地図上の3点で囲まれた「バーミューダ・トライアングル」の面積を計算しても、実際の面積とは異なる。地球は丸いからね。このところ、ブログ更新が遅れがちの「たけしのコマ大数学科」
問題:図のように重なっている上側の正三角形を回転させて、下側の正三角形とぴったり一致するような点を作図しなさい。
画面上の左右の矢印ボタンをクリックするか、キーボードの矢印キーを押すと回転する。つまり、上側の正三角形を回転させる中心点を求めよということね。
コマ大数学研究会は、「1・2・3・ダーーーツ!」というわけで、問題と同じように、2枚の正三角形の色紙をダーツに貼り付け、ダーツの矢が刺さったところを中心に上側の正三角形を回し、ぴったり重なるかを検証。
途中で録画テープが底をついてしまうトラブルもあったが、なんとか、中心点を見つけたようで、スタジオで正三角形を回転させ、ぴったり重なることを確認した。
●マス北野&ポヌさんの解答
上側の正三角形の頂点をABC、下側の正三角形をA’B’C’とする。A’とC、BとC’、CとA’を結ぶ線を引く。それぞれの線分の垂直二等分線を引く。その交点が回転の中心点と考えた。
●東大生の解答
今回の東大生チームは、木村美紀と山田茜さん。番組では、A’とB間を線で結んでいたが、円が画面からはみ出してしまう、ただそれだけの理由で、爺は、勝手に図のようにAとA’、BとB’、CとC’を結ぶ線に変更した。
頂点Aを中心に半径A,A’、A’を中心に半径A,A’の円を描き、線分A,A’の垂直二等分線を引く。線分B,B’、線分C,C’にも同様の手順で垂直に等分線を引く。
3つの垂直二等分線の交点をOとすると、△AOA’は、二等辺三角形であり、AO,A’Oの長さは同じ。Oを中心として右へ∠AOA’ぶんだけ回転させれば、A→A’、B→B’、C→C’がぴったり重なる。
ところで、東大生は、A’とB、B’とC、C’とAを線で結び作図したが、爺の作図とは中心点が異なる。東大生の場合は、上側の正三角形の頂点Bを下側のA’に重ねるため、左回転させると、右回転より少ない角度でぴったり重ねることができる。
今回の問題では、上下の正三角形の重なる部分が多かったけれど、違う配置で検証してみた。回転させる中心点が正三角形の外にあるような場合だ。
上側の正三角形の配置によって、ぴったり重ねるには、回転させる中心点が違うのは当然だが、同じ配置であっても、複数の解答が存在する。ようするに、上側の正三角形のひとつの頂点、たとえば、Aから下側の正三角形の頂点を結ぶ線は、A→A’、A→B’、A→C’の3通りある。これは、他の頂点も同じで、3パターンの垂直二等分線を引くと、3通りの交点(回転させる中心点)が求まる……というのが爺の結論。もちろん、配置によっては、交点が重なることもあるだろうけれど^^;
●竹内薫センセの「美しき数学の時間」
3角形分割と曲率(ガウス=ボンネの定理)
正三角形の回転の話は、これくらいにして、竹内薫センセのちょっといい話。平面上にランダムに点を打ち、それぞれの点を三角形になるように結ぶ。ある点に注目して、この点を含む三角形を抜き出す。当然ながら、スキマはできない。
ところが、球面上に点を打ち、それら点を三角形になるように結び、ある点を囲む三角形を取りだし、それを平面上にペタッと押しつければ、スキマができる。ま、当たり前ちゃ、当たり前の話だけれど、球面上にある、すべての点について、同じようにすると、このスキマの合計は「4π」になるというのだ。球の表面積を求める公式は「S=4πr^2」だから、なんか、「ほぉ~」と唸ちゃう。つまり「Σθi」は曲率を表しているらしい。
ガウス=ボンネの定理とは、いわば、微分幾何学のデータをぜんぶ積分したら、位相幾何学になる。ふたつの幾何学を結び付けるような定理とのこと。球とかじゃなくて、もっとグニャリと捻じれたような曲面や、ドーナツのような穴のあいた形でも計算できるらしい。
爺の持っている「Shade6 Sprit」は、もうだいぶ古いバージョンのShadeだが、プラグインに「Magical Sketch」が入っている(数か月前、やっと「Shade 10.5 basic」にバージョンアップしたのだけれど、こちらのプラグインには含まれていない;;)。
≪追記:修正≫2010年5月2日
「マジカルスケッチ」は、「Shade 10.5 basic」に「プラグイン」ではなく、基本機能として組み込まれていました><;
で「マジカルスケッチ」は、マウスやペンで図形を描くと、それをポヨンと立体にしてくれるソフト。Shadeに読み込むと、たくさんの三角形を組み合わせたようなポリゴンメッシュのデータになる。もちろん、レンダリングすれば、あらゆる方向から眺めることのできる、3Dの立体になるのだ。
単体の製品でも、3000円以下の安価なソフトでありながら、手軽に立体データを作れちゃうのはすごい。この手軽さの裏では、コンピュータが複雑な計算をしているのだろうな。もっとすごいのは、このアルゴリズムを考えた人だ^^;
●マジカルスケッチ2
http://shade.e-frontier.co.jp/magical/2/
話が脱線してしまったけれど、ガウス=ボンネの定理から、空間を埋め尽くすような四面体を考えると、空間を計算できるらしい。この場合は、点ではなくて、線になるとのこと。さらに、これを4次元、5次元と高次元になると、どーなるか、数学者たちは考えているらしい。ここまでくると、爺にはちんぷんかんぷんだ><;
ガダルカナル・タカの「我々は『ガウス・ボタンの定理』だけ覚えておきましょう」には、笑ってしまった^^;
※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;
※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマ大数学科:2008年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
たけしのコマ大数学科#157 「トライアングル」
たけしのコマ大数学科#157
(旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
フジテレビ 2009年11月12日 深夜OA
今回のテーマは、
「トライアングル」
たけしのコマ大数学科 DVD-BOX 第5期
¥5,234
Amazon.co.jp
2009年12月16日発…
離れた2点が重なるような中心は2点の垂直2
等分線上にあるということで、すぐに解答は
できました。
竹内先生は辺BCが重なって、ひし形にならな
いかの説明をされてました。
そのようになる点も求めれそうですね。
物理学を応用していく際に、数学の定理が必
要となるときがあるそうですが、今回の問題
は、それに関連しているのですね。
ファインマンの本を思い出してしまう問題で
した。