■コマネチ大学数学科80講:虫食い算

 中国産の冷凍餃子に農薬などの殺虫剤成分が混入していた事件で食の安全が揺らいでいる。中国では収穫した穀物を保存する際にも、虫がつかないように殺虫剤を直接穀物に散布するところもあるそうな。虫も食わない野菜や穀物を我々は食べているかと思えば、ある聾学校や盲学校の給食に、ナメクジやハエが混入していた事件があった。昔、世間を騒がせた牛丼にカエルや、ラーメンにゴキブリなんて話もよく聞く。気がつかなければ虫を食ってしまったところ……え、虫食いってそーゆーことじゃないの「たけしのコマネチ大学数学科」話の枕が長すぎ><;

問題:図の□の中に0~9までの数字を1つずつ入れて和が2008になるとき、使わない数字を答えなさい。

【遊び方】枠をクリック(または[Tab]キーで移動)して数字を入力する。「+」キーを押すと計算する。一度入力した数字を変更するには、数字をダブルクリックしてほしい。

 問題を確認しておくと、□には0~9の数字が1つずつ入り、□は9個なので、1つだけ使わない数字が出る。どのような数字の入れ方をしても、数式を完成させるためには、使わない数字は変わらず、1つに定まる。それを証明せよということ。説明のため、□に[A]~[I]を振り分ける。番組とは違い、計算方向に振ってみた。

20080222_01

 1桁目[A],[B],[C]の3つの数を足したとき、最小は「0+1+2」で「5」、最大は「7+8+9」で「24」だ。1桁目の答えは「8」なので、3つの数の合計は「8」か「18」の2通りしかない。
0+1+2≦A+B+C≦7+8+9

 1桁目が繰り上がらない「8」の場合、2桁目[D],[E],[F]の合計は「10」か「20」のどちらか。1桁目が繰り上がる「18」の場合は、[D],[E],[F]の合計が「9」か「19」ということになる。
A+B+C=8のとき、D+E+F=10 または20
A+B+C=18のとき、D+E+F=9 または19

 3桁目も同様に桁上がりを考えると[G]+[H]は、「9」または「8」になる。

 [I]は、桁上がりを考えると「1」以外には考えられないので確定する。そこで、[A]+[B]+[C]と、[D]+[E]+[F]、[G]+[H]の組み合わせ、それに[I]=1を足した数を考える。

■[A]+[B]+[C]=8の場合

20080222_02

■[A]+[B]+[C]=18の場合

20080222_03

 0~9の10個の数字をすべて足すと「45」、そこから、[A]~[I]までの9個の数字の合計を引くと、使わなかった数になる。というわけで、答えは「8」

 今回、コマ大生チーム、マス北野、ポヌさんチーム、木村美紀さん、松江由紀子さんの東大生チーム、3チームとも答えは正解。なぜそうなるのかを証明した、東大生チームがコマネチ・フィールズ賞を獲得した。

 中村亨センセの「美しき数学の時間」では、もっと簡単な別の解法も紹介された。それは、数式の答え「2008」の各桁の数字を足し、9で割った余りに着目する。
2+0+0+8=10
10÷9で余りは「1」
0~9までの数の和は45で、9の倍数。
(※割り切れるときは「9」とする)
45-(使わない数字)÷9の余りも「1」になる。
9-(使わない数字)=1より、
使わない数字は「8」

≪参照≫Wikipedia「数字根」
/*引用
数字根(英: Digital root)とは、ある数値を表す数字を全て足し、結果の数値の数字を全て足し、というふうにしていき、最終的に得られる一桁の数字を指す。
例えば、65,536 の数字根は 7 である(6 + 5 + 5 + 3 + 6 = 25、2 + 5 = 7)。

引用終わり*/

(A+B+C)+(D+E+F)+(G+H)+(I)の数字根が「1」ならば、
(A+B+C+D+E+F+G+H+I)の数字根も「1」になる。
(A+B+C+D+E+F+G+H+I)+(?)=45なので、数字根は「9」
(9)-(?)=1 よって、(?)は「8」というわけ。

中村亨センセの講義では、過去の有名な虫食い算(覆面算)も紹介された。

■ヘンリー・アーネスト・デュードニー(1857~1930)の覆面算

【遊び方】文字をクリックして数字を入力。「+」ボタンで計算する。一度入力した数字の修正はダブルクリックで。灰色以外の同じ色の枠には同じ数字が入るようにする。

■東大工学部入試問題(1948年)

【遊び方】この問題をどうやってFlashにするか、悩んだ結果、こんなふうにしかできなかった;; たとえば、除数の「シウマ」は、計算式の中にも出てくるので、数式の答え「ネクマサテ」の「ク」は「1」だということがわかるよね。そこで画面下の「1」の「▼」を押し「ク」を選ぶと、画面上の文字「ク」はすべて「1」に置き換わる。つまり、このFlashは、計算をしているのではなく、たんに文字を数字に置き換えるだけ(※一度、置き換えると修正ができないので注意)。計算は自分で行ってね。では、なぜ、こんなFlashを作ったかと言えば、問題のカタカナは、0~9までの数字に対応している。しかし、文字はアイウエオ順でもなく、バラバラだ。ここに出題者の意図がある。0~9までの数字に正しく文字を対応させると、出題者のメッセージが……^^;

≪今回制作したFlashのダウンロード≫

comaneci80.zip
(※Flash8)

 圧縮ファイルを展開すると、今回制作した3つのFlashのソース、オブジェクト、ブラウザで表示するためのHTMLファイルが入っている。ソースはFlashを持っていないと見ることができないけれど、Flashがなくても、ローカルで遊ぶことはできるよ。

 もう、泥臭いスクリプトを通り越して、ぐだぐだの酩酊状態だ;; こんな爺を笑わば、笑え!(完全な開き直り^^;) 誰か~添削してくれ~><;


“■コマネチ大学数学科80講:虫食い算” への1件の返信

コメントは受け付けていません。