結城浩さんが「数学ガール フェルマーの最終定理」を書かれていた頃、「フェルマーはガスコンかも」というメールを頂いたことがある。諸説あるそうだが、フェルマーは、「南フランスのトゥールーズ近くのボーモン・ド・ロマーニュに生まれる」とある。つまり、ガスコン(ガスコーニュ地方出身者の総称)かもしれない。でも、「ガスコン研究所」はフランスと縁もゆかりもない。ガスコンには「大法螺吹き」という意味の使われ方もあるんだよね。そんなガスコン爺の「たけしのコマ大数学科」
要するに、コンパスと目盛のない定規(定木)だけで正五角形を描きなさいという作図問題。
【遊び方】先に「Circle」または「Line」を選んで、ドラッグ開始点とドロップアウトした点の円や直線を描く。「Dividers」を選ぶと、始点をクリックするだけで、直前に描いた円と同じ半径の円を描く。
コマ大生に必要なものは何か? それは「男のたしなみ」というわけで、訪れたのは、墨田区にある、武田製図機械製作所。イギリス式やらドイツ式の高級なコンパスを見せてもらう。違いのわかる男は道具にも凝る。今回は、精密なコンパスを手に入れ、スタジオで検証だ。
●コマ大生の答え
CとDを中心に半径CDの円を描き、CDの垂直二等分線を引き、頂点Aは、この線上にあるとしたのは、よかったが、その先が続かない;; コマ大生のとった方法は、コンパスの「二刀流」。2つのコンパスを半径CDに合わせ、「えい、や!」と頂点Aを決めた。どー見ても、正五角形ではなく、安物のバンガロー風(ガダルカナル・タカ談)の五角形が出来上がった><;
●マス北野&ポヌさんの答え
マス北野は、鼻歌交じりで楽しそうに作図する。すでに、何を求めればいいか、完全にわかっている様子。CDの距離(正五角形の1辺を「1」とする)を2倍した点「F」の垂直線を描き、「1」の距離を「G」とする。直角三角形△CFGは、CF=2、FG=1で、ピタゴラスの定理により、斜辺CGは、「√5」になる。その斜辺を伸ばし、Gを中心に半径「1」の円を描けば、CHの長さは「1+√5」。その中点を「I」とすると、CI=(1+√5)/2となる。CとDを中心に半径(1+√5)/2の円を描けば、その交点が正五角形の頂点Aとなる。マス北野いわく「黄金分割だね」。
●木村美紀&山田茜さんの答え
東大生チームは、正五角形の内角や対角線の長さを計算で求めた。正n角形の内角の和を求める公式は「180*(n-2)」で、540°それを5で割れば、正五角形の1つの内角は108°と求まる。△ABCは、必然的に、∠BAC、∠BCAとも、36°となる。求めるACの長さは、cos(36°)の2倍となるが、東大生は当然のように「AC=(1+√5)/2」という答えを出した。途中の思考(計算)経過はわからないが、東大生なら、いちいち説明するまでもないでしょ的な、はしょり方だ。
ACの長さは計算で求めることができたが、これをコンパスと定規を使って作図することに、東大生は苦戦した。
●中村亨センセの「美しき数学の時間」
あとは、いかにして(1+√5)/2を作図するか……。
・フェルマー素数と正n角形
※爺註:中村センセは「エルメ」と表記していたが、爺は、英語読みの「ヘルメス」のほうを採用した。
●正五角形の描き方(おまけ)
※たけしのコマ大数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマ大数学科:2009年度全講義リスト
■コマ大数学科:2008年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
たけしのコマ大数学科#177 「フェルマー素数」
たけしのコマ大数学科#177(旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)フジテレビ 2010年5月10日 深夜OA 今回のテーマは、 「フェルマー素数」【 NEW!!】一挙に16本収録!数独大会に出てる松江さんが懐かしい!!たけしのコマ大数学科DVD-BOX 第6期¥7,140Amazon.co.jp2010年3…
ガスコンさんこんにちは!
正五角形の次の性質ご存知ですか?
「正五角形の対角線の交点Pとし、点Pで二分される対角線の長い線分をA、短い線分をBとします。次に点Pから最も遠い頂点へ線分を引きCとします。このときABCはピタゴラスの定理と同じ式 A^2+B^2=C^2を満たす」
これを私は勝手に「黄金ピタゴラスの定理」と呼んでいます。
これから導かれる公理として次の二つ
1、
「黄金長方形の長辺を半径とした円を描いたとき、その円に内接する正五角形の辺長は黄金長方形の対角線となる。また、黄金長方形の短辺が円に内接する正十角形の辺長となる。」
2、
「黄金長方形をおき任意の頂点を中心に長辺を半径とする円を描いたとき、黄金長方形の対の短辺の中点を通る直線と円の交点が円に内接する正五角形の対角線となる。」
もしかして、新発見かもね1
この定理・公理を使うと辺長や対角線のリクエストにも簡単に応える作図が可能です。
また、もう一つ
「正五角形の内接円の半径と外接円の半径の比が、1:√5 -1」であることを利用すると、正五角形の高さのリクエストにも応じることが出来ますよ!
ちょっと、長くなりましたのでここで終わります。
よろしくお願いします。