■コマ大数学科:ザッツ数雑!美しき最強ペア決定戦!!

 今回の「たけしのコマ大数学科」は、1時間の特別番組。東大医学部3年コンビ「秒殺シスターズ」の衛藤樹さん、伊藤理恵さん、「悩殺シスターズ」の生駒尚子さん(東大文二2年)、小橋りささん(東大理一2年)、コンビ初結成「フェアリーエンジェルズ」の岡本麻希さん(東大文三2年)、山田茜さん(東大文三1年)、そして、木村美紀(東大大学院 薬学研究科1年)と、スペシャルゲスト、八田亜矢子(東大卒・タレント)の「ドリームガールズ」、迎え撃つのは、閃きの天才、マス北野とポヌ・ジョジアヌさんの覆面コンビ「MP砲」^^;

 はたして、どのチームが「美しき最強ペア」に輝くのか……。

対戦を開始するにあたり、コマ大校歌斉唱(作詞:ダンカン/作曲:グレート義太夫)。

♪西に仰ぐはピタゴラス
東に求るフィボナッチ
今日は黄金比 明日はハノイの塔
一致団結 獅子奮迅
おおコマ大 我らがコマ大
糠に釘♪

第1ラウンドは、数雑(数学の雑学)がたっぷりの早押しバトルから!

ROUND1
知って得する、なるほど数雑バトル(早押し)

 答えの欄をクリックして、答えを入力してから、右の赤いボタンを押してね。答えが数字の場合は、半角数字じゃないと、正解にならない;; ちなみに、早押しで正解したのは、第1問:木村美紀、第2問:衛藤樹さん、第3問:マス北野、第4問:八田亜矢子、第5問:小橋りささんだった。

知って得する、なるほど数雑バトル(三択問題)

 ラウンド1「数雑バトル」の最終問題(第10問)は、韓国からジョンフンが出題。ヒントは「僕です」。ジョンフンは、ソウル大学医学部歯学科に在籍していた。

 というわけで、ここまでの各チームの得点は以下のような結果になった。

ROUND1得点表

ROUND2
乗せて量ってヒラメキ天秤バトル

 ラウンド2「乗せて量ってヒラメキ天秤バトル」は、トーナメント形式で争われた。得点順とじゃんけんで決まったトーナメント表は以下のとおり。

ROUND2トーナメント表

 対戦ごとに全4問(早押し)が出されたのだけれど、すべて天秤を釣り合うようにするには「オモリ」をどのように乗せたらいいか? というもの。いちいち問題を作るのも手間なので、自分で問題を作成し、自分で解いてほしい。

第11問:左の皿に「110g」を乗せる
第12問:左の皿に「101g」を乗せる
第13問:左の皿に「16g」を乗せる
第14問:左の皿に「49g」を乗せる

ROUND2得点表

 早押しのトーナメントなので、初戦で負けると、得点は「0」、「フェアリーエンジェルズ」と「MP砲」が敗退した。早押しトーナメントを制したのは「悩殺シスターズ」だ。

 さて、いよいよ、ファイナルラウンド。いつもの「コマ大数学科」のように、チームごとに難問に挑む。竹内薫センセと中村亨センセが、その解法の美しさも含め100点満点で採点する。

FINAL ROUND

問題:ON、OFFの2つの状態をもつ電球が、5行5列に並んでいる。各電球にはスイッチがついているが、ある電球のスイッチを切り替えると、その電球だけでなく、その電球と同じ行、または列にあり、その電球と隣り合っている電球の状態も、ONからOFFへ、またはOFFからONへと切り替わる。すべての電球がOFFになっている状態から、何度かスイッチを切り替えることにより、電球が1つだけ、ONになっている状態になった。このONになっている電球の位置としてありうるものをすべて求めよ。

※出題:第19回アジア太平洋数学オリンピック(2007年)

 電球をクリックするとON、OFFが切り替わる。ただ、やみくもにクリックしても、電球が1個だけ点灯している状態にするのは、なかなか難しい><;

解答1

 「本気であれば勝てる」と豪語していた伊藤理恵さんだったが、かなり苦戦している模様。「秒殺シスターズ」は13箇所も答えを出したが、説明を聞いても、その根拠がよくわからい。だって、「1つだけONになっている電球の位置をすべて求めよ」ということなので、回転を含めると、答えは必ず、対称的になるはずだからだ。

 生駒尚子さん、小橋りささんの「悩殺シスターズ」は、最終的に残るパターンを6種類とし、対称性にも注目して答えを出した。

解答2

 「フェアリーエンジェルズ」の岡本麻希さん、山田茜さんは、ひとつだけ電球がONになっている状態というのは、切り替えが奇数になっていることに着眼。切り替えが偶数回の電球は消える。3×3の状態では、十字型の5箇所となるが、それを5×5にあてはめると、3×3の中心部分が残るとした。

 木村美紀、八田亜矢子の「ドリームガールズ」も、3×3の最終状態を考え、それを5×5のマスに置いて考える方法を取ったが、答えは違ったものになった。

解答3

 最後は、マス北野とポヌさんコンビの「MP砲」の答え。マス北野は「軍団の力技を見せてやる」と問題用紙をハサミで切り抜き、色をつけて、実際に検証した結果、このようになった。

 さて、正解の発表だが、我らがコマ大数学研究会は、2009年3月に廃校となる、千葉県香取市立澤小学校を訪れ、25人の生徒たちを5×5のマス目に並べ、名前を呼んだ者が起立する方法で検証。その生徒の前後左右に座っている生徒も立ち上がるという人海戦術だ。

正解

 2008年最後の講義となった「美しき数学の時間」。やはり、3×3のマス目で考える。パターン1~3までは、すべてOFFの状態から電球がついている場所をクリックしていくと、電球が点灯している場所になる。この3つのパターンを重ね合せる(電球がONを「1」、OFFを「0」としてXOR(排他的論理和)をとる)と、すべての電球が消えてしまう。パターン4は、中心を一度クリックしたときのパターンだ。パターン1、3、4を重ねてXORをとると、中心の電球だけが点灯する。

解説1

 これを5×5に拡張して考える。パターン1は、5×5の4隅をクリックした場合。パターン2は、4隅を除き、5×5の周囲をクリックしていった場合の最後の状態。この2パターンを合成(ORをとる)と、点灯していない箇所が5つ残る。偶奇性に着目すると、この5箇所は、周囲の性質と異なり、最後に1つだけONになる可能性がある。

解説2

 では、実際に電球を1つだけ点灯させる状態にするには、どーすればいいか。数字のついた電球をクリックしていってみよう。便宜的に数字を振ってあるが、順番は関係ない。左図は、90度ずつの回転を含めると4箇所、それに、真ん中のひとつを加えて、5箇所だ。

解説3

 というわけで、最終的な得点は、以下のようになった。

FINAL得点表

 ファイナルラウンドで正解5箇所中、4箇所を当て、偶奇性にも着目していた、岡本麻希さん、山田茜さんの「フェアリーエンジェルズ」が「90点」を獲得し、2位の生駒尚子さん、小橋りささんの「悩殺シスターズ」を僅差で破り、みごと「最強ペア」の座を栄冠を勝ち取った。

 最後に、今年、この「ガスコン研究所」を訪れてくれた人に感謝! よいお年を!!

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※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト