C017:エッシャー

2006年8月11日

 「貧乏ヒマなし」は、あまりありがたくはないけど、貧乏でヒマになってしまうと、生活もできなくなって、もっと困る。働けど働けど我が暮らし楽にならず、じっと手を見る「たけしのコマネチ大学数学科」の第17回。


 まずは例題。上の図は「ペンローズの三角形」。実際にはありない形をしているが、ある位置から眺めると、このように見える図形を作ることができる。


 またまた「Shade」で作ってみたのが、こんな図形。カメラ位置を調整して、普通のレンズだと遠近感がついてうまく重ならないので、並行投影すると、「ペンロースの三角形」に見える。


 今回の問題は、ある角度から見たとき、下の図のように見える図形を作りなさいというもの。


 これはエッシャーの「ベルベレーデ(物見の塔)」にも登場する図形だそうだ。今回は、どんな方法でも、上の図形に見えればいい。非常にユニークな解答をしたのが数学研究会のメンバーだった(不正解だったけど)。東大生チームは、解答へ辿り着く方法はマス北野と同じだったが、雑な作りなためフィールズ賞を逃した。


「ゲーデル、エッシャー、バッハ - あるいは不思議の環」

中心となっているテーマは「自己言及」だが、これが数学におけるゲーデルの不完全性定理、計算機科学におけるチューリングの定理、そして人工知能の研究と結びつけられ、渾然一体となっている。エッシャーのだまし絵やバッハのフーガはこれらをつなぐメタファーとして機能している。

※出典:Wikipedia:ゲーデル、エッシャー、バッハ


ゲーデル、エッシャー、バッハ

―あるいは不思議の環 20周年記念版

ダグラス・R. ホフスタッター/著

白揚社



補習:ペンローズ | 2006年8月15日


 「たけしのコマネチ大学数学科」第17回のテーマは「エッシャー」だった。例題として「ペンローズの三角形」が登場したが、少しペンロースに関して補習しておこう。エッシャーとペンローズは、互いに影響を与え、つながりがあったようだ。エッシャーの絵に触発されたペンローズが作ったパラドクシカルな三角形が「ペンローズの三角形」だ。


 ロジャー・ペンローズの父は遺伝学者の「ライオネル・ペンローズ」。祖父は肖像画家で、父も絵の才能に恵まれ、インク画や油彩を描いていたそうだ。ペンローズが例の三角形の絵を父に見せると、父は興味を示し、さまざまな不可能物体や不可能建築の絵を描き、やがて、どこまでも上り続ける階段を作った。ペンローズと父は、その描いた絵のコピーをエッシャーに送り、エッシャーはそれをさらに発展させ「上昇と下降」という作品に結実させた。また「」も、ペンローズの三角形をベースにした作品だという。


(参考:[対談]ロジャー・ペンローズ+佐藤文隆



コメント: 竹内薫 | 2006年8月19日 (土) 20時49分


暑いですねぇ!

ここのところ、問題選定に四苦八苦しております。 10分で、予備知識ほとんどなしに解けて面白い・・・なかなか、ないもんです。ぶつぶつ。

いつも、トラバ、ありがとうございます!


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