■コマ大数学科:東大生になりたい!SP

「たけしのコマ大数学科」も新学期がスタート。東大生が勢揃い春爛漫の特別講義。新入生も登場だ。

問題:Cを半径1の円周とし、AをC上の1点とする。3点P,Q,RがAを時刻 t=0に出発しC上を各々一定の速さで、P,Qは反時計回りに、Rは時計回りに時刻 t=2πまで動く。P,Q,Rの速さは、それぞれ、m,1,2であるとする。(したがってQはCをちょうど一周する)ただし、mは1≦m≦10を満たす整数である。△PQRがPRを斜辺とする直角二等辺三角形となるような速さmと時刻tの組をすべて求めよ。
※2010年 東京大学入試問題(文科 第4問、理科 第5問)

問題文が長くて意味を理解するだけでも大変だが、これを再現したのが上のFlash。要するに「Stop」ボタンを押したとき、△PQRがPRを斜辺とした直角二等辺三角形になっていればよい。このときのPの移動速度「m」と、時刻「t」の組み合わせをすべて答えよ……という問題。ただし、爺の作成したFlashでは、「t」の値は近似値だから、答えは代数的にきっちり答えてね。

番組は5年目に突入。春の特番とゆーわけで、今回は東大生チームが勢揃いし、なんと、最優秀チームにはバリ島旅行のご褒美つき。また、新学期らしく東大生チームには、新しいメンバーが加わった。

加納 舞さん(工学部3年)と、現役東大生ではないが、山口佑子さん(工学部OG)だ。加納舞さんは、ダンスや漫画を描くのが好き。山口佑子さんは「JELLY JELLY FISH」というバンドでドラムを担当していた。このバンドは解散してしまったようだ。

加納舞さん&山口佑子さんペアの解答

東大生になりたいSP(1)

∠PQRが直角(90°)のとき、円周角の定理によって、PRが直径(180°)になるので式を立てた。この式に、m=1~10(整数)を代入して、答えを求めるが、答えは数多くある。答えを羅列したが、時間内ではすべてを網羅することはできなかったようだ。それは、もっともなことで、△PQRは直角三角形だけでなく、問題文では、直角二等辺三角形となっていたはず。条件を絞り込めず、アウト。それに、m=1の場合は、PとQが同じ速度で反時計回りに移動するため、三角形が出来ないんだってば^^;

衛藤樹さん&伊藤理恵さんペアの解答

東大生になりたいSP(2)

数学マシンのターミネーター衛藤樹さん(もちろん、T-1000)、伊藤理恵さん(T-800)らしからぬ、解答だ^^;

小橋りえさん&岡本麻希さんペアの解答

東大生になりたいSP(3)

おしいところまで、肉迫している。ポイントは「時刻(t)」を基準にして考えているところ。

木村美紀&山田茜さんペアの解答

東大生になりたいSP(4)

∠PQRが直角で、PRが直径になることに加え、直角二等辺三角形なので、QがPRの中点になることに注目(円の中心を「O」とすると、∠QOPが直角ということ。ポイントは、整数解である「m」を「4」と「8」に絞り込んだこと。正解と解説は、中村亨センセの「美しき数学の時間」で……。

マス北野&ポヌさんペアの解答。

画面上では、よくわからなかった;; マス北野は、「m=4」になることは、わかっていたようだが、時刻「t」も整数であると勘違いしたようだ。「t」は、もちろん「0≦t≦2π」なので、整数にはならない。

中村亨センセの「美しき数学の時間」

東大生になりたいSP(5)

Qの速度は「t」、Rの速度は「2t」。題意のPRを斜辺とする直角二等辺三角形を満たすとき、3tで∠QORが直角(90°)になるので、tの単位は30°(π/6)であることがわかる。さらに、Pの速度は「90+t」で「4t」、m=4であることは、直感的に推測できる。

東大生になりたいSP(6)

PRを斜辺とする直角二等辺三角形は、(ア)と(イ)の2パターンある。

東大生になりたいSP(7)

この方法だと「m=4」のときは、答えを求めることができるんだけど、残りの答えは、いちいち式に代入して「m」の範囲で条件を絞らなければならない。「m=4」のときと「P」が同じ位置になるのは、「m=8」のときだろうと察しはつくけれど、びしっと決まらない感は否めない><;

そこで、もう少しうまくやる方法が紹介されたんだけれど、それが、木村・山田ペアの解法だ。

東大生になりたいSP(8)

「m=8」の場合、t=(π/6)×3、つまり、「Q」が(π/2)のとき、(m=8)×3=24、つまり「P」が2周し、「2π」の位置、∠QOPが直角となる。言われてみれば「なるほど~」なのだが、じつのところ、爺にもよくわかっていない^^;

というわけで、唯一、完全解答をした、木村・山田ペアがバリ島旅行を獲得した。

爺の検証用Flash

たとえば、「m=3」のとき「k=3」または「k=9」、あるいは、「m=7」とすると、「k」が奇数とのきは、直角二等辺三角形になるけれど、題意の「PRを斜辺とする」直角二等辺三角形ではないので、これはダメだ。

※たけしのコマ大数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2009年度全講義リスト
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト

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