■コマネチ大学数学科85講:人工衛星

 しばらく、更新を怠っていたが、いよいよ、「たけしのコマネチ大学数学科」新学期のスタート。カテゴリーも3学年「コマネチ大学数学科3」にした。今回は、日本の国際宇宙ステーションの実験棟「きぼう」の成功を祝して、人工衛星の問題だ^^;

問題:地球の中心を同心円に描いて飛ぶ3機の人工衛星。3日間に1号機は地球を14周、2号機は6周、3号機は2周する。元旦の午前0時に3機が一直線に並んだ。次に地球の中心から一直線に並ぶのは、何月何日の何時?

我らが、コマ大数学研究会のメンバーは、地球ならぬ、吉田Pの後光が光る太陽を中心に、それぞれが、3日を3分としてシミュレート。なにやら「デジタルコマ大」というふれこみなのだが、いまいち意味不明^^; 検証結果は、元日の18時。

マス北野とポヌさんの答えは、「1月2日の午後5時」それぞれの速さの比を計算して、時計の長針と短針のように重なるポイントを考えた。

さて、新学期、新入生の東大理Ⅲコンビ、伊藤理恵さんと、衛藤 樹さんは、ガダルカナル・タカの新フレーズ「Docendo discimus(教えることによって学ぶ)」のかけ声でスタートした、まもなく、瞬時に答えを導き出した。まずは、伊藤理恵さんが解説、1周の長さを「x」とすると、1日に進む長さ(速さ)は、1号機が「14/3x」、2号機が「2x」、3号機が「2/3x」。1号機が2号機に追いつくのは、「x/((14/3)-2)x=3/8(日)」、1号機が3号機に追いつくのは、「x/((14/3)-(2/3))x=1/4(日)とした。ここで、衛藤 樹さんにバトンタッチ。1号機と2号機は、3/8日(9時間)ごと、1号機と3号機は、1/4日(6時間)ごとに重なる。つまり、3機が一直線に並ぶのは、「9」と「6」の最小公倍数、18時間後ということになる。答えは「元旦の午後6時」。

竹内薫センセの「美しき数学の時間」に行く前に、爺の解答^^;3日間で1号機は14周、2号機は6周、3号機は2周すると言うことは、それぞれが整数なので、少なくとも3日後(72時間後)には、3機は一直線上に並ぶ。で、「14」、「6」、「2」は、偶数で、「2」で割ることができるから、36時間後には、7周、3周、1周で、一直線上に並ぶことになる。ここで、1周期というのは、サインカーブの山と谷のワンセット。だから、36時間の半分、18時間の時点でも、3つの人工衛星は一直線上に並ぶというわけ。

竹内薫センセの「美しき数学の時間」では、東大理Ⅲチームのように、それぞれの人工衛星の速度から、それらが重なるポイントを求める計算式を紹介。でも、もっと、直感的に理解するには、時空図を描いてみれば、一目瞭然。人工衛星が1周(2π)の距離を進むと、距離はリセットされて「ゼロ」になる。それぞれの人工衛星の進んだ距離を時空図で表すと、下図のようになる。

それにしても、マス北野曰く「少年野球の試合に、メジャーリーグの選手を連れてきたような感じ」と言わしめた、東大理Ⅲコンビ、恐るべし^^;

≪今回制作したFlashのダウンロード≫
comaneci85.zip

※追記:4月21日

新学期から番組タイトルが「たけしのコマ大数学科」になった。で、書き忘れたのだけれど、DVDBOXが発売になったみたいだ。途中から番組を見始めた人や、コレクションとして持っていたい人には、うれしいかも。私は、いちおう録画したビデオがあるので、たぶん買わないつもりだが、特典の「コマ大ノート」は欲しい^^; 特典映像がどのくらい入っているのか気になるところだ。

Comadaidvd1
たけしのコマ大数学科 DVDBOX 1


“■コマネチ大学数学科85講:人工衛星” への4件の返信

  1. コマネチ大学入学

     あきとたつはコマネチ大学に入学することにした。  そして、2人の熾烈な戦いは、今、始まろうとしている!  ■コマネチ大学数学科85講:人工衛星  ●問題:地球の中心を同心円に描いて飛ぶ3機の人工衛星。3日間に1号機は地球を14周、2号機は6周、3号機は2周する。元旦の午前0時に3機が一直線に並んだ。次に地球の中心から一直線に並ぶのは、何月何日の何時?  ●解答  あき:解答時間1分 A.3日の午前0時 ×    たつ:解答時間5分 A.1/1 18時 ○    やはり圧倒的にたつが強い。 …

  2.  新学期あけましておめでとうございます(?)福岡では相変わらず2週間遅れの放送のようです。
     しばらく放送がなかったせいか今回の問題は頭が回らず解けませんでした。新入生の東大生二人はかなりの強敵のようです。ひらめき勝負のマス北野、そしてある意味真っ向勝負のコマ大チームにも更なる健闘を期待しています。

  3. 藤崎さん、コメントありがとうございます。
    直線を無限に伸びて接点を持たない線と定義すると、9時間後に3つの人工衛星は一直線上に並ぶようですね。ひとつの人工衛星は地球の反対側ですが……^^;
    この場合、地球の中心を接点とした「半直線」という言い方が正しいのかな……。
    バラエティ番組で数学を取り上げるとき、数学の厳密さをどこに置くかというのも、けっこう大変なのかもしれません。いきなり「半直線」なんて言葉が出てきたら、数学落ちこぼれの爺は、「なに、それ?」と思ってしまいますもの><;

コメントは受け付けていません。