■書籍:あっという間のエクセル術

あっという間のエクセル術
あっという間のエクセル術

金矢八十男/著
学研M文庫 知の法則シリーズ
680円(税込)

サイズ:文庫 200頁
ISBN:4059020818
刊行日:2008/11/21

「ガスコン研究所」の爺が書いた本が出たので、ちょっと宣伝。意外と知らないエクセルの便利技を簡潔にまとめた本。文庫なので、持ち運びが楽なモバイルサイズ。通勤電車の移動時間、ちょっと一息のコーヒータイム、トイレの中でも、いつでもどこでも、すぐに読めて、すぐにわかる……というのが本書のウリ。

 たとえば、平均値は「合計÷項数」で求めることができるけれど「AVERAGE関数」を知っていれば、もっと簡単に求めることができる。それでは、お盆にクルマで帰省したとき、行きは平均時速60キロ、帰りは渋滞に巻き込まれ、平均時速40キロだったときの、行き帰りの平均時速を求めよ、という問題だったらどうだろう?

平均時速

 平均時速というのは「移動した距離÷かかった時間」なので、平均時速を求めるのに「(60+40)÷2」で平均時速50キロとするのは、あきらかに間違い。移動距離を仮に120キロとした場合、行きに要した時間は「距離÷平均時速」なので「120÷60」で2時間、帰りに要した時間は「120÷40」で3時間だ。往復の距離は「120×2」で240キロなので、これを往復にかかった時間「2+3=5」で割ると、「240÷5」で、平均時速は48キロになる。移動距離は任意に変更しても成り立つ。

 この問題では、移動距離、所要時間が特定されていないが、このような場合、「HARMEAN(調和平均)関数」を知っていると、「=HARMEAN(60,40)」で、往復の平均時速は「48キロ」になることが、すぐに求めることができる。

 もうひとつ、エクセルのおもしろい機能を紹介しよう。それは、この「ガスコン研究所」の過去記事「コマネチ大学数学科30講:ディオファントス」でも紹介した、ディオファントスの墓碑に記された問題だ。

 ディオファントスの墓碑には「彼は、生涯の1/6の少年時代を過ごし、生涯の1/12はヒゲをたくわえた青年期を過ごした。生涯の1/7を経て妻をめとり、5年後に息子を授かった。しかし、息子は父親の生涯の半分を生きただけだった。息子の死後4年、彼も生涯を閉じた」と記されているという。はたして、ディオファントスは何歳まで生きたのか?

 なんとも、ややこしいが、この問題は、ディオファントスの生涯年齢を「x」とした、中学校で習う、一次方程式を立てれば、解くことができる。でも、爺は計算が苦手である。爺と同じように計算が苦手な人のため「エクセル」がある。

 とりあえず、ディオファントスの生涯年齢はわからないものとして、得られた情報を「エクセル」で表に列挙する。ここで、この計算が成立するためには、ディオファントスの生涯年齢はいくつであればいいのか「ゴールシーク」で求めてみよう。

G_m02

「ゴールシーク」は、計算結果が「目標値」になるように、指定したセルの値を変化させ、答えを見つける機能。

G_m03

というわけで、「エクセル」が答えを見つけてくれた。ディオファントスは「84歳」まで生きたらしい。

あっという間のエクセル術
あっという間のエクセル術

金矢八十男/著
学研M文庫 知の法則シリーズ
680円(税込)

サイズ:文庫 200頁
ISBN:4059020818
刊行日:2008/11/21


“■書籍:あっという間のエクセル術” への1件の返信

  1. 出版おめでとうございます。
    エクセルの関数はおもしろいですよねぇ。
    HARMEANは知りませんでした。
    というかほとんど知らないです
    とりあえず説明も読まずに使ってみて、
    なるほど!こういうことか!
    と推測してから説明を見て正解不正解を楽しんでます(笑)
    エクセル自体も好きですね。
    考え方が伝わっている脳内の数学(?)もエクセルで書いてもらうと縦・横・シートの使い方が違ったり。
    関数の順番も異なる。
    結果は同じでも脳内は違うんだなぁと思ったりします。
    この人はこの順番で計算するタイプと予想して当たると楽しいです。
    ディオファントスの問題は知りませんでした。
    その問題をマミタソ関数に入力すると
    ディオファントスは中学には行っていない。又は不良でパンチパーマ。
    ディオファントスはできちゃった婚ではない。計画的な人。
    本当の息子かはちょっと怪しい。
    と出ました(アホですみません。。。)

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