■コマ大数学科159講:トライアングル

 地図上の3点で囲まれた「バーミューダ・トライアングル」の面積を計算しても、実際の面積とは異なる。地球は丸いからね。このところ、ブログ更新が遅れがちの「たけしのコマ大数学科」

問題:図のように重なっている上側の正三角形を回転させて、下側の正三角形とぴったり一致するような点を作図しなさい。

 画面上の左右の矢印ボタンをクリックするか、キーボードの矢印キーを押すと回転する。つまり、上側の正三角形を回転させる中心点を求めよということね。

 コマ大数学研究会は、「1・2・3・ダーーーツ!」というわけで、問題と同じように、2枚の正三角形の色紙をダーツに貼り付け、ダーツの矢が刺さったところを中心に上側の正三角形を回し、ぴったり重なるかを検証。
 途中で録画テープが底をついてしまうトラブルもあったが、なんとか、中心点を見つけたようで、スタジオで正三角形を回転させ、ぴったり重なることを確認した。

マス北野&ポヌさんの解答

トライアングル(1)

 上側の正三角形の頂点をABC、下側の正三角形をA’B’C’とする。A’とC、BとC’、CとA’を結ぶ線を引く。それぞれの線分の垂直二等分線を引く。その交点が回転の中心点と考えた。

東大生の解答

 今回の東大生チームは、木村美紀と山田茜さん。番組では、A’とB間を線で結んでいたが、円が画面からはみ出してしまう、ただそれだけの理由で、爺は、勝手に図のようにAとA’、BとB’、CとC’を結ぶ線に変更した。

 頂点Aを中心に半径A,A’、A’を中心に半径A,A’の円を描き、線分A,A’の垂直二等分線を引く。線分B,B’、線分C,C’にも同様の手順で垂直に等分線を引く。

 3つの垂直二等分線の交点をOとすると、△AOA’は、二等辺三角形であり、AO,A’Oの長さは同じ。Oを中心として右へ∠AOA’ぶんだけ回転させれば、A→A’、B→B’、C→C’がぴったり重なる。

 ところで、東大生は、A’とB、B’とC、C’とAを線で結び作図したが、爺の作図とは中心点が異なる。東大生の場合は、上側の正三角形の頂点Bを下側のA’に重ねるため、左回転させると、右回転より少ない角度でぴったり重ねることができる。

トライアングル(2)

 今回の問題では、上下の正三角形の重なる部分が多かったけれど、違う配置で検証してみた。回転させる中心点が正三角形の外にあるような場合だ。

 上側の正三角形の配置によって、ぴったり重ねるには、回転させる中心点が違うのは当然だが、同じ配置であっても、複数の解答が存在する。ようするに、上側の正三角形のひとつの頂点、たとえば、Aから下側の正三角形の頂点を結ぶ線は、A→A’、A→B’、A→C’の3通りある。これは、他の頂点も同じで、3パターンの垂直二等分線を引くと、3通りの交点(回転させる中心点)が求まる……というのが爺の結論。もちろん、配置によっては、交点が重なることもあるだろうけれど^^;

竹内薫センセの「美しき数学の時間」

3角形分割と曲率(ガウス=ボンネの定理)

トライアングル(3)

 正三角形の回転の話は、これくらいにして、竹内薫センセのちょっといい話。平面上にランダムに点を打ち、それぞれの点を三角形になるように結ぶ。ある点に注目して、この点を含む三角形を抜き出す。当然ながら、スキマはできない。

トライアングル(4)

 ところが、球面上に点を打ち、それら点を三角形になるように結び、ある点を囲む三角形を取りだし、それを平面上にペタッと押しつければ、スキマができる。ま、当たり前ちゃ、当たり前の話だけれど、球面上にある、すべての点について、同じようにすると、このスキマの合計は「4π」になるというのだ。球の表面積を求める公式は「S=4πr^2」だから、なんか、「ほぉ~」と唸ちゃう。つまり「Σθi」は曲率を表しているらしい。

 ガウス=ボンネの定理とは、いわば、微分幾何学のデータをぜんぶ積分したら、位相幾何学になる。ふたつの幾何学を結び付けるような定理とのこと。球とかじゃなくて、もっとグニャリと捻じれたような曲面や、ドーナツのような穴のあいた形でも計算できるらしい。

 爺の持っている「Shade6 Sprit」は、もうだいぶ古いバージョンのShadeだが、プラグインに「Magical Sketch」が入っている(数か月前、やっと「Shade 10.5 basic」にバージョンアップしたのだけれど、こちらのプラグインには含まれていない;;)。

≪追記:修正≫2010年5月2日

「マジカルスケッチ」は、「Shade 10.5 basic」に「プラグイン」ではなく、基本機能として組み込まれていました><;

トライアングル(5)

 で「マジカルスケッチ」は、マウスやペンで図形を描くと、それをポヨンと立体にしてくれるソフト。Shadeに読み込むと、たくさんの三角形を組み合わせたようなポリゴンメッシュのデータになる。もちろん、レンダリングすれば、あらゆる方向から眺めることのできる、3Dの立体になるのだ。

トライアングル(6)

 単体の製品でも、3000円以下の安価なソフトでありながら、手軽に立体データを作れちゃうのはすごい。この手軽さの裏では、コンピュータが複雑な計算をしているのだろうな。もっとすごいのは、このアルゴリズムを考えた人だ^^;

マジカルスケッチ2
http://shade.e-frontier.co.jp/magical/2/

 話が脱線してしまったけれど、ガウス=ボンネの定理から、空間を埋め尽くすような四面体を考えると、空間を計算できるらしい。この場合は、点ではなくて、線になるとのこと。さらに、これを4次元、5次元と高次元になると、どーなるか、数学者たちは考えているらしい。ここまでくると、爺にはちんぷんかんぷんだ><;

 ガダルカナル・タカの「我々は『ガウス・ボタンの定理』だけ覚えておきましょう」には、笑ってしまった^^;

※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト


“■コマ大数学科159講:トライアングル” への2件の返信

  1. たけしのコマ大数学科#157 「トライアングル」

    たけしのコマ大数学科#157
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2009年11月12日 深夜OA
     
    今回のテーマは、
    「トライアングル」
    たけしのコマ大数学科 DVD-BOX 第5期
    ¥5,234
    Amazon.co.jp
    2009年12月16日発…

  2. 離れた2点が重なるような中心は2点の垂直2
    等分線上にあるということで、すぐに解答は
    できました。
    竹内先生は辺BCが重なって、ひし形にならな
    いかの説明をされてました。
    そのようになる点も求めれそうですね。
    物理学を応用していく際に、数学の定理が必
    要となるときがあるそうですが、今回の問題
    は、それに関連しているのですね。
    ファインマンの本を思い出してしまう問題で
    した。

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