C018:割当問題

2006年8月19日

 ふだん家から一歩も出ない、ひきこもり生活を送っているが、月に一度くらい、校了とか、打ち合わせのため、編集部に行く。原稿や画像の受け渡しはネットで行えるが、インターネットの時代になっても、直接、顔を合わせての打ち合わせが必要だ。しかし、めったに人ごみに出ることはないし、歩かない私にとって、かなり疲れることで、家に帰るとぐったりしてしまう「たけしのコマネチ大学数学科」の第18回。


 今回の問題は、野球選手A~Eのデータを元に、どのポジションに割り当てたら、チームの戦力をベストにできるかというもの。データの数値は、低いほどよい。つまり、データの数値は、エラーの数と考えるとわかりやすい。


 今回もマス北野は数学的なカンを見せる。データをゴルフのスコアと見なし、最小値を「パー」と考え、各選手の最小値をデータから引く。


 最小値「パー」の合計は「26」となるので、ポジションの割り当ては、いかに、この最小値に近づけることができるかが問題となる。それで、各選手のパー「0」をチェックすると、ポジション「SS」では、選手が重なり、いっぽう「外野」では誰もいない状況になる。


 B選手の「3塁」は決定で、「1塁」はC選手にまかせてもいいだろう。問題は、「外野」を誰が務めるかである。もし、A選手が「2塁」のポジションをとったら、D選手か、E選手が「外野」をやらなければならなくなり、どちらも「+3」でチームにとっては、ありがたくない。A選手が「外野」をやってくれれば、「+1」で収まる。残る「2塁」と「SS」だが、D選手が「2塁」をやると「+3」になってしまうので、E選手が「2塁」(+1)、D選手が「SS」ということで、チームとしては、ベストなポジション割り当てになる。


 中村亨センセの「美しき数学」では、さらに手順を追加し、確定的にポジションを決定できるようにデータを組み立て直していたが、私としては、マス北野の「パー」と「ハンデ」という考え方のほうがわかりやすかった。


 こういった考え方は、現実の問題として広く使われているようだ。番組では「線形計画法」が紹介されていた。中村亨センセの言うとおり、選手が5名の場合は、選手のポジションの組み合わせは、5の階乗で120通りだが、選手が10名になると、3,628,800通りにもなる。力まかせに、すべての組み合わせを実行し、最小値を求めるやり方では効率が悪い。そこで、いろいろなアルゴリズムが考えられているという。



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