトした形になる。「8」以降は、最初の数と最後の数を足すと、やはり「142857」となる。文字どおり数のマジック。楽しんでもらうだけで、人間の欲につけいるようなギミックはまるでない。

番組は、これから、東京工業大学の黒川信重教授と番組では御馴染みの音楽家、倉本祐基(本名:北野実)氏を招いて、「リーマン予想」の話へと移る。このふたり、じつは高校の同級生で、数学の問題をエレガントに解く雑誌のコーナーの常連さんだったという。高校の数学の成績では、黒川氏よりも上だった倉本氏であったが、ふたりにとって高校の数学の問題では、簡単すぎて、優劣はつかなかったという。倉本氏によると、数学では黒川氏にかなわないと思い、音楽家の道に進んだとのこと。黒川氏は「リーマン予想」の登山家としては、世界でも、もっとも高く登り詰めている数学者。世界の数学者がリーマン山の3合目あたりを右往左往している中、5合目を突破する数学者として注目を浴びているらしい。

「オイラー」は1735年、自然数を無限に足していく「バーゼルの問題」を「複素関数」を用いて、ある値に収束することを発見し、これが「ゼータ関数」につながる。
●バーゼルの問題
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●ゼータ関数
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●リーマン予想
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……って、たんなる酔っ払いの爺には、なんのことかわからないが、オイラーは1771年、全盲になるものの、1775年には「月の運動に関する論文」を執筆したという。
番組として「スージー大好き」と比較しても、始まらないし、視聴率がどうだったかということにも関係なく、私には、なんとなく無限のかなた(永遠)に魅かれる数学者の気持ちは感じられたし、おもしろかった。とくに、「ゼータ君はどこにもいるんですよね」という桜井氏のフリに黒川教授の「ええ、自然界のさまざまな場所にいるという説があります。私の地元は栃木県なのですが、言ってしまいますと、華厳の滝の滝壺にいると……」という答えが印象に残った。「なぜ、ゼータは滝壺に潜んでいるのか」こーゆー話なら、2時間でも3時間でも、じっくり聞きたいと思うのは私だけだろうか^^;

夕方から「いいちこ」気分に浸かってきたので、毎度のことながら、今夜、深夜の「コマネチ大学数学科」までは、もちそうもない;;録画予約して寝ようっと……。