■コマ大数学科132講:カックロ

 なにやら聞きなれない言葉だが「カックロ」とは、足し算を利用したパズルとか(戸部アナのオープニング)。いわゆる「クロスサム」と呼ばれるパズルだが、「加法クロス」から「カックロ」になったそーな(中村亨センセ談)の「たけしのコマ大数学科」。今回は、その「カックロ」にも通じるところがある、足し算パズルだよ。

問題:表裏に0~9までの数字がひとつずつ書かれたカードが5枚ある(数字の重複はない)。すべて表の数を足すと「19」、左から3枚を裏返して、見えている数を合計すると「20」になった。同様に、裏裏表裏裏の場合は「35」、表表裏表裏の場合は「11」、表裏表裏表の場合は「31」になった。最初に見えていたカードの表にあった数を並び順に答えよ!

問題提供:クイズ大陸「真説5枚の紙切れと数字

【遊び方】数字をダブルクリックして、キーボードから数字を入力してほしい。図は、5枚のカードを時系列に並べたものなので、左端のカードの表は、同じ数になる。カードの裏も同様。要は、表裏のカードの数の合計が、右側のオレンジ色の数字なればいい。

 ところで、二コルの「数独」の「独」は、ただひとつ、ユニーク(唯我独尊)な数が決定されるという意味合いを込めての命名だと思うが、その伝でいくと、足し算とゆーことで「数足」(スウソク)でも、いいのではと爺は思う。でも、これでは、そこはかとなく靴下の臭いが漂ってくるよーで、語感がかんばしくない;;(タイトルに濁音や促音が入るとインパクトが強いとゆーことも「カックロ」命名の理由になっていると思う^^;)。

 さて、我らが、コマ大数学研究会は、「カックロ」ならぬ、「シンクロ」とゆー、似ても似つかない間違いだけで、プールの底に沈む、数字が書かれた10枚のカードを、ひとりが2枚ずつ潜って拾い、表裏の組み合わせを水中で提示するロケになった。いつものように体を張ったロケだが、空気を吸えない苦しさは、視聴者にわかりやすい。ここでアタルくんが、水中で悟りを開き、アタルチャーンス!!!

 そのアタルチャンスとは、真ん中の3段目に注目すると、合計が「35」なので、カードの順番はわからないけれど、{5,6,7,8,9}の組み合わせになることだ。これによって、なんとか問題をクリア。

 今回の東大生チームは、木村美紀、山田茜さん。カードの表を{a,b,c,d,e}とし、裏を{f,g,h,i,j}とするすべてのカードの表を作成した。a+b+c+d+e=19、0~9までのカードの数字をすべて足すと「45」、表の合計が「19」なので、裏の合計は、45-19で「26」になる。ところが、3段目の合計は、35なので、35-26=9、表と裏の差が9になるのは、「9」と「0」しかない。よって中央のカードは、表が「9」、裏が「0」と確定される。これで、表は{1,2,9,3,4}、裏は{5,6,0,7,8}が含まれていることがわかる。詳細は、中村亨センセの「美しき数学の時間」に譲る。

 マス北野も、ここまでは気づいていて、いち早く数字を書き込んだが、そのあとの、数字と位置を特定する足し算、引き算をしているうちに、頭がもうろうとなってしまったようだ。

中村亨センセの「美しき数学の時間」

 というわけで、コマ大生と東大生が正解。マス北野は答案のボードに書いた数字を指で消していたため、意味不明な答えだった。マス北野は「ひらめき」はあるものの、細かい計算になると、集中力が持続しないようだ。ポヌさんの抜けた穴は大きい。コマ大フィールズ賞は東大生が獲得した。

 ところで、本題の「カックロ」の場合、同じ行や列の区切りの中に同じ数があってはならないというルール。たとえば、合計が「6」の場合、2マスなら、6=5+1、6=4+2と分解することができるが(6=3+3は同じ数が並んでしまうのでダメ)、これが3マスになると、6=3+2+1と一意に決まってしまう(3、2、1は、すべて6の約数で、足し合わせると6になることから、「6」は「完全数」と呼ばれている)。

 で、同じ数字を何回使っても良いとするのが「分割数」で、たとえば、
5=5
5=4+1
5=3+2
5=3+1+1
5=2+2+1+1
5=2+1+1+1
5=1+1+1+1+1
と分割することができる。7通りの解があるので、
分割数 p(5)=7 のように表すらしい。

 中村亨センセによると、あの天才数学者、ラマヌジャン(1887~1920)は、この分割数についても興味を抱いていたようだ。
p(5n+4)は、5で割り切れる
p(7n+5)は、7で割り切れる
p(11n+6)は、11で割り切れる

 また、テレンス・タオ(1975~)は、整数論の難問であった「素数の中には、いくらでも長い等差数列がある」ことを証明し、2006年にフィールズ賞を受賞したとのこと。

番組では、ちらっと、ボードが紹介されただけで、「カックロ」から、整数の加法的組み合わせ論までの中村センセの解説を聴くことができなかったのが非常に残念;;

学研の連載コラム
■中村あきら先生の「マスマス数学」

※Pencil Missaileは、[SPACE]キーでも発射できるよ^^;

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト(暫定版)
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト


“■コマ大数学科132講:カックロ” への2件の返信

  1. たけしのコマ大数学科#132 「カックロ」

    たけしのコマ大数学科#132(番組的には127回?)
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2009年5月7日 深夜OA
     
    今回のテーマは、
    「カックロ」
     
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    たけしのコマ大数…

  2. コマ大 テーマ「カックロ」を見たが 美しくない数学の時間になってしまったようだ

    中村先生の解説が美しくなかったですね。
    カックロをアレンジとあったが、アレンジしすぎたのが原因?
    問題
    表と裏を足すと9になるカードが5枚、数字は重ならない。
    このとき、表裏の組み合わせで条件1~条件5の時の合計が出ているとき
    すべてのカードを…

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