■コマ大数学科165講:16マス

戸部洋子アナは意外と音痴だったことが判明^^;「たけしのコマ大数学科」

問題:4×4の16マスに区切られた紙を二人に渡し、それぞれが渡された紙のマス目を2つ塗りつぶす。二人の紙を表を上にして、どのように重ねても塗りつぶされたマス目がどれも重ならない確率を求めよ。2枚の紙は回転させても良いが、四隅は重ねるものとする。
(1999年大阪大学入試問題)

【遊び方】「YOU」と書かれた画面右側の16マスのいずれか2箇所をクリックして穴を開け、[≪]ボタンを押す。2枚を重ね回転させても穴が開いてなければ、カウントする。画面左下に表示しているのが、マス目が重ならない確率を実証した値になる。

コマ大数学研究会は、「壁に耳あり障子に目あり」で2組に分かれ、それぞれが障子に2箇所の穴を開け、障子を動かし重ねる検証を行った。爺の作成したFlashは、これを模したもの。コマ大の検証では、障子の穴が重なり貫通すると、水鉄砲で墨汁やタバスコなどをかけられる罰がつく。ただし、実際の障子を使ったため、回転させることはできなかった。

コマ大の検証結果は、100回行って、マス目が重ならなかったのが26回だったので「26/100 26%」という答え。

マス北野&ポヌさんは、問題用紙のマス目を切り抜き、重ねたり、回転させたりして考える。マス北野は「1/6」という答えを出したけれど、ポヌさんの答えは「23/32」、マス北野によると「どーみても、こんな高い確率にならない」ということだったが、チーム内のパワーバランスか^^; ポヌさんの答えを選択。答えは「23/32」。解法については、ポヌさんが説明したんだけれど、よくわからなかった。

東大生チームは、小橋りささんと、岡本麻希さん。まず、紙は四隅を重ねる状態で回転させると同一になるマスが4箇所あり、マス目の種類としては、a~dまでの4パターンあることがわかる(以下の図1)。

165講(1)

16個のマス目の中心を原点として、4つの象限に分け、それぞれ場合の数を考える。

165講(2)

たとえば、ひとつの象限で2つのマス目を選んだ場合を考えると{a,b,c,d}から2つを選ぶ組み合わせは、(4*3/2)で6通り。それが4象限あるので、6*4=24通り。それに対して、選んだマス目が重ならないようにする選び方は、色がついていない白いマスの部分。8個の中から2つ選ぶので、(8*7/2)=28通りというわけだ。以下、同様にすべてのパターンを考えていく。

最終的に東大生が立てた式は……

165講(3)

赤は、1人目が選択可能な数。足し合わせると16マスから2つを選ぶ組み合わせ数「120」になることを確認。それに対して青は、片方のもう1人が赤の選択したマス目と重ならない選択可能な数だ。分子は、上の表の計算結果をすべて足すと「4272」、分母は(120*120)で「14400」、つまり、(4272/14400)、分子、分母を48で割って約分すると、答えは「89/300」。

東大生の説明を聞いていたマス北野は「入試で、こんな複雑な問題は出ねえだろ」と言っていたが……

正解は「89/300」。思わず、マス北野も拍手した。

中村亨センセの「美しき数学の時間」

紙は90度ずつ回転させても良いので、東大生と同じく回転させたときに同じ箇所になるマス目に番号を振る。

165講(4)
まず、16マスから2つを選ぶ組み合わせは、いくつあるかというと、最初は16マスのどれを選んでもいいが、2回目は残り15マスの中から選ぶので(16*15)、選ぶ順番を逆にしても、同じ2つを選んだことになるので(16*15/2)=120通りになる。

165講(5)

AとBの2人が同じ番号のマスを塗りつぶさない確率

(1)Aが同じ番号を2つ塗りつぶしたとき、Bは残りの3*4=12マスから2つ塗りつぶせばよい。

165講(6)

(2)Aが2つの番号を塗りつぶしたとき、Bは残りの2*4=8マスから2つ塗りつぶせばよい。

165講(7)

2人がそれぞれ16マスから2つを選ぶ、すべての可能性は、120×120通り。

165講(8)

求める可能性は、塗りつぶしたマス目が重ならない(1)と(2)を、それぞれすべての可能性で割り、足し合わせた数になる。

165講(9)

というわけで、答えは「89/300」となる。中村センセの親切でわかりやすい解説を聞くと「なるほど」と納得してしまう。東大生は場合分けをするときに複雑になったけれど、1人が同じ記号(数字)を選ぶか、異なる記号を選ぶかの2パターンで考えればよかったのね。でも、限られた時間内で正解を出したのは「おみごと!」。

ガスコン爺の≪番外編≫こんな考え方はどーだろうか。

165講(10)

時系列に左から右へ進むと考えてほしい。最初A君は、16マスの中から、どれか1マスを選ぶので、(16/16)=1、100%の選択肢がある(どれを選んでもよい)。どれか1マスを選択すると、残りは15マスの中から選ぶことになる。回転させたとき、重なる位置になるマス(同じ数字)を選ぶ選択肢は、15マス中の3マスだ。A君が選んだマス目を回転させても、重ならないマス目を選ぶB君の選択肢は、16マスから4マスを引いた、12マスの中から選ぶことになる。どれか1マスを決定したら、選択肢はひとつ減る。

次にA君が異なる数字のマス目を選ぶ場合の数は、最初はどのマスを選んでもよい(1=100%)。2つ目のマスを選ぶときは、最初に選んだマスの番号以外を選択することになるので、16-4箇所(回転で重複)で、15マス中の12箇所(図では「1」を選んだことにした)。A君が選んだマス目と重ならないようにするためには、B君は16マスの中の、8箇所のうち、いずれかを選ぶことになり、2つ目は、15マスの中から、7箇所のうち、いずれかを選ぶことになる。

A君が「同じ数字のマスを選ぶ」、「異なる数字のマスを選ぶ」の2つ場合を足し合わせると、条件(90度ずつ回転させても選択したマス目が重ならない)を満たす可能な選択肢は「89/300」になる。

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト


“■コマ大数学科165講:16マス” への1件の返信

  1. 爺さんの時系列での考えの方が中村先生より
    も約分が楽ですね。
    私もA君を時系列で考え、B君は組み合わせ数
    で計算して同じ答えが出ました。
    全ての組み合わせを考えることで確実に確率
    の計算できるかもしれませんが、時系列で考
    えるとかなり簡略化になることがあるみたい
    ですね。
    勉強になりました。

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