■激突!ラジコンロックのキャラの変貌^^;

404 Blog Not Found:才能に関して知っておくべき二つのこと

2. 才能というのは、「ある」「ない」より、「育つ」「育たない」という側面が大きい

かつての漫画家というのはおしなべてそんな感じ。デビューしてから絵が「固まる」のには10年ぐらいかかっている。

まずは実例というわけで、恥ずかしながら、私が漫画家時代に描いた作品。

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これは、私がその昔、月刊少年マガジンで連載した「激突!ラジコンロック」という作品。主人公のライバルに「花形満」みたいな、大企業の御曹司というキャラが登場するのだけれど、小飼弾さんの言うとおり、1巻では前髪がちろっとだったのに、巻が進むにしたがって、前髪が成長していった^^;(1巻と9巻では、まるで別人だ><;)

私の感想では、これは「才能が育った」とゆーよりも、たんに描き続ける(たくさん描く)ことで熟練度が増したというだけだと思う。もちろん熟練度そのものを技能や才能と呼ぶこともできるわけだけど……。「才能」という言葉に皆が抱くのは「キャパシティー」という意味合いが強いのではないかと思う。

私自身は自分の「才能」の限界を感じた。漫画家になるよりも、それを一生の仕事として続けていくほうがよっぽど難しい。

で、そもそもこの話題の発端は、
たけくまメモ:フジでオマイラキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

才能にもいろいろな種類があるので、ひとつのジャンルでうまくいかなくてもいろいろ試せばいいと思うんですけどね。

私も、たまたま、この番組を見ていた。「ネットカフェ難民」を扱った番組だが、その中で「アニメータ」を目指す、30歳過ぎの男性を紹介していた。

竹熊さんも、その後「俺の難民時代」というエントリで書いているように、今のネットカフェ難民と似たような経験をしている。私も、竹熊さんとは、それほど世代間のギャップはないはず。竹熊さんと共通しているところは、「なんとかなる」という漠然とした希望だったのよね。それほど、将来に対して不安を感じなかった。若いというせいもあったのだと思う。

私は講談社の新人漫画賞(この年、いきなり新人漫画賞の賞金が100万円にアップした)に応募し、「小林まこと」に破れ、彼は賞金100万円とオーディオセットを手に入れ、私は佳作入選で賞金10万円とテレビゲーム(エポック社のピンポンゲーム)を手に入れ、漫画家となった。

私が漫画を描いていた頃、巷は「インベーダー」に侵略され、パーソナル・コンピュータが発売されるようになった。私が初めて購入したパソコン「PC-8001Mk2」は、確か16万円ほどしたと思う。5インチFDDは、店頭展示の中古品を11万円ほどで手に入れた。当時、ゲームは、カセットテープから、ピーガーと読み込む時代だったのだ。

テープ版のゲームを少しでも速く読み込めるようにディスクに保存することに夢中になる。なにせ「芸夢狂人の宇宙旅行」というゲームは、テープから読み込むのに30分もかかった。さてゲームでもしようかと思い立ったら、ひたすらピーガーと30分待たなければならない><;
で、パソコンのメモリに読み込んだゲームをディスクに保存するのは、それほど簡単ではない。今のようにOSの管理下でゲームが走るというわけではないからだ。マシン語でデータを直接ブロック転送したり、メモリのダンプリストと睨めっこして過ごした。

いつしか漫画を描くことをしなくなり、その頃読んでいたパソコン雑誌「ログイン」の人材募集に応募して、私は「アスキー」という会社に転職した。ちょうど、世の中はファミコンブームが沸きあがり、「ファミコン通信」が創刊される、少し前だったのだ。

「すがやみつる」さんが私をアスキーに引き込んだと思っている人もいるが、確かに私はすがやみつる(原作者名:鶴見史朗)さんとコンビを組んで「デッドヒート瞬」というレース漫画を連載した経緯があるが、直接には関係ない。後に、すがやみつるさんと会ったときに、むこうが「なんでこんなとこにいるの?」とびっくりしていたくらいだから。

で、ちゃんとした職についた経験のない、当時30歳代の私が、出版社のアスキーにもぐり込み、「パソコン」や「ファミコン」のゲーム雑誌の編集者になれたのは、世の中に登場したばかりで、まだまだ未成熟な分野だったからなのだろう。

1980年代の初頭は、日本では「ニフティ」や「アスキーネット」などパソコン通信が登場した時期でもあり、現在のインターネットの揺籃期でもあった。

閑話休題……。

人を動かす原動力となるのは、自分がのめり込む興味の対象があり、もっと深く知ろうとすれば、その世界に飛び込むしかない。そのとき、自分に才能があるか、ないかなんて、あまり考えてない。「なんとかなる」という思い込み、あるいは竹熊さんの言う「楽天主義」なのかもしれない。その分野での才能があったか(伸びたか、育ったか)どうかは、時を経ての結果論であり、誰もわからない。

そして、会社という組織の一員となり、その職種のなかで長く居ると、役職につき、別の才能を求められる。それはコミュニケーション能力だったり、グループをまとめる能力だったり、企画能力だったり、経営能力だったりするわけだ。

小飼弾さんの言う「才能が育つ」というのは、こういうことを言っているのかなぁ……とも思う。

でも、求められる才能が、必ずしも本人が望んだものとは限らない。会社内の技術職や研究職についている人で、将来、管理職になりたくないという人は多いのではないだろうか。

いずれにしろ、「人生は思い通りにならない」のではなく、ちょっと逆説的な言い方になっちゃうけれど「人生は思ったようにしかならない」。イメージを持たなければ、その方向に進むはずがない。問題はどういったイメージを描けるかだ。先の「アニメータ」を目指す「ネットカフェ」暮らしの男性も「本当のところでは、そういった生活をイメージし、自分自身、満足した生活を送っているんじゃないの?」と問いかけたくなる。だとしたら、他人がとやかく言うべきことでもない。

“■激突!ラジコンロックのキャラの変貌^^;” への3件の返信

  1. はじめまして。
    超遅レスになってしまいましたが、偶然ココに着きましたので、コメント入れさせてください。
    現在も全巻持ってます、ラジコンロック。
    70年後半より現在までRCをやっている者としては、数多のRCマンガの内でトップの面白さでした。
    ところで質問なのですが、このマンガを描かれる前「ラジコンキッド」と言うマンガを描かれていたと「ウィキペディア」に載っていたのですが、後年同じタイトルのマンガが「のなかみのる」氏によって描かれた為、この作品の情報がまったくありません。たしか「ノバ53S」にファンを付けて勝負に挑むなんてエピソードもあったような・・・。
    どんなストーリーだったのでしょう?

  2. ZATさま
    コメントありがとうございます。
    私は「ラジコンキッド」という漫画は描いていません^^;

  3. 返信ありがとうございます。
    そうですか、どうやらガセネタだったようですね。失礼しました。

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