■コマ大数学科128講:オーバーハング

 わかっているようで、詳しくわかっていなかった「オーバーハング」問題(中村亨センセ談)の「たけしのコマ大数学科」。はたして「オーバーハング」を制して頂上に立つのは誰か?(戸部アナ談)

「オーバーハング」問題

問題:幅、長さ、厚さ、重さがすべて同じな6枚の積木を積み重ね、台の端からせり出す長さが、できるだけ長くなるような積み方を答えなさい(※積木は水平に積むこと、斜めに立て掛けてはダメよ)。

 「積木といえば、幼稚園」というわけで、今回、コマ大数学研究会が訪れたのは、横浜市大倉山にある「聖保育園」。幼稚園児たちにじゃまされながらも、検証して、答えを出したが、スタジオでは、新たな方法を見つけ出す。

 今回は、計算問題ではなく、実際に積木を積み重ね、せり出した部分の長さを計測して、勝敗を決める。

コマ大数学研究会の答え
コマ大生の解答

マス北野の答え
マス北野の解答

 コマ大数学研究会と、マス北野は、積み方が違うものの、「14cm」と同じになった。「ザッツ数雑!美しき最強ペア決定戦!!」で最強ペアに輝いた、山田茜さん、岡本麻希さんの東大「フェアリーエンジェルス」は、マス北野と同じ積み方をしたが、「13cm」にとどまった。

 ところで、今回の問題は、「第23講:繰り込み」でやった「12cmの板を落ちないようにズラして重ねていき、一番上の板が机の端から、1枚分はみ出すには、最低何枚必要か?」という問題と似ているが、こちらは、1枚ずつ重ね、ズラしていくルール。これを、今回の「長さ10cmの積木」に当てはめると、以下のようになる。

One on One

 正解は、なんと、コマ大数学研究会の方法!
正解発表

中村亨センセの「美しき数学の時間」
美しき数学の時間(1)

 1個ずつ重ね、ズラしていく方法で、3個の積木を積んだ場合は、(1/2)+(1/4)+(1/6)*10=9.166…cmとなる。

美しき数学の時間(2)

 最初の1個の積木の上に2個の積木を乗せ、片方をせり出させ、もう一方を、崩れ落ちないように重りとして乗せる方法では、(1/2)+(1/2)*10=10cmとなる。それでは、この方法で、3段目に3個の積木を重ねれば、15cmまでせり出せるのでは……。

美しき数学の時間(3)

 ところが、この方法では、3段目で崩壊してしまうのだ。積木の個数が6個ではなく、9個あったら、以下のようなひし形に積み上げる方法がある。

美しき数学の時間(4)

 しかし、この方法も、一番せり出す段の積木の数が4個までで、それ以上になると、やはり崩壊してしまう。
 というわけで、冒頭に書いたように、この積木の問題は、わかっているようで、じつは、まだ、わかってない部分が多いとゆーか、きっちり検証されたわけではなかったみたいだ。2006年、英国ウォーイック大学の「Mike Paterson」と、テルアビブ大学の「Uri Zwick」という人が研究成果を発表したらしい。現在、積木30個までの最長の積み方が見つかっているという。


※出典「Overhang」Mike Paterson, Uri Zwick

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※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマ大数学科:2008年度全講義リスト(暫定版)
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト