■海外ドラマ:NUMB3RS~天才数学者の事件ファイル

 FOXTVで「NUMB3RS~天才数学者の事件ファイル」シーズン2のスタートに先立って、シーズン1を連日放送している。この番組がじつにおもしろい^^;

Numb3rs

 第6話では、「リーマン予想」が登場する。20世紀終盤に「フェルマーの予想」も「ポアンカレの予想」も解かれ、「フェルマーの定理」(ワイルズの定理と呼ぶべきか)、「ポアンカレの定理」(こちらも、ペレルマンの定理と呼ぶべきかも)となったが、「リーマン予想」は現在も解かれてはおらず、「予想」のままだ。

 「NUMB3RS」をご存じない方は、「FOX CHANNEL」のサイトをどうぞ。

 で、第6話の内容だが、「リーマン予想」が解けそうだという数学者(博士号もなく、あまり裕福ではない)の娘が誘拐される。「リーマン予想」はミレニアム懸賞問題のひとつで、懸賞金は100万ドルだが、誘拐犯の目的は、獲れてもいない懸賞金目当てではない(論文を発表しても、1年間は検証期間で、懸賞金は支払われない)。RSA暗号は、素数を使って、ふたつの鍵を作るが、「リーマン予想」を解くことは、リーマンの素数公式により、RSA暗号の鍵を解く鍵になるらしい(爺には、なんのことか、さっぱりわからない;;)。

 誘拐犯の目的は、RSA暗号の鍵を解くアルゴリズムを手に入れること。貧乏数学者の財産目当てではなく、みんなの財産が狙い。ただし、特定の金融機関をハッキングしたり、特定の投資をして儲けたのでは、足が付く。そこで、誘拐犯グループ(学術誌の論文評価メンバーのひとりや、ハッカーたち)は、連邦準備理事会(FRB)の金利を決定する情報を前もって入手できれば、幅広く投資ができて、足が付かないと考える。プライムレート(prime rate:短期貸付金利)と、素数(prime)は、たんなる語呂合わせではなく、金融と数の「素」となるものの意味だと思う^^;

 で、「リーマン予想」に関しては、主人公のリッチーが、その数学者の誤りに気付き、結局、解けないのだが、犯人グループの目的が連邦準備理事会(FRB)の情報だということに気付き、犯人グループに特定のサイトだけに通用する偽のアルゴリズムを渡し、そのサイトを監視する。この辺は、WINNYの摘発のため、京都府警がとった手法を彷彿させる。WINNYは、情報をたらい回しにするため、特定の個人を特定するのは困難だが、京都府警は、特定のIP以外のアクセスをふるいにかけることで、個人を特定することができた。この番組では、偽の鍵を利用してアクセスしたIPを特定するのだ。

 「NUMB3RS」の日本版DVDは、現時点(8月28日)で、アマゾンで予約可能なものの、まだ発売されていない。

Numbers02
数学で犯罪を解決する
キース・デブリン/著
ゲーリー・ローデン/著
山形 浩生/翻訳
守岡 桜/翻訳
ダイヤモンド社
(2008年4月刊)

 「数学で事件を解決する」は「NUMB3RS」から生まれた本だ。残念ながら、爺はまだ読んでいない。小島寛之センセの評が参考になると思う。

hiroyukikojimaの日記:数学推理もの

 ところで、話は変わるが、日本で数学者(物理学者)を主人公にしたドラマと言えば「ガリレオ」だろう。

Galileo_01

「ガリレオ」オリジナル・サウンド・トラック

 こちらも、警察に協力して事件を解決するのだが、おもに、人体自然発火や幽体離脱、ポルターガイストといったオカルト現象を物理的に解明するドラマだ。

 映画「容疑者Xの献身」の封切に合わせ、関東圏のみかもしれないが、連日、2話分ずつ再放送をしている。ここ数日は、FOXの「NUMBERS」、フジテレビの「ガリレオ」をハシゴして観ている状態だ^^; これが、じつにおもしろい!

Galileo_02
探偵ガリレオ
東野圭吾/著
文春文庫
570円(税込)

Galileo_03
容疑者Xの献身
東野圭吾/著
文春文庫
660円(税込)


“■海外ドラマ:NUMB3RS~天才数学者の事件ファイル” への1件の返信

  1.  記事中で「映画の封切に合わせて」と書きましたが、封切は10月4日でした。正しくは「映画化決定に合わせて」と書くべきでした><;
     TVドラマ「ガリレオ」では、原作「探偵ガリレオ」には、登場しない、内海薫(柴咲コウ)を登場させ、主人公の物理学者、湯川学(ガリレオ:福山雅治)との掛け合いが、じつに、おもしろく、いい感じなのですが、原作との違いは多々あります。
     映画「容疑者Xの献身」のキャストに関しては、もちろん、内海薫(柴咲コウ)も登場しますが、原作のイメージからいくと、天才数学者、石神哲哉は、堤真一ではなく、むしろ、工藤邦明役のダンカンなんですよね。爺の勝手な妄想としては、石神哲哉(ダンカン)、工藤邦明(堤真一)なのですが、これでは映画的には「ありえな~い!」ということなのでしょうね^^;
     堤真一は、TVドラマ「やまとなでしこ」でも、MITに留学するも、挫折して帰国、実家の魚屋を手伝う、貧乏数学者を演じていたけれど、どうみても、カッコイイ。もしも、この数学者をドランク・ドラゴンの塚地武雅が演じていれば、恋愛ドラマとして成り立たないよね、理不尽だけれど……。また、爺の趣味で言えば、ヒロインの桜子(松嶋奈々子)は好きになれない……。誰も爺の趣味は聞いていません><;

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