■コマネチ大学数学科70講:サイコロ

 「神はサイコロを振らない」とアインシュタインは言った。日本の神道では、八百万(やおよろず)の神がいて、あらゆるところに神は宿る。もちろんサイコロにも。これも神、あれも神、どこでも神、ユビキタス神なのだ。賽子(サイコロ)の「賽」は神への感謝を示す。だからと言って「賽銭」の代わりに「賽子」を投げてはいけない。賽子の出目は神のみぞ知る。人が知っていたら神様ではなく、如何様(イカサマ)と言う。どんだけ~、いかほどぉ~「たけしのコマネチ大学数学科」第70講。

問題:図の中央の出発点からスタートし、サイコロの出た目によって6方向に1つだけ進む。サイコロを3回振って、出発点に戻る確率を求めよ。

 コマ大数学研究会の面々は、「世界最速のサイコロ」を作っている「入曽精密」を訪問。なんでサイコロなのに「最速」なのか。じつは、この会社F1の部品とか作っているので、このネーミングになったみたいだ^^;

 サイコロの重心の偏りを限りなく減らし、空気抵抗を考え、角面の目の窪みの深さは10ミクロンの透かし彫り。この1辺12ミリ、チタン削り出しのサイコロが2つ、革袋に入れて、49,875円(税込)。コマ大数学研究会は、このサイコロを1個、24,900円で購入。

 サイコロに5万円も払えないというあなた。「世界最速のお箸」はいかが?
/* 引用
流れるような流線型のフォルムはF1をイメージし、横、斜め前、上、リアビュー等々、どの角度から見ても今にも走り出しそうな雰囲気を醸し出します。これに加え、本体と同素材の箸置きを“ゴール”としてご用意しました。ダイニングテーブルの上で2台のF1マシンがまさに競い合いながらゴールする瞬間を、ご再現頂けます。
*/引用終わり
 今なら「箸置き」もつけて、お値段、なんと87,000円……って、残念、「注文受付終了」だった^^;

 「土産にもらった~サイコロふたつ~♪手の中で振れば~またふりだしに~♪」と吉田拓郎の「落陽」を唄いながら、コマ大数学研究会よろしく、自分で作ったFlashで遊んでみるものの、意図的に「ふりだし」に戻るのは、容易ではない。でも、法則はすぐに見えてくる。

 第1投は、サイコロの出た目の方向へ進むだけなので、制限はない(6/6)。2投目は、図のオレンジの範囲から出てしまうと、3投目で「ふりだし」に戻れないので、オレンジの領域の周囲に沿って進むしかない。2通り(2/6)。そして、3投目は「ふりだし」へ戻る道しかないので(1/6)。答えは、(6/6)*(2/6)*(1/6)=(1/18)。

 「コマネチ大学数学科」としては、あまりにも簡単な問題だったため、マス北野とポヌさんは、「なにかウラがあるに違いない」と深読みし、結局、答えを間違えてしまった。コマ大数学研究会も「世界最速のサイコロ」を使ったにも関わらず、検証結果(43/215)で、答えは(1/5)になった。コマネチ・フィールズ賞は東大生チーム、木村美紀さん、松江由紀子さんが獲得した。

 竹内薫センセの「美しき数学の時間」では、一般に市販されているサイコロ(1の目だけが赤)の場合、1の目の窪みを大きくして、6の目との重量バランスが取れていると仮定すると、残り対面の組み合わせ「3と4」、「5と2」は、「4-3=1」、「5-2=3」となり、重量が軽い「5」の目が出やすいと説明(Wikipediaにも書いてあるけどね^^;)。乱数による動き「ランダムウォーク」(酔歩、乱歩)を1次元に適用すると、株価予測に使えたり(長期的な株価変動のグラフにランダム要素を加える)、ミクロな視点では、分子のブラウン運動になることに、ちらっと触れていた。

■今回制作したFlashムービーのダウンロード
comaneci70.zip(22KB)/Flash8


“■コマネチ大学数学科70講:サイコロ” への3件の返信

  1. コマネチ大学 #69

    コマネチ大学 #69
    たけしのコマネチ大学数学科#69  2007/12/06 深夜OA
     
     
    今回のテーマは、
    「サイコロ」
     
     
    【定番本】
    コマ大数学科
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  2. この週は、えらい簡単でしたねえ。
    ユビキタスは、「八百万」と訳すのがいいのではないかと以前から思ってました。

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