■コマネチ大学数学科87講:デュードニー

 私は、てっきり、東大理Ⅲコンビ(衛藤樹さん、伊藤理恵さん)と、東大獅子座A型コンビ(小橋りささん、生駒尚子さん)が交代で出演するのかと思っていたら、今回もフレッシュな新入生が登場。あらら、なにやら見慣れた人が……「たけしのコマ大数学科」。

Comaneci87

ヒント1:ハサミを入れるのは3回。
ヒント2:正三角形の面積から正方形の1辺の長さを求める。
ヒント3:直角を4つ作る。
ヒント4:正三角形の辺の中点に注目する。

 というわけで、涙を流して卒業したはずの、木村美紀さんが東大の大学院1年生になり、コマ大に再入学。お相手は、東大文Ⅲの1年生、山田茜さん。こちらは、ほっかほかの新入生だ。

 今回は、コマ大数学研究会もスタジオで挑戦。超難問のパズルということで、マス北野、東大生も苦戦する。竹内薫センセからは、断片のひとつ(パズルの1ピース)がヒントとして出された。

「誰が正方形に近いかということですよね。こうなってくると…」と竹内センセ。

 コマ大生は、かなり、いい線いっていた(考え方はあっていた)が、どういうわけか、正方形からちょこっと、はみ出た部分ができてしまった^^; マス北野は、いちばん正方形に近く、コマネチ・フィールズ賞を久しぶりに獲得。木村美紀さん、山田茜さんの東大生コンビは、正方形というには、少し無理があった。

 では、さっそく竹内薫センセの「美しき数学の時間」

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 作図の方法だが、じつは、今回の「デュードニーのパズル」、すでに過去記事「書籍:知性の織りなす数学美」で紹介してしまっていた。だから今回は、やることがないのら><; でも、あえて再掲載しておくね。

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 正三角形ABCの一辺の長さを「2」とする。頂点Aから、辺BCに対し垂線を引く。垂線を伸ばし、BE、CEと同じ「1」の長さをEFとする。AFは(√3+1)、AFの中点をGとする。AGの長さは(√3+1)/2、Gを中心に半径AGの円を描き、辺BCを伸ばした線と交差する点をH、Iとする。EHの長さが3の4乗根(正方形の一辺の長さ)になる。Eを中心に半径EHの円を描き、辺ACとの交点をJとする。JからBE、CEと同じ「1」の長さをとった点をKとする。Kから線分JEに対し垂線を引く。辺ABの中点をDとし、線分JEに対し垂線を引く。これで完成。

 D、E、Kの三箇所をハト目(自由に動く蝶つがいのようなもの)で繋げると、以下のFlashのような「デュードニーのカンタベリーパズル」になる。

竹内薫センセの「美しき蘊蓄(うんちく)の時間」(ちょっと、いい話)

 1833年、ボヤイとゲルウィーンという数学者によって「等積多角形の分割合同の定理」が出されていたが、実際にこれを確かめるのは容易ではなかったようだ。
≪メモ≫
ボヤイ・ファルカシュ(1775~1856)ハンガリーの数学者にして詩人。Wikipediaによると、ガウスの友人だったそうな。
ボヤイの定理:面積の等しい二つの多角形A,Bが存在したとき、Aを有限回分割し組み直すことで、Bと合同な図形を作ることが出来る(Wikipedia)

 ヘンリー・アーネスト・デュードニー(1857~1930)は、英国生まれ。お爺さんは、羊飼いから校長先生になったそうだが、家は裕福ではなく、13歳で公務員になる。しかし、後に結婚したアリス・ホイッティアは、ベストセラー作家で、生計は奥さんに頼っていたという話も。デュードニーは、ストランド・マガジン誌上で多くの作品を発表し、パズル作品集や意味のある単語を使用した覆面算など、パズル作家として名を馳せる。アーサー・コナン・ドイルとも交流があり、アメリカのパズル王、サム・ロイドとはケンカ別れをしたという逸話がある。1905年には、王立協会で、このパズルをデモンストレーションし、列席した数学者たちを驚かせたそうだ。


“■コマネチ大学数学科87講:デュードニー” への4件の返信

  1. たけしのコマ大数学科#86

    たけしのコマ大数学科#86
    (旧名称・たけしのコマネチ大学数学科)
    フジテレビ 2008年5月1日 深夜OA
     
     
    今回のテーマは、
    「デュードニー」
     
     
    【New!! DVD】
    たけしのコマ大数学科DVDBOX 1
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    コマ大数学科
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  2. 今回の問題は難しかった.
    細かいことですが,三平方を使わなくても
    方べきの定理を用いれば
    √(3)*1=x*x よりxは3の4乗根ですね.

  3. この図形変換の面白い点は、正三角形の時に辺を構成している線が、正方形の時にはすべて正方形内部に収まってしまう。別の言い方をすれば、正三角形と正方形の両方の辺の一部を構成する線分はない、ということですね。
    今回は2次元の図形の3点をつなげて裏返した場合ですが、同じようなことは3次元(8分割された立方体を辺でつなぎ、別の立方体に変換するなど)でもおき、A立方体をB立方体に変換するとき、Aを構成する面はB立方体を構成する面とは別の面が出てきます。
    (秋山仁先生が発表されていました。)
    図形がかけないのでうまく表現できず、申し訳ありません。

  4. ヌルハチさん、ちーかまさん、コメントありがとうございます。
    > A立方体をB立方体に変換するとき、Aを構成する面は
    > B立方体を構成する面とは別の面が出てきます。
    秋山仁センセの言うところの「カメレオン立体」ですね^^;
    「ちーかま」さんのハンドルネームを見て、お酒が飲みたくなりました^^; 「ちーかま」も好きですが、「ちーたら」も好きです。袋には「チーズと鱈(たら)の、おしゃれなおいしさ」とあります^^;
    数学とは、まったくカンケーのない話ですが、「カニかま」の擬態ぶりは驚愕です。「ナナフシ」のように木や葉っぱに擬態する昆虫がいますが、その擬態ぶりで、生き延びたように、「カニかま」も、その擬態の完成度によって、生き延びていくのではないかと考えます。
    とくに、酢醤油でいただくと、おいしゅうございます。

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