トリコロールといえば、フランス国旗。青は自由、白は平等、赤は博愛という意味があるらしい。床屋さんの店先でくるくる回る看板燈も、青、白、赤のトリコロールだが、赤は血管の動脈、青は静脈、白は包帯を表しているという。いったい、今回はどんな問題なの「たけしのコマ大数学科」。
問題:赤色の島、青色の島、黄色の島がそれぞれちょうど3つずつある。これらの島に次の2条件を満たすようにいくつかの橋を架ける。
条件(1):どの2つの島も、1本の橋で結ばれているか、結ばれていないかのいずれかであって、橋の両端は相異なる2つの島に繋がっている。
条件(2):同色の2つの島を選ぶと、その2つの島は橋で直接結ばれておらず、その2つの島の両方と直接結ばれている島も存在しない。
橋の掛け方は何通りあるか。ただし、1本も橋をかけない場合も1通りと数える。
※2010年 日本数学オリンピック予選問題
たぶん、問題解決には役に立たないだろうけれど、いちおうFlashを作成した。島と島をクリックすると橋(線)で結ばれる。問題は、橋を何本架けられるかではなく、何通りの架け方があるかなので注意してね。また、爺の趣向で島の色は勝手に変えさせてもらったよ^^;
問題を解くにあたって、条件を把握(理解)しておく必要がある……。
条件(1):どの2つの島も、1本の端で結ばれているか、結ばれていないかのいずれかであって、橋の両端は相異なる2つの島に繋がっている。
任意の2つの島に2本の橋を架けるのダメ。また、2つの島に繋がっていない橋も認めない。とゆーのは、1つの島から途中まで伸ばした橋(工事中?)や、1つの島(自分自身)に繋げるような橋もダメだ。条件(1)では、島の色には言及していないので、たとえば、赤い島と赤い島(2つの島)を結ぶ橋も含まれるわけだ。そこで、条件(2)が必要になる。
条件(2):同色の2つの島を選ぶと、その2つの島は橋で直接結ばれておらず、その2つの島の両方と直接結ばれている島も存在しない。
これは、同じ色の2つの島に橋を架けてはダメ。もうひとつは、たとえば、1つの島(緑)から、同色の2つ島(赤)に2本の橋を架けてはいけないとゆーこと。
以上の条件を踏まえた上で、可能な橋の架け方が何通りあるか考えよう^^;
●コマ大数学研究会の検証
「スパリゾートハワイアンズ」といえば、映画「フラガール」の原点とも言える。いつもは、罰ゲームなど過酷なコマ大数学研究会だが、今回は、天国のような、3本撮りロケの3回目。フラガールたちと、ポリネシアンの「ファイアーショー」の男性ダンサーたちを3×3の位置に並べ、手を繋ぐ(橋を架ける)として検証。入れ替わり、位置を変え、コマ大数学研究会の検証結果は、「34通り」。
●マス北野&ポヌさんの解法
問題を単純化するため、2色の島の場合で橋の架け方が何通りあるか調べた。
ポヌさんによると、これらをすべて足した数(1+27+9+(3*3))=46 答えは「46通り」となった。
●小橋りささん&岡本麻希さんの解法
竹内センセから「3色だと大変なので2色の場合を考える」というヒントで、ポヌさんと同じように2色の島の場合の橋の架け方を考えたが、数が膨大になってしまい、制限時間内では数え上げられない事態に……。
結局、東大生チームの答えは「2278」通り。
正解は「39304通り」。全員不正解。
●竹内薫センセの「美しき数学の時間」
前述したが、問題を単純化するために、2色の島がそれぞれ3つある場合を考える(例は赤と青の場合)。橋が「0本の場合」も1通りと数える。橋が「1本の場合」は、赤の島が3通り、青の島が3通りなので、3×3=9通りある。
橋が2つの場合は、橋が架るのは、3つ島のうち、2つを選ぶことになるので、「Combin(3,2)=3」、3×3としたくなるが、それぞれの色の3つ島から2つを選んで、橋を架ける場合、2通りの架け方があるので、3×3×2通りとなるのが、ポイント。3×3×2=18通り。
橋が3つの場合は、橋の一方(色)の島は固定し、繋がる相手(色)の島を3つの中から選ぶことになるので、その組み合わせは、3!=(3×2×1)=6通りになる。
赤の島と青の島に可能な橋の架け方は、すべてを足した(1+9+18+6)で34通り。青と緑、緑と赤も同様に考えると、34×34×34=39304通りと求まる。
ちょっといい話は、光の三原色(Red,Green,Blue)について。パソコンのモニターなどは、この3つの色を組み合わせ、各色を0~255の256段階で表し、R(256)×G(256)×B(256)=RGB(約1600万色)を表現している。
