■コマネチ大学数学科101講:魔方陣

 「♪子供たちが~空に向かい~両手を広げ……あとは~哀しみを持てあます~魔方陣♪」って、1979年のヒット曲「異邦人」をもじってみたが、若い人には、なんのことやら「たけしのコマ大数学科」。

問題:1~16までの数字を入れて魔方陣を完成させよ! また、完成した魔方陣の特徴をできるだけ挙げよ!

【遊び方】「0」の数字をダブルクリックして、キーボードから数字を入力し、縦横斜めの各列の合計を同じにする。

 コマ大数学研究会は、「魔方陣」ということで、「タイガー魔法瓶」のショールーム(?)を訪れた。いつもは身体を張った検証だが、さすがに夏まっさかり、外でのロケは辛い。今回は、広報担当者と、ふつうに紙とエンピツで魔方陣を解く^^; 問題は、特徴をどれだけ挙げられるかだが、広報担当者が法則を見つけると、そのぶん、広報タイムを得られるという、ありがちな展開。

 魔方陣の答えは、コマ大数学研究会、マス北野&ポヌさん、東大「悩殺シスターズ」の小橋りささん、生駒尚子さんの答えも同じ、全員正解だった。ただし、「悩殺シスターズ」は、2通りの解を示した。

 ここでは、「悩殺シスターズ」の解法に絞り、説明していこうと思う。魔方陣は、縦横斜めの数字の合計が同じになるので、1~16までの数字を全部足し、それを4で割った数になる。1+2+3+……+15+16=136、136÷4=34だ。爺は、(1+16)+(2+15)=34と計算した(どうせ、合計を4で割るのだから、最初から4個の数字だけを合計した)。

(※これも、Flashなので、数字を入れて確かめることができる)

 斜めの左上の「a」には、「a+10+7+1=34」なので、「a=34-(10+7+1)」で、必然的に「16」が入る。すると、「e+i=9」「b+g=9」使用していない数字のうち、2つの数を足して「9」になるのは、「3+6」と「4+5」。いっぽう、「g+h=18」「i+j=18」であるから、もし「g=3」の場合「h=15」となってしまい、すでに使われている。同様に「i=3」とした場合も「j=15」になってしまうので、「b」または「e」に「3」が入ることは間違いない。

 じつは、「b」に「3」を入れる場合と、「e」に「3」を入れる場合で、2通りの解が生まれることを「悩殺シスターズ」は指摘。「b」か「e」に「3」を入れると、あとは芋蔓式に魔方陣の残りのマス目が埋まっていく。

 さて、魔方陣の特徴だが、縦横斜めの合計が同じになるのが魔方陣。だけど、他にもこんな特徴が……。

 上のFlashは、小橋りささんと生駒尚子さんが見つけた、魔方陣の特徴。この他にも、どの行をとっても列ごとの差が同じというのがある。たとえば、左上の「16」と右上の「13」の差は「3」だが、「5」と「8」の差も「3」といった具合。

 竹内薫センセの「美しき数学の時間」。「2×2」マスの魔方陣は存在しない。「3×3」の魔方陣は、回転、鏡像を除くと、1通り。「4×4」の魔方陣の数は、880通りある(レオンハルト・オイラーが数学的に示した)。

 また「美しき数学の時間」では、日本の季節を表す言葉「立春」だとか「大暑」など、「二十四節気」の漢字の画数による魔方陣を紹介していた。

※魔方陣に関連する過去記事
コマネチ大学数学科81講:展開図
「アルブレヒト・デューラー」の銅版画「メランコリア」に言及
コマネチ大学数学科59講:オイラー
オイラー方陣
第11回:アインシュタインに挑戦
アインシュタインが新聞に載せたという問題
六芒星のパズル
「コマネチ大学数学科」の問題ではないけれど……。

※コマネチ大学数学科の「過去問題」はこちらから。
コマネチ大学数学科:2006年度全講義リスト
コマネチ大学数学科:2007年度全講義リスト


“■コマネチ大学数学科101講:魔方陣” への4件の返信

  1. ご無沙汰しております。
    「♪ちょっと 振り分けて 
     みただけの 魔方陣~」
    「異邦人」がようつべにリンクされているなんて、洒落てますね。
    次回は100回記念。
    自分の振り番もこのままで通そうかなぁ。

  2. たけしのコマ大数学科#100

    たけしのコマ大数学科#100
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2008年7月24日 深夜OA
    今回のテーマは、
    「魔方陣」
     (※この記事では回数が100になっているが、
        番組的にはSPをカウントしていないので、99回目である。)…

  3. ガスコンさん、
    >「4×4」の魔方陣の数は、880通りある
    >(レオンハルト・オイラーが数学的に
    >示した)。
    オイラー先生ではないのでは?
    番組では竹内先生も880あると言った
    だけでしたので気になってググって
    いたのですが、どうも、日本名がでて
    こない\(^o^)/Bessyさんとかいう
    フランス人アマチュア数学者さんの
    ようなのですが?…
    http://mathworld.wolfram.com/MagicSquare.html
    ただ、「計算」したということだけみたい
    なので、
    「数学的にエレガントに証明した」のが
    オイラー先生ということなんでしょうか?
    うーむ….

  4. >シャブリさま
    「久保田早紀」と言えば、後世に残るヒット曲「異邦人」とアルバム1枚を残し、忽然と消えたイメージがあるのですが、現在も「久米小百合」として活動しているみたいですね。爺には、あやしげな企業のCMに起用されたこともあるという記憶も……。なんといっても「YouTube」にアップされた当時の動画を見ていても、目線がどことなく、いっているような感じもします。ま、そんなミステリアスなところ、とゆーか、あやうさを感じさせるところが、また「久保田早紀」の魅力なのかもしれませんね^^;
    >kimballさま
    すまそん。「4×4」の魔方陣の数は、880通りある(レオンハルト・オイラーが数学的に示した)というのは、「巨匠の傑作パズルベスト100」(伴田良輔/著)に書かれていたことの受け売りです。
    アルブレヒト・デューラーが銅版画メランコリアを描いたのが1514年。
    フレニクル・ド・ベッシー(Bernard Frenicle de Bessy, 1605-1675)
    レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler, 1707-1783)
    時系列からみると、ベッシーの功績をオイラーが紹介したというのが、ホントのところかも。
    このベッシーという人、フェルマー(1607?-1665)と同時代で書簡のやりとりもあったみたいですね。

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