第8回:トポロジー

 木曜深夜は、仕事を早めに切り上げ、風呂に入り「いいちこ」を飲みながら「たけしのコマネチ大学数学科」を見るのが楽しみ。テレビの番組表を見たら、今回のテーマは「トポロジー」だったので、てっきり「一筆書き」の問題が出ると予想していたのだが、そうは問屋が卸さない。一筋縄ではいかないのが中村亨センセだ。「折り紙」に続き、今回は「粘土」ということで、またしても「エクセル」では、太刀打ちできない問題となった。

Ex_081 Ex_082  まず、予備知識として、上の図のように上下左右がつながった世界とは、どんな世界かを想像すると、それは右の図のように球体の世界。上の図は、球面を引き伸ばし、上はすべて北、下はすべて南とする、メルカルト図法で描かれたものということになる。これを踏まえて……。

Ex_083  「ドラクエ」などのロールプレイングゲームでおなじみの世界、上に進むと、下から出てくるような、上下左右がつながった世界は、どんな形をしているか、それを粘土で作りなさいというのが今回の問題。しかし「ドラクエ」の世界がこんな形をしていたなんて……。もしも、こんな形の星があるとしたら、重力はどのように働くのだろうか。

Ex_084  ひさしぶりに「Shade」で図形を描こうとしたら、すっかり忘れていてしまっていた。私の場合、一時、熱病にかかったかのように夢中になるが、飽きるとそれっきりで、すっかり忘れてしまう傾向がある。

 冒頭で「一筆書き」の問題を予想したと書いたが、「トポロジー」というと、有名な「ケーニヒスベルクの橋渡り」という問題がある。

Ex_085  「ケーニヒスベルクの町内を流れるプレーゲル川の中に島があり、7つの橋を1回限りで、すべての橋を渡ることができるか」という問題。言葉を変えると「一筆書き」ができるかということになる。

Ex_086  「オイラー」は、一筆書きができる必要十分条件として、「すべての頂点の次数が偶数」または「次数が奇数の頂点の数が2で、残りの頂点の次数はすべて偶数」のいずれかとした。つまり「ケーニヒスベルクの橋渡り」は不可能ということで、この問題に決着をつけた。

Ex_087  左の図の場合は、頂点や交点がすべて偶数。右の図の場合は、家の土台の部分が奇数で2つ、残りがすべて偶数なので、どちらも一筆書きができる。

Ex_088  今回はいくつかの図版を作ることだけに始終してしまった……(;;。