■R-1グランプリ

関西テレビ、フジテレビ系列の「R-1グランプリ」を見た。ようするに「朝日テレビ」系列の「M-1グランプリ」(Mは、ManzaiのM)に対抗して、こちらは、ピン芸人の芸を競うものだが、年末、新年の特番でもなく、番編時期でもない、ゴールデンタイムの放映でもない、この時期、この時間帯に放映すること自体が、この「R-1グランプリ」の認知度というか、人気度がイマイチであることを物語っている。だいたい(R-1がなんの略なのかも、よくわかんないよ^^;)

今回の見所は、2006年M-1グランプリを制した、チュートリアルの徳井義実が、M-1、R-1のダブルタイトルを獲得できるか否か(ちなみに、前回、第5回R-1グランプリで、徳井義実は2位)。もうひとつは、過去、すべて決勝戦に進出するも、無冠の「友近」と、交際が報じられている「なだぎ武」の動向だ。もしも「友近」、「なだぎ武」のどちらかが、優勝し、優勝賞金500万円を手に入れたら、それを結婚資金に当てるとも、報じられていて、そんなことは私にはどうでもいいのだが、深夜のオンラインショッピング番組で、友近、なだぎ武の、キャサリン&ディランのオンラインショッピング番組が実現されたら、ネタとしても面白く、見てみたいと思うのは、私だけだろうか^^; ダチョウ倶楽部の寺門ジモンにとっては、穏やかならぬ、脅威を感じるかもしれない。

で、私が注目したというか、今まで知らなくてごめんなさいという感じで、インパクトを受けたのが、ウメ(ソニーミュージックアーティスツ)と、大輪教授(ケイダッシュステージ)だ。ともに、ネタを見るのが初めてだったので、「ほぉお~~~」と唸ってしまった。とくに「ウメ」の同じ紙芝居(お笑い界では「絵めくり」というらしい)を使いながら、別のストーリーを構築する話芸? こう言葉で書くとつまらないけれど、はじめて、それに触れると、カルチャーショックと、快感を味わえると思う。紙芝居の絵も自分で描いているみたいで、貧乏っぽい絵柄も、キャラクターと相俟っていい味を出している。

大輪教授も、恥ずかしながら、その存在を知らなかったのだけれど、ホワイトボードと白衣という出で立ちで理数系ネタを披露する。その、お笑いの難しさは、想像に難くない。たとえば、大輪教授の「七分袖」って「7%」、「七分袖はノースリーブにほぼ等しい」というネタは、野暮を承知で解説すると、以前、このブログで芳沢光雄氏の「算数・数学が得意になる本」を紹介したときに、このプロジェクトは「九分九厘」成功すると言ったとき、その成功率は「9.9%」ではなく、「九割九分」を意味する「99%」である。と聞かされたときと同じ。「割」という概念は江戸時代にはなかったため、慣れ親しんだ言葉と数学的なギャップに気づくことが面白しろいのだが、けっこう指摘されるまで気づかない。面白さのツボがわかるまで、ちょっとした時間差がある。面白さというより「へぇ~」と感心されても困るわけだ。

ふたりとも「R-1グランプリ」の座は逃したが、2000人を超える応募者の中から、予選を勝ち抜き、決勝に進出した8人の中に選ばれたことは、その実力を評価された証で、芸人としては晴れの舞台だ。私のように、テレビを通じてだが、はじめて、その芸に触れ、一発で引きこまれ、ファンになった視聴者も多かったはずだ。ウメの絵めくりをもっと見たい!

というわけで、「R-1グランプリ」は、「徳井義実」と同点ながら「なだぎ武」が獲得した。でも、微妙にキャラクターがかぶっている「友近」と「なだぎ武」のお笑い芸人カップルって、どうなのよ^^;

■Google入社問題

 先日、NHKスペシャル「Google革命の衝撃」が放送された。その中で、Googleの人材募集の広告が紹介されていた。人材募集なのに「Google」の文字は、どこにもなく、「{eの値で、最初に出てくる10桁の素数}.com」とあるだけの広告だ。

 ネットで調べてみると、これは、数年前の出来事らしい。そういえば、そんなことがあったかも知れないと、かすかに記憶が甦ってきたが、たぶん、当時は「へえぇ」という感じでスルーしていたのだろう。

