■コマネチ大学数学科89講:デュードニー Part2

 前々回の「デュードニー」が難し過ぎたということで、今回は「デュードニーのパート2」に挑戦。お箸屋さんでバイトをしている生駒尚子さんと、コーヒーショップでバイトをしている、小箸…じゃない、小橋りささんを迎えての「たけしのコマ大数学科」

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出典:「巨匠の傑作パズルベスト100」伴田良輔・著

問題:正方形と直角二等辺三角形の2つの図形を、出来るだけ少ない回数でハサミで切り、断片を組み合わせて1つの大きな正方形を作りなさい。
※図形は余らせることなく全部使うこと。

 問題には、正方形と直角二等辺三角形の大きさは書かれていないが、どうやら、スタジオで出された問題用紙の正方形は1辺が15cm、直角二等辺三角形は、直角を挟む二辺の長さが7.5cmのようだ。

 竹内薫センセによると、直角二等辺三角形の大きさが違っても、基本的に「切り方」は同じということだが、実際にハサミを入れる場合は、面積を出さないと計算できない。

 コマ大数学研究会は、今回も、嵐の房総、金谷町でロケ(スタジオ収録も3本撮りで、ロケ費用も削減?)。縫製工場の縫い物名人の手を借り、正方形の布と三角形の布を裁断し、縫い合わせた。

コマ大数学研究会の答え

 あらら。ハサミを入れた回数は6回ということだったが、ちょっとたりない。スタジオの問題と、ロケの時に用意した、直角二等辺三角形の布の大きさに違いがあったようだ。図を作り直すのも面倒なので、ごめんなさい。

東大生チームの答え

 ハサミを入れた回数は2回。正方形と二等辺三角形の面積を足し、平方すると、大きい正方形の一辺の長さは、約「15.9」になることは、計算で求めたが、それよりも、正方形の一辺は「15」で、二等辺三角形の二辺の長さが、ちょうど半分の「7.5」であることから、最小手順で作図できた。

マス北野、ポヌさんの答え

 直角二等辺三角形を並べた形で切るので、ハサミを入れる回数は2回と主張。

竹内薫センセの「美しき数学の時間」

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 東大生チーム、マス北野ともに正解だが、今回の問題は、たまたま、正方形と直角二等辺三角形の二辺の長さの比率が半分だったが、直角二等辺三角形の大きさが違うと、東大生チームの方法は使えない。いっぽう、マス北野の方法は、直角二等辺三角形の大きさが違っても、基本的な考え方は同じ。一般化した解ということで、マス北野、ポヌさんチームがコマネチ・フィールズ賞を獲得した。


(※黒板消しをドラッグして動かしてみてね)

 上のFlashは、正方形の一辺の長さを「10」として計算している。切り取り線の直角になる位置だが、やっかいな平方根の計算をする必要はなく、直角二等辺三角形の底辺の長さの(1/2)を取ればいいということに気づいた。また、寸法がわからない図形でも、大工さんの使う「金尺」や、三角定規がひとつあれば、切り取り線を作図できるということだね。
(※上のFlashのダウンロード:comaneci89.zip

 マス北野ご満悦の弁だが、「平成教育委員会で『5倍の面積を持つ正方形を描く』問題が参考になった」とのこと。

 ちなみに、5月3日に放映された「平成教育委員会」の問題は「1辺が1の正方形の5倍の面積を持つ正方形を描きなさい。ただし、使えるのは定規のみ」

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 面積が「5」の正方形の一辺の長さは「√5」。これに気づけば、あとは√5になる箇所を見つけるだけだ。正方形の各辺を延長し、2倍になる長さの点をつなぐ。

 ところで、今回の問題の出典元「巨匠の傑作パズルベスト100」という本、読みたい本としてメモってたんだよね。これを機にアマゾンで注文しよっと^^;

巨匠の傑作パズルベスト100
巨匠の傑作パズルベスト100
(文春新書 615)

伴田 良輔・著
767円(税込)


追記:5月18日
「amazon」に注文した「巨匠の傑作パズルベスト100」が届いた。今回の問題、どうも私の頭の中で「スッキリしないもの」がある。それは、問題図に図形の具体的な寸法を書いていないこと。それにも関わらず、切り取り線を作図するとき、切り取り線が直角になる位置を割り出すのに、寸法を測り、計算で求めているからだ。

出典元の「巨匠の傑作パズルベスト100」から引用/*

 ある指物師が、絵のような正方形と直角二等辺三角形の2枚の板きれを持っていた。彼はできるだけ少ない回数だけ板を切って、また材料に無駄も出さずに、さらに大きな正方形のテーブルトップを作りたいと思った。
 さて、彼は2枚の板をどのように切り、どのように組み合わせればいいか?

