第9回:美術館定理

 「たけしのコマネチ大学数学科」第9回のテーマは「美術館定理」。問題は「下図のような形をした美術館に防犯カメラを設置する場合、館内全体を監視するには最低、何台のカメラが必要でしょうか? ただし、カメラは360度見渡せるものとします」

Ex_091  南北に分断された韓国の「離散家族」問題は、聞いたことがあるけれど、今回の問題は、中村亨センセによると「離散幾何学」で扱われる問題らしい。ばらばらに離散した点や図形の配置の最適化や極値を考える学問のようだ。美術館問題の他にも、警備問題や、刑務所問題などいろいろなバリエーションがあるみたい。たとえば「すべての壁が鏡張りの部屋の中のどこでも電灯を灯すと部屋全体に明かりが行き渡る」という照明問題の証明もある。

Ex_092  さて、今回の問題を単純化して考えてみる。美術館が三角形の場合は、どの角にカメラを置いても1台ですべてをカバーできる。

Ex_093

 ここでは、柱がない場合の8角形を考えてみる。それぞれの角どうしを結び、三角形で分割すると、黄丸や青丸にカメラを置いた場合は、3台必要になるが、赤丸の角にカメラを置けば2台で済む。8角形の部屋の場合、必要十分なカメラの数は2台ということになる。柱がない場合、n角形の部屋をカバーするカメラの台数は、[n/3]で表すことができる(※[ ]は、整数部分を取り出すガウス記号)。

Ex_094  柱がある場合も、角どうしを結び、三角形で分割する。この場合、角は、部屋の角「8」と柱の角「4」を足して「12」。角の数を「n」、柱の数を「m」とすると、美術館全体をカバーする必要十分なカメラの台数は、[(n+3-m)/3]になる。なんの証明にもなっていないが、もう、これ以上、書くことに飽きてきたことの証明にはなる(><;

Ex_095  INT(インテジャー)は、数値の小数部分を切り捨て、整数を返す「エクセル」の関数。