 で、「コマネチ大学数学科」が始まるまでの間、この問題をあらためて考えてみた。自然対数の底「e」の値といったら「ネイピア数」だ。

■たけしの誰でもピカソ:ネイピア数e相性診断
 2億桁のネイピア数の中から、ふたりの誕生日が何桁目に登場するかを調べてくれる。しかし、自分の誕生日4桁と相手の誕生日4桁で、8桁にしかならない。しかも、月は12、日は31までと、入力できない数が多すぎる。これでは役に立たない;;

 しょうがないので、「エクセル」で作ろうと思ったが、エクセルのMOD関数は、10桁の数値には対応していない;; VBAを使えば、なんとかなりそうな気がするが、なんか面倒なことになりそうで気後れする。手軽に出来るのは、FlashのActionScriptだ。ネイピア数は、ひとまず置いといて、問題を簡単にするため、適当な文字列「222215722222」の先頭から順に3文字ずつ抜き取って、それが素数であるかどうかをチェックする、FlashのAction Scriptを書いてみる。

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 動作チェックをすると、確かに「222215722222」の文字列から「157」を抜き出し、それが「素数」であることを判断している。白状すると、素数かどうかのチェックは「Wikipedia」の「素数判定」の項目から、引用させてもらった。

 ここまでくれば、あとは簡単。最初の文字列に「自然対数の底e」の値(ネイピア数)を入れ、抜き出す文字列の数を「10」にするだけだ。

自然対数の底「e」の値は、以下のサイトでも入手可能……。

■eの値
 しかし、500億桁もいらないんですけど^^; 最初の1億桁だけでも、55MBもある。解凍すると、117MBのテキストファイル;;「エクセル」では、全部を読み込めなかった。

■自然対数の底
 こちらは、指定した桁数の「自然対数の底」の値を表示することができるので、便利だ。とりあえず、250桁を表示してコピーし、それを、FlashのActionScriptに貼り付ける。

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 「なぬ~っ!」動作チェックでは、うまく動いてくれたのに、「False」だとぉ~;; あれこれ悩んでみたが、うまい解決策が思いつかない。たぶん、どこかでオーバーフローしているのだろう。いつも「結果が出ればいいや」と、コマ大数学研究会ばりの体当たりプログラミングをしているから、こういうことになる。やはり、基礎ができてないと、こういうところでボロが出る。付け焼刃の数学の知識ではダメらしい。「アホなことやっているなぁ」と思った方は、迷える酔っ払いの爺に愛の手を!

(1月26日追記:ループ数が10のままだぁ^^;;)

(1月27日追記:偶数を除外していなかった;;やっと正解に!)

 数年前の問題なので、ネットで調べれば、正解はわかる。正解は「7427466391」。

2.718281828459045235360287471352662497757247093699959

5749669676277240766303535475945713821785251664274274

6639193200305992181741359662904357290033429526059563

0738132328627943490763233829880753195251019011573834

 で「7427466391.com」へアクセスすると、次の問題が提示される。
《以下、引用》
Congratulations. You’ve made it to level 2.
Go to www.Linux.org and enter Bobsyouruncle as the login
and the answer to this equation as the password.

f(1)= 7182818284
f(2)= 8182845904
f(3)= 8747135266
f(4)= 7427466391
f(5)= __________

《引用終わり》
 こちらの問題は、f(1)~f(4)の数値が10桁で、すべての数値を足すと「49」になることに気が付けば、さほど、難しくはない。これなら「エクセル」でも、解けるぞ。

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セルA1に、先ほどの「自然数の底」サイトからコピーした数値を貼り付ける(セルの書式設定は文字列にしておく)。MID関数を使って、1文字ずつ、移動させながら10文字分を抜き出す。オートフィルの連続入力をするため、行番号を求める、ROW関数を使って、抜き出す文字列の開始位置を求めている。さらに、抜き出した文字列を1文字ずつ分解して数値に換え、「=VALUE(MID(A3,$B$2,1))」その合計を出す。合計が「49」になる行を見ると、f(1)~f(4)の値になることを確認できる。

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5番目の数値は、129行目に出現する。ネイピア数の小数点以下、127桁目だ。

 結局、「コマネチ大学数学科」が始まるまでの小手調べのつもりだったが、番組が始まっても、こちらの問題に気をとられたまま、酔いが限界に達している。なんとしても、この記事をアップしてから、眠りにつこう。今回の「コマネチ大学数学科」の問題は、かなり難しいという印象……。

