■コマ大数学科169講:北大に挑戦Part3

父さん、北大に挑戦も今回が3回目なわけで……。今回こそ、北海道に行けると思っていたわけで……。でも、北海道に行くにはお金がかかるわけで……。ルル~ルルルルル~「たけしのコマ大数学科」

169講(問題)

問題:半径1の円に内接する正六角形がXY平面上にある。1つの辺ABがX軸に含まれている状態から始めて、図のようにX軸上を転がし、再び点AがX軸に含まれる状態まで続ける。点Aの描く軌跡の長さを求めなさい。

というわけで、コマ大数学研究会がやってきたのは、「北海道どさんこプラザ」。北海道の名産品を取り揃えたアンテナショップ。今回の作戦は、そんな名産品の中から正六角形のものを探すこと。北海道出身の元暴走族^^;ガンビーノ小林が「メフン」(鮭の腎臓を塩漬けにした珍味)を発見。瓶の形が見事な正六角形。すると、他にも正六角形の容器のものが続々と見つかった。

スタジオでは、コマ大生がお土産として持ってきた氷下魚(コマイ)などの珍味の匂いが充満する中で、「メフン」の正六角形の瓶の角のひとつにシャープペンシルの芯をテープで固定し、定規の淵に沿って回転させ、角が動いた軌跡を紙に描く。描いた図形に糸を這わせ、その長さを計る。コマ大生の答え「7」

どんな軌跡を描いたかは、下のFlashを参照。

※「Trace」をチェックすると角(点A)が動いた軌跡が表示される。

今回の東大生チームは、最近「FAX家庭教師」を始めたという山田茜さんと、トイレの便器に腕を突っ込んでいる男性を見て「結婚したい!」と思ったと語る、木村美紀。ガダルカナル・タカでなくても「状況がよく飲み込めない」が、なんでも、ある女性がトイレに携帯電話を落とし、流してしまったとのこと。その女性のために男性は便器に腕を突っ込んでいたわけね。

さて、東大生のプチ情報はこれくらいにして、問題の解法。マス北野&ポヌさんチームも、東大生チームも図を描いて、それぞれの半径で描いた円弧の長さを求め、足し合わせる方法は同じ(※図は、中村亨センセの「美しき数学の時間」で)。しかし、答えは異なる結果となった。

169講(2)

「×π」を書き忘れたとのこと。

169講(3)

まったく同じ考えで、東大生の答えに「×π」を入れたとしても、計算結果が違うことに、マス北野も不思議がっていた。

169講(4)

たんに東大生が計算間違いをしていたようで、マス北野&ポヌさんチームが正解。コマ大フィールズ賞を獲得した。

中村亨センセの「美しき数学の時間」

169講(5)

マス北野は、上図の扇型の円弧(オレンジ色)の部分を描いて計算した。東大生チームは、ほぼ、上図と同じく正六角形が動いた部分も含めて図を描いた。

孤の長さは、円周(2πr)×(角度/360°)で、正六角形の外角は60°なので、回転する角度は(60/360)で、(1/6)。約分すると、(π/3)×半径。(正六角形の一辺の長さは「1」なので)それぞれの半径は、ABが「1」、ACが「√3」(△ACDは、辺比が「2:1:√3」の直角三角形)、ADは「2」(半径1の円に内接する正六角形=円の直径)であることがわかる。

あとは、それぞれ求めた弧の長さを足し合わせればよい。どーしたの?東大生&東大大学院生(計算が苦手な爺が言えることではないが;;)。山田茜さんは、バレンタインで「本命」チョコを贈る相手が見つかったというし、木村美紀は「結婚したい!」とまで、言う相手が見つかるし^^; 恋する女性は、論理的でなくなり、計算ができなくなるの?(そうか、爺が計算できないのも、恋しているからか。ぜってぇーそれは違う!!)

で、中村亨センセの「ちょっといい話」は、「六角形」と言われてイメージするもの……。そう、「雪の結晶」。だから、北海道の名産品の容器に「正六角形」のものが多くあるのか(?)と爺は思ったりもしたが、いまいち根拠は薄い。

父さん「雪の結晶」と言っても形はいろいろあるわけで……ルル~♪(だから、もういいって><;)。じつは、雪の結晶の形は、上空の気温と水分量で決まるらしく、それを研究したのが、北海道大学の「中谷宇吉郎」(ナカヤ・ウキチロウ:1900~1962年)という人で「低温科学の開拓者」とも呼ばれている。世界で初めて「人工雪」を降らせたことも有名で、その研究成果は「ナカヤ・ダイヤグラム」として、知れ渡っているとのこと。きれいな正六角形の雪の結晶を作るには、気温がマイナス17~14°Cのときなんだって。中村センセによると、中谷博士は、科学映画を作ったり、教育番組で実験をしたりと、おもしろ科学伝道師として活躍する「でんじろう」の大先輩にあたる人で、物理や科学を研究するだけでなく、それを子供たちや一般の人にも、広める役割を担っていた人だったんだね。

≪参考≫
雪の結晶

中谷ダイヤグラムと拡散式人工雪作成法の問題

ガスコン爺の≪番外編≫

169講(6)

北海道大学の入試問題(2003年)は、大問と小問から成っていて、今回「たけしのコマ大数学科」で取り上げられたのは、大問の条件は一緒で、小問(1)、正六角形の場合だ。小問(2)は、正n角形の「n」をどんどん大きくしていき、「n」が無限になったときの軌跡の長さを求める問題。

解答ページ」の丸写しで申し訳ないが、正n角形のときの一般解は、以下のような式になる。

169講(7)

この式を「Flash」にしてみた。半径1の円に内接する、正三角形~正21角形までの軌跡の長さを計算する。

ただし、Flashなので、代数的な答えではなく「近似値」だ。正六角形の場合の答え「(2/3)*(2+√3)*π」を小数で表すと、「7.81638893325483」だから、小数点以下、14桁までは確かに合っている。上のFlashで得られた、軌跡長のデータを「Excel」で表にしたのが以下の図。

169講(8)

「n」を増やしていくと、どーやら、「8」に限りなく近づいていくように見える。というわけで、極限値の式は以下のようになるらしい。

169講(9)

「∞」角形を回転させると「8」になるのか……酔っ払い爺は、今日も妄想中^^;

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト


“■コマ大数学科169講:北大に挑戦Part3” への3件の返信

  1. 正∞角形=円とすると、これはサインウェーブ一周期の長さ(波長は2π)になりますね。8ですか・・・
    実は千鳥足の航跡がサインウェーブを描くと仮定して、酔っ払いは素面の時と比べてどれだけ多くの距離を歩くことになるか考え、その数値を出せずにいました。(笑)
    コマ大生張りの実測では真直ぐ歩く時の2倍(4π≒12.5~6)位になったのですが、どうやら振幅が大き過ぎたようです。(笑)

  2. はじめまして
    正「∞」角形を回転させた時の軌跡は
    サイクロイド曲線になるので
    半径aの円のサイクロイド曲線の
    弧の長さが8aと知ってる人には有利かも?

  3. なるほど、サインウェーブにはなりませんね。軌跡を求める点のx方向の移動距離は中心のそれと異なるのに、同一だと勘違いしました。i-dreamさん、ご指摘ありがとうございました。

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