先日、小橋りささんが「雑学王」に出演していた。「ガスコン研究所」の検索ワードのトップは(東大生の中では)、いつも衛藤樹さんがトップなのだが、この日は、小橋りささんが「51アクセス」でトップだった。そんな、小橋りささんと、生駒尚子さんが新年の初講義ということと、今年成人式を迎えるということで、振袖姿の晴れ着で登場した「たけしのコマ大数学科」
問題の設定:「紅白帽」を被った6人が1列に並んでいる。紅白帽の「紅」か「白」かは、審判員がコイントスの表、裏(つまり、ランダム)で決定される。チームのメンバーは自分が被っている帽子が、どちらかわからない。また、自分より後ろに並んでいる人の帽子の色もわからない。この状況で、A、Bの2チームが自分が被っている帽子の色を予想するゲームをした。予想が的中した人の数がチームの得点になる。
●Aチームの戦略
●Bチームの戦略
ここからが、本当の問題:AチームがBチームに勝利する確率を求めよ! 「あ~、ややこしや~♪ ややこしや~♪」(なだぎ武をイメージしてね^^;)
今回のコマ大数学研究会の検証は、親子同伴のロケ。子どもチーム(A)と親チーム(B)に分かれて、親子対決となった。爺は、いつものように、Flashで検証だ^^;
すごく時間がかかるけれど、いちおう100回戦を行ったあと、結果を発表する。
で、コマ大数学研究会は、30試合を行った検証の結果、13対17で、答えは、「43%」となった。実際に検証したのだから、誤差があるとしても、正解に近いはずだが、試行回数が30回と少ないことによる、偏りを考慮しても、爺の作成したFlashの結果と大きく異なる。
(※乱数なので、結果はその都度、変動する)
マス北野&ポヌさんチームの答えも「42%」で、コマ大数学研究会の答えと近いものになった。確率計算がややこしく、最後は「勘」だと言う。
もう一度、各チームの戦略を再確認しよう。
Aチームの戦略は、奇数番号の人は、前の人の帽子の色を見て答えるので、正解する確率は「1/2」だが、偶数番号の人は、後ろの言った人の色が自分の帽子の色なので、確実に正解する。つまり、少なくとも3人が正解する(3点を得る)わけだ。
Bチームは、1番と4番の人が、前2人の状態、帽子の色が一致していたら「白」、違っていたら「赤」と答えるので、確率は「1/2」。2、3、5、6番の人は、その情報をもとに自分の帽子の色を決定するので、必ず正解する。少なくとも4人は正解し、4点が入る戦略だ。
Aチームの得点は、3点から、全員正解の6点まで、考えられるが、Bチームは4点~6点を獲得する。Aチームが勝利するには、得点が3点、4点の場合は、負けか引き分けなので、除外し、5点、6点の場合に、Bチームの得点によって、勝つ場合の確率を求めればよいことになる。
小橋りささん、生駒尚子さんの東大「悩殺シスターズ」の答えは「3/16」。考え方も計算も完璧だったので、解説は、中村亨センセの「美しき数学の時間」に譲ろう。
●中村亨センセの「美しき数学の時間」
Aチームの得点が3点の場合は、奇数番号の人が全員、外した場合ね。だから(1/2)*(1/2)*(1/2)=(1/8)になる。4点の場合は、1人が当てて、他の2人が外した場合だから、それが3通りある。5点の場合も、2人が当て、1人が外した場合は、3通り。6点は3人が全員正解した場合だ。
Bチームは1番と4番の2人以外の4人は正解なので、得点が4点の場合は、2人とも外したってこと。(1/2)*(1/2)=(1/4)。5点の場合は、どちらか一方が当て、どちらか一方が外した場合なので、確率は(1/2)。2人とも当てた場合は、全員正解の6点。2人とも当てる確率は(1/4)ということになる。
Aチームが勝利するのは、Aチームが5点でBチームが4点の場合と、Aチームが6点で、Bチームが4点か、5点の場合だけ。3通りのパターンが考えられる。それぞれの場面の確率を足し合わせたものが、Aチームが勝利する確率になる。
「悩殺シスターズ」は、さらに、引き分けの場合と、Bチームが勝利する確率を求め、「Aチームが勝利する確率(3/16)+引き分け(5/16)+Bチームの勝利(1/2)」が「1(100%)」になることを検算していて隙がない。
中村亨センセによると、こういう確率計算は「経験」が大事と言う。要は「慣れろ」とゆーことね。還暦を過ぎたマス北野が、経験不足を指摘され、バツが悪そうだった^^;
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※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
■コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
■コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト
紅白帽の正解は番組では3/16ということでしたが、実際に64通りの場合をすべて書き出して調べてみると4通りでしたので、本当の正解は1/16ではないでしょうか。
まるはさん、コメントありがとうございます。
検証は大事ということで、私も数え上げてみました。「エクセル」を使ってですが……^^;
●Aチームの得点の組み合わせ数(8通り)
3+(0+0+0)=3
3+(0+0+1)=4
3+(0+1+0)=4
3+(0+1+1)=5
3+(1+0+0)=4
3+(1+0+1)=5
3+(1+1+0)=5
3+(1+1+1)=6
●Bチームの得点の組み合わせ数(4通り)
4+(0+0)=4
4+(0+1)=5
4+(1+0)=5
4+(1+1)=6
全組み合わせは32通りしかありませんので、すべての組み合わせを表にしました。「エクセル」のA列に、Aチームの8通りの得点を入力して、4回コピー&ペースト。Bチームは、B列に「4」を8個、「5」を8個×2、「6」を8個入力。C列に「=IF(A1>B1,"勝ち","")としてカウント。Aチームが勝った回数は6回。つまり、6/32、約分して、答えは「3/16」で間違いないようです。
まるはさんの書き込みに口を挟むようで申し訳ないですが、おそらく、まるはさんの検証はA、B両チームが同じ赤白帽の並びであるときを調べたのではと考えています。
A、Bの帽子の並びはランダムで、同じ並びにならないこともありますので上の解説のように、求める確率は3/16になります…ま、こんなに書いていますが、私も答えは出せませんでした。
ガスコンさん藤崎さんありがとうございました。そしてすいませんでした。藤崎さんにご指摘いただいて自分が題意を誤解していたとわかりました。皆さんに検証していただいたり指摘していただいたりで、いらない時間を使わせてしまい本当にすみませんでした。