■コマ大数学科195講:京大に挑戦

北海道大学、名古屋大学、九州大学……と、国立大学に挑戦シリーズは、すべて敗北を喫したマス北野と東大生チーム。はたしてリベンジなるか「たけしのコマ大数学科」

問題:平面上にどの3点も正三角形を作らない相違なる4点がある。これらを結ぶ6本の線分のうち、3本の長さは1であり、他の3本の長さはaであるという。
aの値を求めよ。
※京都大学(理系)入試問題(1966年)

上のFlashは、赤い点をマウスでドラッグ&ドロップして位置を変えることができる。あくまで、紙とエンピツ代わりなので、それぞれの線の長さは、目測で判断してほしい^^;

コマ大数学研究会は、フジテレビのあるお台場から、京大出身者を探すためロケバスに向かうが、「ビラがパズルになってま~す!」と渡されたビラに、「京都大学」の文字が……。自作パズルのビラを配っていた人こそが、東田大志(ひがしだ・ひろし)さん。京都大学大学院でパズルを研究。パズルの楽しさを伝えるため、現在、全国行脚を続けている。

「しめた!」とばかりに、東田大志さんを確保^^; 猛暑が続く、炎天下のお台場で、今回の問題を解いてもらう。コマ大生のちゃちゃにもめげず、みごと正解。

東田大志さんの記録:9分52秒

今回は、タイムレースなので、スタジオでは、ここで問題が提示される。マス北野&ポヌさんチームと、衛藤樹さん&伊藤理恵さんの東大生チームが東田さんの記録に挑戦する。

講師の中村亨センセから「aの値は1より大きい(a>1)としてください」と補足が入る。

東大生チームは、問題文の図をいち早く描いて、答えを出したかに見えたが、なにかで、つまづいている模様。マス北野も正確な図を描き、答えをボードに書き込む。しかし、中村センセの補足を聞き、答えの一方を消した。

マス北野&ポヌさんチームの答え
(√5+1)/2

「五角形になりゃ、こっちのもん」と豪語するとおり、マス北野は、正五角形の一辺が「1」のとき、どの対角線も黄金比「(1+√5)/2」であることを知っていた。ボードに書いた答えの片方を消したのは、もう一方の答えは、aの値が1より小さくなってしまうからだ。

衛藤樹さん&伊藤理恵さんの答え
2*cos36°
まず、ひとつの点を円の中心におくと、半径1の円周上に他の2点は存在する。4個目の点は、半径aの円周上に存在する。正三角形ができないという条件と、各点を結ぶ対角線がaと等しいという条件をを考えると、マス北野と同様、今回の問題の4点は、正五角形のひとつの頂点を除いた等脚台形になることは、気付いていたが、「cos36°」の値を幾何代数的に求めるのに、苦戦してしまった。「黄金比のことを完全に忘れていた」とは、衛藤樹さんの弁。

正解は、「(1+√5)/2」というわけで、東大生チームの「2cos36°」も計算すれば、同じ答えになるが、やはり、マス北野&ポヌさんチームに軍配。気になるタイムだが、「6分6秒」とゆーことで、みごと京大に勝利し、コマ大フィールズ賞を獲得。リベンジを果たした。

中村亨センセの「美しき数学の時間」

ホントにマス北野の解答以外の答えが存在しないことの証明を中村センセが説明してくれたのだけれど、この記事を書いている爺は、すでに酔っ払っているので、割愛させていただく><;

マス北野のように正五角形と「黄金比」の関係を知っていれば、今回の問題は、すんなりと解くことができるけれど、東大生チームのように「黄金比」に気付かなかった場合、あるいは「黄金比」を使わずに、今回の問題を解くには、どのように導き出せばいいのか……。

図(3)

中村センセが補足したように、(a>1)の場合、対角線の交点を「E」とすると、EB:ECが「1:(1/a)」になるのね。相似比を用いて、方程式を立てると、以下のようになる。

C195_04

※図版を修正(2010年9月22日)

≪参考≫
京都大学(理系)入試問題(1966年)

ビラがパズルの人(東田大志)オフィシャルブログ

京大生・東田くんのパズル
京大生・東田くんのパズル
東田大志/著
角川文庫

パズル公爵の挑戦状
パズル公爵の挑戦状
東田大志/著
バズル公国萌騎士団 /編集
PHP研究所

たけしのコマ大数学科 第8期 DVD-BOX
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2010年9月15日発売

ディスク枚数: 2
販売元: ポニーキャニオン

※たけしのコマ大数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2009年度全講義リスト
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト

コマ大数学科DVD-BOXガイド


“■コマ大数学科195講:京大に挑戦” への7件の返信

  1. ご無沙汰しております。この暑さに煙草の量が増えており、電子煙草にも手を出している今日この頃です。
    さて、今回の問題ですが、第163講「タワー」と基本的には同一の問題ですね。また、今年度は正十二面体を含め、正五角形絡みの問題が多いように思えます。
    ところで、cos36°=(1+√5)/4 は正五角形から「発見」するものだと思い込んでいますので、東大生チームの苦戦は以外でした。

  2. アキレ・サンタさま、コメントありがとうございます。
    たしかに形としては、タワーの問題と同じになりますね。

  3. ものすごい細かい指摘ですいませんが、最後のほうの
    >この二次方程式を解くと、2通りの解が得られる。
    は厳密には違います。(a^2-a-1=0の解は(1±√5)/2なので)
    正しくは、
    長い方を1として比を計算すると、EB:EC=a:a^2になり、a^2+a-1=0という方程式になり、正の解が・・・。
    みたいになると思います。老婆心ですいません。

  4. 「ひとよひ」さま、コメントありがとうございます。
    a^2-a-1=0の解が、a=(1±√5)/2になることは、爺も理解していますが、そうすると、(1-√5)/2のほうの解は「マイナス」になってしまいます(a=-0.61803398874989)。
    「マイナスの距離ってなに?」ってことになっちゃうので、a<1のときは、a=(√5-1)/2としました(a=0.61803398874989)。

  5. 説明が下手ですいません。
    >「マイナスの距離ってなに?」ってことになっちゃうので、a<1のときは、a=(√5-1)/2としました
    この言い方だと勝手にマイナスを掛けてプラスにして良いという風に理解されてしまうかもしれません。ので心配です。(老婆心なのですが)
    あくまでも結果としてでてきたマイナスは無意味として捨てなければなりません。
    a=(√5-1)/2を導く考え方としては、長い方(5角形の対角線)を1として比を求めると
    EB(a)+EC(a^2)=BC(1)となり、a^2+a-1=0という方程式を解くとa=(±√5-1)/2で同じようにマイナスは無意味として捨てます。
    もしくは結局比を求めているので、(1+√5)/2の逆数を計算してもいいと思います。
    (つまり(1+√5)/2:1=1:aとしてaを計算で分母を有理化すると答えになります)

  6. 「ひとよひ」さま、丁寧な説明、ありがとうございました。
    いくら、いいかげんな爺でも、勝手にマイナスをプラスにしちゃ、いけませんよね……><;
    記事中の図版を修正しました。

  7. どうもでした。
    私は大分在住で今は放送なくなっているので、ここをいつも楽しみにしています。

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