*/引用終わり

で、ヒントとして「2枚の板をメジャーで測る必要はない」とある。

 しかし、解答編を見ると、「三角形の最大の辺の(1/2)の長さで、AC上にABをとる」とある。

測ってんじゃん!

 コマ大の問題は、板ではなく、折り紙をハサミで切るだけなので、私は、以下のようにして自分を納得させることにした。

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折り紙ならば、二つ折りにして直角二等辺三角形の底辺の中点を見つけることができるからね^^;


“■コマネチ大学数学科89講:デュードニー Part2” への3件の返信

  1. たけしのコマ大数学科#88

    たけしのコマ大数学科
    #88
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2008年5月15日 深夜OA
     
     
    今回のテーマは、
    「デュードニー Part2」
     
     
    【New!! DVD】

    けしのコマ大数学科DVDBOX 1
    ¥5,284
    【定番本】
    コマ大…

  2.  今回の問題は久しぶりに「ひらめいて」解くことができました。今回の問題はいわゆる「三平方の定理」の証明として使われる図形から考えれば分かりました。
     追記で書かれている本の内容についてですが「2枚の板をメジャーで測る必要はない」という文は「2枚の板の寸法を何センチ何ミリと詳しく知る必要はない」という意味だと思います。今回の竹内先生の話しで言うところの「2つの図形の大きさを知らなくても解ける」ということでしょう。
     最近この手の問題で新しいものが少ないことを残念に思っている今日この頃です。

  3. 藤崎さん、コメントありがとうございます。
    私も、試行錯誤をしながら、たどり着いた結論は「ピタゴラスの三平方の定理」から、説明をすれば「酔い」ではなく、「良い」ということです。
    直角二等辺三角形の特徴として、直角の頂点から底辺に垂線を降ろし、2分割し、組み合わせると正方形になりますよね。なぜ、直角二等辺三角形の一番長い底辺の(1/2)を取るかといえば、「ピタゴラスの三平方の定理」なわけです。ひし形の面積(特殊な場合として正方形が含まれる)を求めるのは、「対角線×対角線÷2」ですが、直角二等辺三角形の場合は「底辺×底辺÷4」で求めることができます。
    番組の竹内薫センセの解説は、順序が逆。「これを使えば、ピタゴラスの三平方の定理も証明できるのです」ではなく、三平方の定理から説明すれば、よかったなぁ、と感じるのです。竹内センセは番組内で、具体的に、一辺が「4」、直角を挟む辺の長さが「1」として、新しく作る正方形の辺の長さを「√17」として計算していました。
    この問題の要は、具体的な寸法を出さないことだと思うのです。オリジナルの問題にある「指物師」は、細木細工など、釘などを使わず、木片を組み合わせて製品を作る職人です。緻密な計算と確かな技術が要求されます。なので、指物師ならば、直角を測れる「金尺」を当然、持っているはずです。この「金尺」を持っていれば、板の寸法を測ることなく、また、板の大きさにカンケーなく、解決できるのだよ(ピタゴラスの三平方の定理によって)、という点を強調して欲しかったというのが、私の感想です(もちろん、直角定規がない場合は、このように計算で求めることも可能という説明ならば、納得^^; その際は、なぜ直角二等辺三角形の底辺の長さの(1/2)とするのかを説明する)。
    「巨匠の傑作パズルベスト100」の解答で「最大の辺(CD)の長さの(1/2)の長さで、AC上にABをとる」という説明(図がないので、わからないと思うけれど;;)は、この問題のすばらしさを矮小化していると思うのです。

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