今回は「ヒルベルト空間」ということで、ヒルベルト23問題の中の18問目「3次元の単位球の回りに単位球を重ならず触れ合うように並べるとき、最大何個並べることができるか」という最密空間充填の問題を予想したのだけれど、見事にハズされた「たけしのコマネチ大学数学科」第47講。講師は中村亨センセ。
問題は、任意の四角形(灰色)のまわりに、図のように10個の正方形を描くとき、左辺:[1]+[2]+[3]+[4]と、右辺:[5]+[6]+[7]+[8]+[9]+[10]が等しくなるような式を完成させよ。
問題の意味を理解するだけでも大変。ようは、オレンジ色の4つの正方形の面積の合計と、ブルーの正方形の面積の合計に[9](黄色)、[10](緑)の正方形を加えた面積が「=(等号)」で成り立つように、なんらか式に手を加えて変形させよ、ということ。[9]と[10]は、任意の四角形の対角線(赤と青)の長さを1辺とする正方形だよ。
思考停止になり「いいちこ」(焼酎)を飲みたくなるのを抑え、とりあえず、簡単な四角形で作図してみる。マス北野も「いやんなっちゃった」と嘆くほど面倒だ。作図から、各正方形の辺の長さを割り出し(^^;それぞれの面積の合計を求めてみる。
(※5月26日追記:間違いがあるようです。コメント参照)
(※5月28日追記:表の間違いを修正。kaakさんに感謝)
東大生チームも、作図からたまたま関係式を思いついた。この場合、4×(28)=(64)+2×(24)で、 4×(28)=(60)+2×(26)で、112=112、左辺と右辺が等しくなる。つまり、4([1]+[2]+[3]+[4])=[5]+[6]+[7]+[8]+2([9]+[10])となる。東大生チームは、他の形が異なる任意の四角形の場合も、式が成り立つことを検証している。
中村亨センセの「美しき数学の時間」を聴講することにしよう……。
で、「ヒルベルト空間」とは、現在のコンピュータのしくみを考えた「フォン・ノイマン」が名付け親らしい。量子力学など極小の世界を考えるときも、有効な概念とのこと。なんなのことなのか。ちっともわからないので、以下は、中村センセの講義の丸写しメモ。
「ノルム」は、ロシアでは「ノルマ」になって、決められた仕事量の意味で使われるとのこと。中村センセは、限られた放映時間内になんとか、問題と「ヒルベルト空間」を結びつける「ノルマ」をこなしたが、なんとも濃密な「美しき数学の時間」であったことよ。収録テープ編集のスタッフも「ノルマ」をこなした(テロップの間違いはあったけど^^;)。しかし、こなれていないのは、私の理解度だ;;
コマネチ大学
昨日のテーマは「ヒルベルト空間」。 いよいよ大御所の登場である。ところが、問題を見る限り、ヒルベルト空間の出ようがない面積に関する問題。ちなみに、今回の問題はとても面白くて、結果を証明しなさい、というレベルであれば十分に高校生にも手が届く問題。 どこ…
ご無沙汰です。
今回は、私も何のことだかサッパリわかりませんでした。
難しい方程式でもいいから、
”解法にはこのように「ヒルベルト空間」が使われています。”
みたいな応用例があっても良かったのではないかと思いました。
問題文もわかりにくかったですし、テロップのミスも目立つ回でした。
I appreciate in your usual cooperation. Best Regards,Chablis
コマネチ大学 #47
コマネチ大学 #47
たけしの コマネチ大学数学科 #47 2007/05/24 深夜OA
今回のテーマは、
「ヒルベルト空間」
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ドイツの数学者、ダフィット・ヒルベルト(1862~1913)、彼が記した幾何学の…
余弦定理の解法の式に間違いがあるようです。
[9]=a^2+b^2-2*a*b*cos(π-α)=a^2+b^2+2*a*b*cosα
[9]=c^2+d^2-2*c*d*cos(π-γ)=c^2+d^2+2*c*d*cosγ
[10]=b^2+c^2-2*b*c*cos(π-β)=b^2+c^2+2*b*c*cosβ
[10]=d^2+a^2-2*d*a*cos(π-⊿)=d^2+a^2+2*d*a*cos⊿
ですね(180度=πラジアン)。こうしないと cos の項が消えません。
それと辺の長さを計算しているところですが、
[1]の長さが2で [2]の長さが√5で[5]の長さが√9=3とすると
2^2+√5^2=9 なのでα=90度=π/2ラジアンで,π-π/2=π/2 なので,
[9]の長さも√9=3になるはずですが表では√12になっています。
[1]の長さ=2、[2]の長さ=√5、[3]の長さ=√10、[4]の長さ=3で
α=π/2 のとき(4辺の長さと1つの角度を決めないと四角形は決定しない)
上の式を使って計算すると
[5]の長さ=3
[6] = √(15+10*(√2)*cos(arccos((√5)/3)+arccos((√10)/6)))
[7] = √29
[8] = √(13+12*cos(arccos(2/3)+arccos(4/9)))
[9] = 3
[10] = √(13-12*cos(arccos(2/3)+arccos(4/9)))
とう複雑な式になります(コンピュータで計算しました)。arccos は cos の逆関数です。もちろん番組の解答の式は満たしています(これもコンピュータで確認しました)。αを変えればもう少し簡単な式になるかもしれません。
》それと辺の長さを計算しているところですが、
作図のミスと計算のミスが重なって「たまたま」答えが一致したみたいです;;
どうりで、Flashで図を回転させても、うまく重ならないはずだ><;
指摘、ありがとうございます。
こんにちは
今回は問題の出し方もいまいちでしたね。
中村先生、最近疲れてるのかな。
ご挨拶が遅れてしまいましたが、放送後に読むのをいつも楽しみにしております。
[1]と[4]のなす角が90度のときはきれいな数字になりますね。このときは[5]の面積が5で、[9]と[10]の面積が両方とも13になります。のこりの面積は表と同じです。4*([1]+[2]+[3]+[4])=112 で、[5]+[6]+[7]+[8]=60, [9]+[10]=26 なので答えの等式を満たします。
もしかすると作図されたのはこの図形ではないでしょうか。
おっしゃるとおりです^^;
Flashの画面で方形の角をグリッドに吸着させて作図し、グリッドのマス目を数えて辺の長さを出したのですが、マス目を数え間違えたようです。たまたま、答えが一致したので、検証を怠ってしまいました;;
元の表を修正するとコメントのやりとりがわかりずらくなってしまうので、元の間違った表も残しつつ、修正後の表を付け加えることにしました。