■コマネチ大学数学科115講:頂点

 「数学の定理とかけて、戸部洋子と解く、そのココロは、どちらも美しい」「山田く~ん、座布団…」それは、パフパフ「笑点」だ~よ♪ という、オープニングで「有頂天」な戸部アナだが「たけしのコマ大数学科」のお題は「頂点」。

問題:正9角形の3つの頂点を結んでできる三角形のうち、鈍角三角形、鋭角三角形は、それぞれ、いくつあるか?

【遊び方】[Clear]ボタンを押して、正9角形の頂点のどれか3つをクリックすると、三角形が描かれる。鋭角三角形と鈍角三角形がいくつあるか、検証するときに使ってほしい。画面を消すときは、再び[Clear]ボタンを押してね。

 コマ大数学研究会は、9つのポールにさまざまな色のテープを結んで、鈍角三角形と鋭角三角形を数える。虹色のオブジェが作成され、今回は「コマ大芸術研究会」といった様子。検証の結果は「鋭角三角形30個、鈍角三角形53個」という結果になった。

 マス北野とポヌさんコンビは、正9角形は、頂点の数が奇数なので、直角三角形になる(対角線が円の直径)になることはないので、「鈍角三角形の数+鋭角三角形の数が正9角形の頂点を結ぶすべての三角形の数になる」としたところまではよかったが、「鋭角三角形30個、鈍角三角形90個」という答えになった。どうやら、重複する三角形も数えてしまったようだ。

 木村美紀と岡本麻希さんの「野望めらめらシスターズ」は、正9角形の中でできる、鈍角三角形と鋭角三角形のパターンを数え上げ、個数を出した。

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 さらに、全組み合わせ数(84個)を計算で出し、数えモレがないことを確認した。というわけで、正解は、鋭角三角形30個、鈍角三角形54個。

 中村亨センセの「美しき数学の時間」では、ちょっと変わった解法を紹介してくれた。

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 頂点のひとつ(0)を起点として左回りに三角形を作るとき、次の頂点(x)が5以上になると、鋭角三角形にはならないので「1≦x≦4」、同様に(y)の範囲は「5≦y≦8」になる。で、3番目の条件は、xとyの差(距離)が4より大きくなってしまうと、鋭角にならないということ。つまり、三角形の各辺が半円を超えちゃダメとゆーことね。これをグラフで表す。

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 3つの条件を満たすのが、図の重なった部分。(x,y)は整数なので、x,yが交差する点(格子点)の数は、10個になる。正9角形のすべての頂点で10個の鋭角三角形を作ることができるが、重複する三角形が含まれているので、鋭角三角形の数は、(9×10)÷3=30個となる。全組み合わせの84個から30個を引けば、鈍角三角形は54個となる。

 これは、ヘルマン・ミンコフスキー(1864~1909年)というユダヤ系ドイツ人の数学者が、整数論の研究の中で考えたそうで、「数(すう)の幾何学」と呼ばれているらしい。中村亨センセは、あの「ケーニヒスベルクの橋」で有名なところで生まれたと言っていたが、Wikipediaによると、1864年にロシアで生まれ、1872年にケーニヒスベルクへ移住したみたいだ。

 それにしても、こんな解き方もあるのか…と「美しき数学の時間」を堪能させてもらった。幾何図形を格子点で考えるという点で爺は、以前にやった「ピックの定理」を思い出した。

コマネチ大学数学科66講:ピックの定理

Flash:ピックの定理

 番組では、解説がカットされていたけれど、中村亨センセの板書きには、正n角形の場合の鋭角三角形、鈍角三角形の求め方が書いてあった。

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※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト


“■コマネチ大学数学科115講:頂点” への2件の返信

  1. たけしのコマ大数学科#115

    たけしのコマ大数学科#115(番組的には112回?)
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2008年12月11日 深夜OA
     
    今回のテーマは、
    「頂点」
     
     
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  2. 椙山大学の過去問に「正19角形の頂点3つを結んでできる鋭角三角形はいくつあるか」というものがあり、苦労しました。
    私は19C3-19*(10C3-9C3)=285と求めましたが、、中村亨センセの解法には驚きました。
    私の解法だと正9角形の鈍角三角形は
    9(5C3-4C3)=54と求められるのでどうやら正しそうです。
    一般化すると、nが奇数のとき鈍角三角形の個数はn[{(n+1)/2}C3-{(n-1)/2}C3]ですね。
    たいへん勉強になりました。ありがとうございました。

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