国際エミー賞の最終候補4作品に選ばれたけれど、残念ながら受賞を逃してしまった「たけしのコマネチ大学数学科」第69講。エミー賞の女神とは、赤い糸で結ばれてなかったのね。というわけで、今回は「運命の赤い糸」
問題:どこが交差しているかわからない、8本の赤い糸を男女8人がひとり2本ずつ選んで結ぶ。赤い糸が大きなひとつの輪になる確率を求めよ。
【遊び方】は続きを見てね。
(※クリックで拡大)
赤い糸の端をドラッグして、人物に重ねるんだけれど、完全に重ねちゃうと、うまくドロップできない;;また、このFlashでは、赤い糸をひとりで何本も選べちゃうけれど、そのへんは自己責任でお願いする;;赤い糸を選び終わると、人物をドラッグできるようになる。マウスで男女を動かし、大きな輪を作ることができれば成功というわけ。完成チェックは行っていないので、完成したからといって、何の褒美もない。やり直すときは、ブラウザのリロードボタンを押してね。
問題では「どこが交差しているかわからない」となっている(隠している)けど、このFlashでは、交差の状態が見えているので、糸を選ぶ段階で、円ができるような選び方をすることが可能だ。
もう一度確認しておくと、問題は、赤い糸をランダムに選んだとき、大きな輪ができる確率を求めること。
コマ大数学研究会は、いつものように体を張って検証だが、今回のロケは、美熟女同伴なので、楽しげだ。マス北野は、ヒラメキを発揮し、ほんの短時間でこの問題を解いてしまった。東大生チームは、組み合わせの数を検証しているうちにタイムアップ。
すべての組み合わせ数を考えていくと、難しい。竹内薫センセの「美しき数学の時間」では、以下のように説明。まず、片方(女性)のほうが、すでに赤い糸を選んでいる状態を考える。
![]() |
![]() 同様に2番目の人は、残り5本の中からどれかを選ぶことになるが、やはり(4番)を選ぶと大きな輪にはならない。選択肢は(4/5)になる。 |
![]() 続けて、3人目は、残り3本中、大きな輪になる選択肢は2本(2/3)。図では、最初にすでに他の人につながっている(1)を選ぶことも可能。しかし、最後の人に大きな輪にならない組み合わせを残すことはできないので、やはり、選択肢は(2/3)になる。 |
というわけで、答えは、(6/7)×(4/5)×(2/3)で、(48/105)、つまり(16/35)=約45.7%になる。マス北野、ポヌさんコンビがコマネチ・フィールズ賞を獲得した。
赤い糸が、n本の場合を一般化すると、
となるそうだ。このビックリマークが2つ並んだものは、「二乗階乗」と呼ぶらしい。ちなみに、この問題では、赤い糸が8本なので、n=8
※12月15日追記:ralgorithmさんの指摘(コメント参照)で間違いを発見。ホントだ。これじゃ計算が合わない><; 正しくは……
ということで、答えが出る。
竹内薫センセの「美しき数学の時間」では、さらに、今回のように赤い糸で1対1に対応しているものを交差したとき、「アミダくじ」と同じになること(置換)。ただし、紐の場合、重なり方が上を通っているか、下を通っているかでも違ってくる(組み紐の数学)。例として、ノーベル物理学賞の受賞者でもある「ポール・ディラック」(1902~1984)の問題を紹介していた。
「アミダくじ」と「紐」といえば、私が小さい頃、駄菓子屋さんで、飴がついた紐を引くというクジがあった。大きな飴や、小さな飴、色とりどりの飴があり、どの紐がどの飴につながっているのかわからない。お金を払い、紐を引っ張ると、当たりはずれがわかるわけ……と爺は感傷に浸るのであった(思いつきだけで書かないように;;)。
ソースを見られるのは、恥ずかしいけれど、運命の赤い糸を解きほぐす爺の苦悩ぶりを楽しみたい方は、以下のファイルをどうぞ^^;
■Flashファイルのダウンロード(comaneci69.zip:13KB)
comaneci69.fla (Flash8)
comaneci69.swf
comaneci69.html
コマネチ大学 #68
コマネチ大学 #68
たけしのコマネチ大学数学科#68 2007/11/22 深夜OA
今回のテーマは、
「運命の赤い糸」
【定番本】
コマ大数学科
特別集中講座
ビートたけし
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【New】
逆転発想力パズル
脳が目覚める
竹内薫 中村亨
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答えの解説の中に
6!!/7!!=6×5×4/7×5×3=16/35
という部分が出てくるが、16/35となっているから、単なる書き損じと思われますが、6!!は、6から2づつ引いたのをかけるから、6×4×2
ralgorithmさん、間違いの指摘、ありがとうございます。
記事の数式を修正しておきます。