今回、参考にした素数についてのサイト

■a prime number
 1から2147483647までの素数を計算する。残念;;10桁だが、「9999999999」まで表示できないと、今回の問題には対応できない;;

■ゆいのホームページ:ソフトウェア&小技メモ
 341,550,071,728,321以下の素数(15桁)を、1個当り数秒で求める。短時間で素数を判定するアルゴリズムのキーワードは「2,7,61」? このサイトを利用すれば、10桁の素数表を作成することができるが、素数表とネイピア数とのマッチングを試みる方法は、いささか、現実的でないような気がする。

■AjaxによるRSAアルゴリズム体験
 360桁の素数でも一瞬で表示する。なんで、こんなに速く素数を生成できるの? 素数生成のアルゴリズムは、いくつかあって、それが素数であるかどうかを検証することのほうが難しいのか……。いわゆる、因数分解するほうが大変という「N≠NP」問題なのかな?

■郵便配達夫は、N!度ベルを鳴らす

ついにやってしまった;;これまで、出来の悪い生徒ながら皆勤賞だけが唯一の取得だったのに、録画予約を失敗して受講できなかった「コマネチ大学数学科」。とくに今回の問題は「郵便配達問題」ということで楽しみにしていただけ残念だ。

「郵便配達問題」とは、郵便物を配達するのに最短のルートを求める問題だ。郵便局をスタート地点とすると、配達する家が5軒なら、その経路は、5!=120通り。10軒なら、10!=約360万通り……これが1000軒とか、1万軒となると、すべての経路を計算して答えを見つけるやり方では対処できなくなる。

現在のノイマン型コンピュータを使う限り、計算可能な問題(P)と、検算可能な問題(NP)は、等しくないと思われている。「P≠NP予想」は、ミレニアム懸賞問題のひとつで、賞金100万ドルが懸けられている。

量子コンピュータなどが作られ、もしも、この問題が「P=NP」であることが証明されたら、現在のRSA暗号などは、その安全性を確保できないことになっちゃう。

ということで、「コマネチ大学」の10分で解ける「郵便配達」問題とは、いかなるものだったのか……(orz)。

■良い子はマネしちゃいけない回答篇

コマネチ大学数学科マス1グランプリ
●ROUND1 問8
「365/1365=」を約分しなさい。

あの「数学オリンピック」の2年連続の覇者、西本さんでも「適当に割算しました」というのに、こんな解法があったとは……^^;。

シム宇宙の内側にて:良い子は真似しちゃいけません

GIGAZINE:何もかもが間違っている数学の回答

上記ブログで紹介している回答例には、意表をつかれた。あまりに面白かったので、応用問題を作れないか……とゆーか、これが可能な仕組みを考えてみた。

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例題を踏まえて、以下の分数を約分しなさい。
で、約分というのは、分母と分子を最大公約数で割ること。例題も含め、問1と問2の最大公約数は「91」、そして分母と分子の数の差は「11」になっている。消せる数字を足すと「9」になる。問3の最大公約数は、すぐにわかるように「1001」だ。つまり「11*91」というわけ。もちろん、分母と分子の共通する数字を消せば「答え」になるのは特殊な場合なので、良い子はマネしてはいけない^^;

世の中、ホントに「数学ブーム?」なのかどうかは、知らないけれど、今年のお正月「コマネチ大学数学科マス1グランプリ」の前日には「スージー大好き」という番組が放映された。マーチンゲール法を応用し「1年間で100円を900万円にする方法」や「キレイになる黄金比」などを紹介していた。例えば、女の子にアタックして「イヤヨ(184)と断れても、あきらめずに6回アタックすれば「184×6=1184(イイワヨ)」になるとか、どうにも、バラエティ番組としては、フツーなんだろうけれど、おもしろくない。番組は「数字」にかけた「スージー」という「数字の女神?」(書くのも恥ずかしい)が進めていく構成なのだけど、ナレーターの声にイラついてしまった。