各色の(0~255)は、16進数(0~FF)の8ビットで表すことができるから、8×3=24ビットカラーと呼ばれる。これにアルファチャンネル(透過度)を加えた、32ビットカラ―も使われている。ちなみに「色の三原色」は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)で、印刷物には、これに黒を加えた「CMYK」が一般的だ。
竹内センセの話は、R軸,G軸,B軸の直交座標と考えると、色は、3次元空間の特定の位置(3次元のベクトル空間)として表すことができるという話。
たとえば、X=aR+bG+cBという色と、Y=a’R+b’G+c’Bを混ぜる(合成する)と、X+Y=(a+a’)R+(b+b’)G+(c+c’)Bとできるわけね。
量子力学で有名な、エルヴィン・シュレディンガーも論文を発表しているらしい。
では、光の三原色は、他の色では作ることができないのか。たとえば、赤(R)と青(B)、黄(Y)から、緑(G)は作れないのか。結果は「作れない」わけだが、そーでなければ「光の三原色」とは言わない^^;
しかし、緑にちょっと赤を混ぜた色は、青と黄を混ぜた色になる。
「G+aR=bB+cY」というわけだが、これを移項すると、「G=-aR+bB+cY」となる。数学的にはあり得るが、現実には、マイナスの係数を持つ色はないので、人間の眼に捉えることのできる色としては、表現できない;;
コンピュータの世界でも、たとえば、Flashの「colorTransform」では、現在の色に特定の色、たとえばRの値を「-255~255」の範囲で加算(減算)できる。だから、計算の結果が負になっちゃうこともあるのら(もちろん、負の値のRGBは表示できないよ)。
●爺のどーでもいい話
番組では触れられていなかったが、SHARPのAQUOS「クアトロン3D」が発表され、今年の夏には、発売されるもよう。「トリニトロン」がRGBの3極放電管をひとつにまとめたものであったのに対し、「クアトロン」は、RGBYの4色を使った液晶だ。SHARPのホームページを見ると「テレビは50年間3原色でした」という、テクノロジー・イノベーションを謳うキャッチコピーが目を惹く。あくまで、従来のRGBにY(黄色)を加え、色の再現性を高めたということね。
※たけしのコマ大数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマ大数学科:2009年度全講義リスト
■コマ大数学科:2008年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
http://gascon.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_596a.html
に投稿しましたがお気づきでしょうか?
爺@ガスコン研究所です。
コメントをいただけるのは、大変ありがたいことだと思っています。
できるだけ、時間を割いて、それに応えたいと思いますが、爺には爺の生活があり、爺のペースでしか対応できません。ですから、爺のコメントには、あまり期待しないでくださいね。
また、このブログで度々言っていますが、爺は数学落ちこぼれです。「たけしのコマ大数学科」の記事を書いているのも、「数学に自信がない」という自分を少しでも克服するためです。爺の場合は、それに気付くのが遅すぎたと言わざるを得ません。
ですから「教えてください」というコメントは、やめてください。爺は学校の先生や塾の講師ではなく、出来の悪い生徒のほうだと自認していますから。
現在の爺の職業は、パソコン雑誌や書籍に記事を書いて生計を立てているフリーのライターです。爺が40代だった頃、原稿に「四十の手習い」と書いて、校閲さんから「『四十の手習い』という言葉はない『六十の手習い』では?」と赤を入れられた記憶があり、あまりの恥ずかしさに、たぶん一生忘れることはないと思います。出版では、このように最終的な本になるまでに、編集者や校閲さんのチェックが入ります。
もうすぐ「還暦」を迎える爺にとって「数学」は「六十の手習い」です。「ブログ」の場合は、爺の書いたものがノーチェックで、そのまま出てしまいますので、ときたま、とんでもない間違いをしでかしてしまうことが、ままあります。そんな爺の間違いを正してくれるコメントは大歓迎です。また、爺が理解できなかったこと、説明できなかったことに関して、みなさんがフォローしてくれると助かります。
気が付かれているかどうか分かりませんが、
簡単に助け舟は入れています。
参考にはならないかもしれないけど。