先日、テレビで一粒5万円のイチゴが紹介されていた。たしかに普通のイチゴと比べると、やたらデカイし、甘味もあるらしいのだが、いったい、どんな人が買うんだよ。爺は「いちご」より「いいちこ」のほうがいい「たけしのコマ大数学科」
≪ルールの説明≫
魔法A:その場にあるイチゴ、1個につき、イチゴとバナナに変える。つまり、イチゴの数はそのままで、イチゴの数だけバナナが増える。
魔法B:その場にあるバナナ、1本につき、バナナとイチゴに変える。バナナの数は変わらず、バナナの数だけイチゴが増える。
問題:「魔法A」と「魔法B」を使い、1個ずつあるイチゴとバナナを、イチゴ15個、バナナ877本にするには、魔法を合計、何回使えばいいか?
コマ大数学研究会は、「122講:内角の和」で訪れた、自由が丘にある、ビーズ刺繍教室「イリダーレ」の峯島洋子さんのもとへ……。今回は恋愛ドラマ仕立て。イチゴとバナナをビーズに見立て、「♪ポヌ、ポヌ、ポヌ、ベナンの子♪」と、お笑いの魔法で増やす。もう、検証になっているんだか、なっていないんだか^^; コマ大生の解答は「212回」(笑いをとれなかった魔法も含む)。
マス北野は、最初の計算はよかったものの、途中から、こんがらかってしまったようだ。答えは「45回」。
ゴッドハンドの魔法が欲しいと言う、衛藤樹さんと、魔法で空を飛びたいと言う伊藤理恵さんの東大「秒殺シスターズ」は、今回も秒殺で答えを出した。
まず、イチゴの数を15個にすることを考え、魔法Aでバナナの数を増やす。はじめの1本を加え、1+(7*2)で15になるので、魔法Aを6回かけて、バナナの数を7本にし、魔法Bを2回かければ、イチゴ15個、バナナ7本になる。あとは、バナナの数が877本になるまで、魔法Aをかけ続ける。877÷15で58回。魔法をかけた回数は、6+2+58で66回。
というわけで、正解は「66回」。
中村亨センセの「美しき数学の時間」。イチゴが(a)個、バナナが(b)本のとき、魔法Aを使うと、イチゴが(a)個、バナナが(a+b)本になる。結果、(イチゴの個数)<(バナナの本数)になる。魔法Bを使うと、イチゴが(a+b)個、バナナが(a)本になる。結果、(イチゴの個数)>(バナナの本数)になる。
今回の問題は、最終形から逆に考えるとわかりやすい。最終形は(イチゴ15:バナナ877)で、バナナの数のほうが大きいので、最後に使ったのは、魔法Aであることがわかる。イチゴとバナナの数の大小が逆転するまで、魔法Aが使われる。(15,877)→(15,862)…(15,22)→(15,7)この時点ではじめて、イチゴとバナナの数が逆転する。バナナの数は15本ずつ減ってきたので、877÷15で58回。今度は、(15,7)と、イチゴの数のほうが大きいので、魔法Bを使ったことがわかる。(8,7)→(1,7)の2回。初期状態(1,1)から(1,7)の状態にするには、魔法Aを6回。魔法を使った回数は、58+2+6=66回。
これは、最大公約数を求める「ユークリッドの互除法」と同じである。
877÷17=58 あまり、7
15÷7=2 あまり、1
7÷1=7
今回の問題では、初期値が(1,1)なので、7-1=6
おもしろいのが、ここからで、初期値を(0,1)とし、魔法Aと魔法Bを交互にかけていく。
(0,1)A(1,1)B(2,1)A(2,3)B(5,3)A(5,8)B(13,8)A(13,8)…
魔法をかけても、変化しないほうの数に注目して、抜き出すと……。0,1,1,2,3,5,13…と「フィボナッチ数列」になっている。
初期値(1,2)から、同じように魔法Aと魔法Bをかけていくと、
(0,2)A(1,3)B(4,3)A(4,7)B(11,7)A(11,18)B(29,18)…
2,1,3,4,7,11,18…こちらは、「リュカ数列」になっている。
≪メモ≫
フランク・エドゥアール・リュカ(1842~1891)
・フランス出身の数学者
・整数論の研究
・「ハノイの塔」を発明(1883)
・「数学遊戯」全4巻(1882~1894)
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※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
たけしのコマ大数学科#124 「魔法使い」
たけしのコマ大数学科#124(番組的には120回?)
(旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
フジテレビ 2009年2月19日 深夜OA
今回のテーマは、
「魔法使い」
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