ちなみに「マーチンゲール法」は、竹内薫センセの「数学嫌いが治る本」でも紹介されている。ようするに配当が2倍以上の場合、負けたら、その額の倍を賭けていくというもの。何度負けても、このルールで賭けていく。一度でも勝った時点で、これまで負けた分よりも配当のほうが上回る計算。勝ったらリセットして、最初の状態からスタートする。番組では、これを競馬に応用。1番人気の単勝馬で、配当が2倍以上の場合、馬券を買い続ける。最初は100円、負けたら次のレースは倍の200円をつぎ込む。去年1年、JRAのレース結果を元にして、このルールを適用して計算すると、最終的に900万円の儲けになったらしい。なんか、ウェブやダイレクトメールにありがちな「必勝法」のような胡散臭さを感じる。興味の対象が数学的な面白さではないのだ。このルールの盲点は、誰でもわかるとおり、資金が潤沢でないとできないこと。去年のデータでも、ある時点を捉えると、馬券の購入額は1400万円にもなったらしい。破産してしまったら、このルールは適用できない……ということが前提のはずなのに、なんか詐欺の謳い文句のようなイヤな気分にさせる。

いっぽう、「たけしの誰でもピカソ」は、数学ネタの第3弾。数学の伝道師「桜井進」の数学マジック「もの言う電卓」。電卓には「15873」と入力されている。これにあなたの好きな数字を掛ける。ゲストの「高木美保」は「9」を掛ける。桜井進氏はもちろん、見ていないのだが、計算結果に「7」を掛けると……。

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というわけ。今回は、魔法の呪文「石には粉」を披露。「石には粉(142857)」という数にさまざまな数を掛けてみる。

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掛ける数が「6」までの場合は、「142857」をシフトした形になる。「8」以降は、最初の数と最後の数を足すと、やはり「142857」となる。文字どおり数のマジック。楽しんでもらうだけで、人間の欲につけいるようなギミックはまるでない。

番組は、これから、東京工業大学の黒川信重教授と番組では御馴染みの音楽家、倉本祐基(本名:北野実)氏を招いて、「リーマン予想」の話へと移る。このふたり、じつは高校の同級生で、数学の問題をエレガントに解く雑誌のコーナーの常連さんだったという。高校の数学の成績では、黒川氏よりも上だった倉本氏であったが、ふたりにとって高校の数学の問題では、簡単すぎて、優劣はつかなかったという。倉本氏によると、数学では黒川氏にかなわないと思い、音楽家の道に進んだとのこと。黒川氏は「リーマン予想」の登山家としては、世界でも、もっとも高く登り詰めている数学者。世界の数学者がリーマン山の3合目あたりを右往左往している中、5合目を突破する数学者として注目を浴びているらしい。

「オイラー」は1735年、自然数を無限に足していく「バーゼルの問題」を「複素関数」を用いて、ある値に収束することを発見し、これが「ゼータ関数」につながる。
●バーゼルの問題
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●ゼータ関数
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●リーマン予想
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……って、たんなる酔っ払いの爺には、なんのことかわからないが、オイラーは1771年、全盲になるものの、1775年には「月の運動に関する論文」を執筆したという。
番組として「スージー大好き」と比較しても、始まらないし、視聴率がどうだったかということにも関係なく、私には、なんとなく無限のかなた(永遠)に魅かれる数学者の気持ちは感じられたし、おもしろかった。とくに、「ゼータ君はどこにもいるんですよね」という桜井氏のフリに黒川教授の「ええ、自然界のさまざまな場所にいるという説があります。私の地元は栃木県なのですが、言ってしまいますと、華厳の滝の滝壺にいると……」という答えが印象に残った。「なぜ、ゼータは滝壺に潜んでいるのか」こーゆー話なら、2時間でも3時間でも、じっくり聞きたいと思うのは私だけだろうか^^;

夕方から「いいちこ」気分に浸かってきたので、毎度のことながら、今夜、深夜の「コマネチ大学数学科」までは、もちそうもない;;録画予約して寝ようっと……。

■平成教育委員会と算数ドリル

 「平成教育委員会」の正月特番を見て、お笑い芸人のドリームマッチを見て、「いいちこ」を飲みながら、「コマネチ大学数学科マス1グランプリ」が始まるまで、「脳をシゲキする数学ドリル」でもしようかな……などと思っていたら、いつものように番組が始まる頃には、すっかり酔いが出来上がっていた。

■平成教育委員会・2007入試直前スペシャル!!

■脳をシゲキする算数ドリル

酔いつぶれて、昨夜のうちにアップできなかったのだが、せっかく作ったものなので……。